白髪染めヘアマニキュアとヘアカラー?美容院プロが7つの疑問に回答
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2020/05/27
2015年12月19日に彩流社が発行した、「なっとく!の ヘアカラー&ヘナ&美容室選び」(以下、「同書」と呼ぶ)。著者は、美容院の前線で活躍されている森田要さんと、編集家の山中登志子さんです。
出典:同書 表紙
同書では、ヘアカラーの歴史、成分、トラブルをはじめとして、美容院業界の現状と裏話が、ふんだんに語られています。
しかも、核心部分をズバリと告発しているので、こんなことを言って大丈夫なのかと、心配してしまうほどです。
第一線で活躍され、日本におけるヘナカラーの第一人者ともいえる著者の記述に、強い気迫を感じました。
同書の始めに、白髪染め全般のQ&Aが掲載されているので、その部分をピックアップして、当サイトによる補足を加えながら紹介します。
他の記事と重複する質問もありますが、「美容院プロの視点から解説すると、こうなるのだ!」と考えてください。
目次
白髪染めヘアカラーと、黒髪用ヘアカラーの違いは?
白髪を黒や黒に近い色に染めるのが白髪用ヘアカラー(白髪染め)、黒髪を黒以外の色に染めるのが黒髪用ヘアカラーで「おしゃれ染め」と呼びます。白髪用も黒髪用も、髪を脱色してから染色するので、基本的なメカニズムは変わりません。
ともに脱色と染色を同時に行いますから、髪へのダメージはかなり大きくなります。さらに、アレルギーを引き起こすケースも多く報告され、枝毛や切れ毛の原因にもなりますし、毛髪内部のたんぱく質や水分も著しく損なわれるそうです。
ヘアカラー(白髪染め)をくり返すと、退色現象が現れ、最初は思った色に染まっても、次第に色調が変わってきます。
もともと持っている髪質、ヘアカラー(白髪染め)やパーマによる髪の傷み具合によっても、染まり方は変わると考えてください。
【当サイト補足】
ヘアカラー(白髪染め)のメカニズムは、以下のようになります。
- 1剤に含まれるアルカリ剤で髪を膨張させて隙間をつくり、1剤の染毛剤と2剤の過酸化水素が、髪の中に深く浸透します。
- 髪に浸透した過酸化水素が、アルカリ剤で分解して酸素を発生し、メラニン色素と過去に染めた染料を分解して、脱色します。
- 髪に浸透した染毛剤は、酸素と反応して分子が大きくなって発色します。分子が大きくなることによって、発色した染毛剤が髪の中に定着します。
ヘアカラーの成分は、脱色力(ブリーチ力)と染毛力の組み合わせによって決まります。黒髪用ヘアカラーは、比較的明るい色の染毛剤が使われるので、白髪は染まりにくいといえます。
出典:ホーユー
白髪染めの基礎知識については、以下の記事を参考にしてください。
⇒ 白髪染めトリートメント~自宅で染める市販タイプと美容院の比較結果
ヘアマニキュアで染めた髪に、ヘアカラーを使える?
結論からいうと、ヘアマニキュアとヘアカラー(白髪染め)を併用することはできますが、ムラに染まったり、よく染まらなかったりします。
染毛のメカニズムを考えると、ヘアマニキュア、ヘアカラー(白髪染め)ともに髪へのダメージは大きいです。
出典:同書 31ページ
ヘアカラー(白髪染め)とヘアマニキュアは、使用する薬剤も染毛メカニズムも異なるものです。
ヘアカラー(白髪染め)で使用する染毛剤は酸化染毛剤と呼ばれ、発がん物質と指摘されているジアミン系染料(酸化染料中間体)で染色します。
ヘアマニキュアで使用されるのは、酸性染料と呼ばれる染料です。
出典:2014年1月30日 化学同人発行
放射光が拓く化学の現在と未来 127ページ
ヘアマニキュアは通常、毛髪を加温してキューティクルの隙間を開けて、酸性染料をキューティクルの隙間から毛髪内部の外側部分に浸透させて染めます。
黒髪を、あまり明るい色にすることはできませんが、白髪は染まり、色持ちは2~3週間ほどです。
ヘアカラー(白髪染め)のメカニズムは、先ほど解説したとおりで、髪の中まで深く浸透するため、色持ちも2~3ヶ月と長くなります。
どちらも、キューティクルを開いて、染料を髪に浸透させますから、髪のダメージが大きいことを、忘れないでください。
商品パッケージに、「無添加」「自然素材」「ジアミン系不使用」と書かれていても、安全安心とはかぎりません。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪染めトリートメント~ヘアカラーの成分と頭皮トラブルに要注意!
ヘナという植物が成分の染毛料とは、どんなもの?
ヘナは、白髪を赤橙色に染め、トリートメント効果が高い植物です。ミソハギ科の植物で、一般名はヘンナといいます。
エジプト、インド、北アフリカ、イランなどの乾燥した水はけの良い丘陵に育つ、ミソハギ科の高さ3メートルから6メートルほどの常緑低木。白またはピンク系の花、長さ2センチ幅1センチほどの楕円形の葉をつける。(出典:Wikipedia「ヘンナ」)
ヘナカラー(ヘナ白髪染め)の全体像については、以下の記事を参考にしてください。
⇒ ヘナカラー(ヘナ白髪染め)~数千年の時を重ね脈々と受け継がれる伝説
出典:Wikipedia「ヘンナ」
長い歴史のなかで使用され、安全性も証明されています。髪に対するトリートメント効果が非常に高いのと、ヘナの持つ抗酸化力によって白髪や脱毛を予防する効果もあるそうです。
ヘアカラー(白髪染め)やヘアマニキュアと違い、短時間で染まることはありませんし、黒髪はほとんど染まりません。また、白髪に対しては赤橙色に染まるので、黒髪との割合でメッシュをしたようにも見えます。
自然染料ですから、回数を重ねるにしたがって色に深みを増していくものです。
黒く染まる「ブラックヘナ」や、暗めの色に染まる「ダークブラウンヘナ」などには、ジアミン系の酸化染料が配合されているようなので、ナチュラルヘナ100%を選ぶ必要があります。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ ヘナ白髪染めトリートメントの有害ブラック商品に注意してください!
エジプト第18王朝の王妃(紀元前1350年~1334年頃)ネフェルティティは、爪にヘナで色を付け、アンチモンを原料にした墨で、アイラインをしていたそうです。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪染めトリートメント~歴史に名を残す伝説の美女たちの美容術とは
白髪染めヘアカラーを2色混ぜて、中間の色になる?
自宅でイメージ通りの色が出ることは、なかなかないようです。白髪染めヘアカラーの、2色を混ぜあわせても、中間の色に染まることはありません。
美容院ではカラーチャートを見ながら、好みの色を決めて薬剤を使い分けていきます。しかも、根元と毛先の染まり具合を確かめながら施術を行ないますから、好みの色に染めることができますし、色持ちも2~3ヶ月と長いです。
自宅で染める場合と美容院で、染めるメカニズムは全く同じですが、使用する薬剤のパターン数が、まったく違います。
白髪染めヘアカラーは時間が長いと、よく染まる?
白髪染めヘアカラーは化学薬品ですから、所定の時間を厳守しないと危険です。染める時間を長くすることは、抜け毛や脱毛の原因にもなりますから、注意してください。
染めている途中で、熱さを感じたり、ヒリヒリすることがあるのは、頭の上で化学反応が起きているからです。
なお、1剤と2剤を混ぜた直後から、化学反応による発色が始まります。時間とともに染色効果が低下していきますから、使用直前に混ぜてすぐに使用してください。
白髪染めヘアカラーの成分は、男性と女性で違う?
男性用おしゃれ染め、白髪染め、髪色もどしなど、ヘアカラーの成分や染めるメカニズムは、女性用と変わりません。
ただし、男性の頭髪の寿命は、長くても4~5年と、女性の6~7年よりも短かくなります。男性の場合は、脱毛を回復させるのが女性よりも難しいので、まずは脱毛の原因を作らないことが重要です。
白髪染めのみならず、シャンプー、トリートメント、パーマなど、あらゆる薬品を排除することが育毛への近道といえそうです。
白髪染めヘアカラーとパーマは、どちらが先?
白髪染めヘアカラーやパーマは、目的によって順序は異なります。どちらも髪を劣化させる薬品が使われているのですから、ともにおすすめしません。
下の画像は、白髪染めヘアカラーによる髪の損傷を、顕微鏡で撮影したものです。
出典:2009年3月3日に日本毛髪科学協会が発行した「新ヘア・サイエンス」38ページ
下の画像は、パーマによる髪の損傷を示しています。
出典:2009年3月3日に日本毛髪科学協会が発行した「新ヘア・サイエンス」37ページ
「髪や地肌の負担を軽くするために、白髪染めヘアカラーとパーマの間隔を、1週間以上あけましょう。」などと言われること自体が、髪に負担のかかることを意味するのです。
【発表】
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