白髪の原因 白髪とストレス

若白髪の原因と病気やストレス関係なし!10代20代でも多いのはなぜ?

 

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2020/05/26

 

早い人は小学生のころから生えるので、若白髪というのはまさに長い友達ということになります。

白髪のない人には全く理解できないので、心ない言葉を気軽にかけられてしまうこともあるでしょう。そのような日々が重なって、本人にしか分からないコンプレックスが、積もってしまうかもしれません。

 

この記事では、「若白髪の意味」を淡々とまとめていきます。様々な情報が氾濫する中で、まずは信頼のおける正しい情報によって、真実を知ってもらいたいからです。

自分が置かれている状況、自分の身に何が起こっているのかを、正しく把握してください。若白髪と病気やストレスとは、全く関係ないのです。

 

ここに1冊の辞典があります。60年以上にわたって、医学・医療の関係者から広く信頼を得てきた、「南山堂 医学大辞典」です。

白髪は医学用語で「白毛(はくもう)」と呼びますから、そのページを開いてみます。

 

 

このページを完全に理解することができれば、とりあえず知っておくべき真実は、身につけたことになるはずです。その状態のまま、今後の対策を考えていってください。

現状に関していっさいブレることなく、未来のことだけ考えていけば良いのです。

 

当サイトで取りあげてきたように、毛髪の科学はこの十数年間で、急速な進歩をとげています。分子や遺伝子レベルでの研究が、進展してきたからです。

従来では考えられもしなかったような製品が、これから登場してくることでしょう。

 

これから、大辞典の内容を解読していきますので、心を静めて読み進んでみてください。

 

若白髪は病気ではない

医学大辞典による白髪の解説は、さすがに辞典らしく、白髪を分類することから始めています。その分類を見るだけで、若白髪は病気ではないということが、明らかです。

「序文」「先天性(生まれつき)」「後天性限局性(生まれつきでない、部分的な白髪)」「若白髪」と、4つに分けられ、病気については「2つ目」と「3つ目」だけに記述されているからです。

 

 

序文には、若白髪を含めた、一般的な白髪全般の特徴が書かれています。この部分は、「白髪の原因」として最後に整理します。

2つ目の「先天性(生まれつき)」、3つ目の「後天性限局性(生まれつきでない、部分的な白髪)」には、さまざまな病名が並んでいます。それぞれを、別の記事で整理しましたので、必要なかたは参考にしてください。

 

「先天性(生まれつき)」について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と遺伝の解明!医学大辞典「先天性白毛」の全文を解読する

 

「後天性限局性(生まれつきでない、部分的な白髪)」について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と対策(後天性)まとめ~病院の何科で治療すれば治るのか!

 

最後4つ目の部分では、「若白髪は優性遺伝性」と表現されています。のちほど詳しく解説しますが、もちろん病気やストレスとは関係ありません。

 

若白髪とストレスは関係ない

医学大辞典の白髪を解説するページに、「ストレス」という言葉はひとことも登場しません。もちろん、若白髪も、ストレスとはまったく関係ないということです。

白髪の原因として、ストレスが取り上げられるようになったのは、さまざまな要素が混ざりあってしまったからでしょう。特に、次の2点には、注意が必要です。

 

1つ目は、「ストレス」という言葉には広い意味がある、という点。

 

  • 物理的ストレス(寒冷、騒音、放射線など)、化学的ストレス(酸素、薬物など)、生物的ストレス(炎症、感染など)、心理的ストレス(怒り、不安など) に分類されます(出典:Wikipedia「ストレス」)。
  • 医学や心理学の領域では、外部からの刺激をストレッサーと呼び、ストレッサーに適応するための反応をストレス反応という。ストレッサーの種類は、物理的、化学的、心理的の3分類(出典:厚生労働省)。

 

科学論文などで行う「ストレス実験」は、物理的ストレスや化学的ストレスが多いのです。すくなくとも、心理的ストレスと、白髪との関係を示すデータは、存在しません。

日常生活において、一般的に感じるストレスは心理的ストレスですから、白髪の原因かと気にしても、逆にストレスがたまるだけです。

 

2つ目は、医学大辞典の最後のほう(「若白髪」の直前)に、「精神的ショック」という言葉が掲載されている点。

さまざまな病名が並んで、最後に出てくる項目ですから、命にかかわるほどのショックであることが分かります。それほどのショックを受け続けたら、白髪も生えるということです。一般的な日常生活におけるストレスとは、別次元のものと考えてください。

 

もしも、若白髪を染めようとお考えなら、その場合は染料に気をつけてください。
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なぜ10代20代で白髪が多いのか

医学大辞典には、若白髪を単純明快に、「優性遺伝性」と表現していました。10代から20代前半に白髪の目立つ状態を、若白髪と呼びますが、なぜ若くして白髪が多いのか、「優性遺伝性」という言葉を中心に、整理してみます。

若白髪については、全3回シリーズで特集を組んでいます。詳しくは、以下の記事(第1回目)からご覧ください。
⇒ 白髪の原因は遺伝?若い男性(10代で若白髪の男)の研究結果とは!

 

優性遺伝と劣性遺伝

たとえばWikipediaで「優性」という項目を見ると、「二重まぶた」は優性で「一重まぶた」は劣性と掲載されています。具体的に、優性と劣性の違いを見てみましょう。

ヒトのカラダは、遺伝子という設計図にもとづいて、構築されます。カラダの特徴は、父親から1つ母親から1つもらった、1対の遺伝子の組み合わせで決定するわけです。

 

たとえば「二重まぶた(優性)」の性質を持った遺伝子を「A」、「一重まぶた(劣勢)」の性質を持った遺伝子を「a」とします。

1対の遺伝子の組み合わせは、「AA」「Aa」「aa」の3パターン。1対の中に優性の「A」があれば「二重まぶた」になるので、「AA」と「Aa」は「二重まぶた」、「aa」のみ一重まぶたです。

 

では、同じ兄弟姉妹でも、「二重まぶた」の人と「一重まぶた」の人がいるのは、なぜなのでしょうか。

たとえば父親も母親も「AA」であれば、1対の組み合わせは「AA」しかあり得ませんから、子供は必ず「二重まぶた」になります。逆に両親がともに「aa」であれば、子供も「aa」のみで、必ず一重まぶたです。

 

父親も母親も「Aa」の場合は、次のような組み合わせがあり得ます。

 

 

上図のように、子供の遺伝子は「AA」「Aa」「aa」すべてのパターンに可能性があり、兄弟姉妹でも「二重まぶた」と「一重まぶた」の人がいる場合もあるわけです。

 

家系図(20代男性、10代から若白髪)

次に、優性の「若白髪」に移ります。全3回シリーズでは、「半世紀以上も前(戦後6年目)に、20代の青年が作った若白髪の家系図」を取りあげました。

 

出展:遺伝 1951年 7月号 40ページ
(赤字は当サイトによる)

 

10代(14歳)から若白髪が目立つようになった青年が、遺伝との関係を研究するために作成したものです。丸は女性で四角は男性、黒は白髪で白は黒髪を示しています(ややこしいですが)。

「Ⅳ13」(赤丸)が、記事を投稿した20代(20歳)の青年です。全3回シリーズでは、この家系図すべての解明に挑戦しているのですが、この記事では「Ⅳ15」と「Ⅳ18」に着目してみます。

 

「Ⅳ15」は「Ⅲ9(母親)」と「Ⅲ10(父親)」の長男で、20代から若白髪で35歳の時に死亡しています。「Ⅳ18」は長女で、10代(18歳)にして若白髪です。

母親の「Ⅲ9」は、記事投稿者(Ⅳ13)の父親(Ⅲ8)の妹、20代から若白髪で55歳の当時は頭全体が真白という状況でした。父親の「Ⅲ10」に、白髪はありません。子供たち4人のうち、長男と長女の2人だけが若白髪でした。

 

若白髪の遺伝子を「若」、若白髪でない遺伝子を「黒」、として考えてみます。遺伝子の組み合わせとしては、「若若」「若黒」「黒黒」の3パターンあって、「若若」と「若黒」は若白髪、「黒黒」のみが若白髪ではありません。

注意していただきたいのは、若白髪でなくても、いずれ白髪になる可能性はあるということです。ずっと黒髪のままとは限りません。

 

父親(Ⅲ10)は黒髪で若白髪ではありませんから、「黒黒」以外はあり得ません。母親は若白髪だったので「若若」か「若黒」ですが、「若若」であれば子供の遺伝子は「若黒」のみとなって、子供は必ず若白髪になるはずです。

ところが若白髪は長男と長女のみだったのですから、母親の遺伝子は「若黒」であったことが分かります。

 

 

上図のように、母親が「若黒」で父親が「黒黒」の場合は、子供の遺伝子は「若黒」か「黒黒」の2パターンに分かれます。つまり、長男と長女は「若黒」の若白髪、次男と三男は「黒黒」で若白髪ではなかったということです。

長男と長女だけが、若くして白髪が多いのはなぜだったのか、完全に説明がつきます。

 

以上のように、10代や20代の若白髪は病気やストレスとは関係なく、遺伝子のルールに従って発生するものです。しかも、白髪の原因というのは、どのような白髪でも同じですから、単純に引き金が早く引かれただけ。

では、そもそも白髪の原因とは何なのか、医学大辞典の最初の部分に戻ってみます。

 

若白髪の原因

若白髪を含めた、白髪全般の特徴が、序文で解説されています。序文には2つの文章があって、2つ目の「加齢とともに白髪が増える傾向があります。」は、分かりやすい文章です。「加齢が原因」と書かれていないことに、注意してください。

さらに述べるならば、このページには「原因」という単語が登場しません。要するに白髪の原因とメカニズムは、医学的に全容が解明されていないのです。

 

 

序文の1つ目の文章、「毛母のメラノサイトのメラニンの数的変動や機能異常によって、毛髪が白色または灰白色化した状態をいう。」を、なんとしても解読しなければばりません。

そのためには、「毛母」「メラノサイト」「メラニン」という、3つの単語の意味を知る必要があります。

 

毛髪とは、「毛母細胞」という細胞が分裂することによって、作られるものです。「毛」の「母」だから「毛母(もうぼ)細胞」、分かりやすい名前が、つけられています。最初の「毛母の」とは、「毛母細胞あたりにある」という意味だと考えてください。

次の「メラノサイト」と「メラニン」は、医学大辞典を開きます。「メラニン」の記述は難解なので、赤線部分だけを知っておけば充分でしょう。「メラノサイト」の解説は、比較的読みやすい文章になっています。

 

 

簡単に要約すると、次のようになります。

 

  • 毛髪の色は、「黒色の色素ユーメラニン」と「黄色の色素フェオメラニン」の、混ざり具合で決定する。
  • 日本人は、黒色の「ユーメラニン」が支配的なので、多くの人が黒髪。
  • 色素メラニンを作るのは、色素細胞(メラノサイト)
  • じっさいに色素メラニンが作られるのは、色素細胞(メラノサイト)の中にある、メラノソーム

 

 

色素メラニンは、メラノソームごと、色素細胞(メラノサイト)の隣にある毛母細胞へと、運びこまれます。運びこむための、「輸送システム」というのがあるわけです。

色素メラニンが毛母細胞に運びこまれれば、あとはそのまま毛母細胞が分裂して毛髪になりますから、黒髪ができあがります。

 

色素メラニンが作られてから、毛母細胞に届けられるまでの経路のうち、どこかがとぎれてしまうと、毛髪は色素のない状態(白髪)となります。つまり白髪の原因は、次の4つ考えられるということです。

若白髪の原因が4つのうちのどれで、「優性遺伝性」という引き金が、どの原因を引き起こしているのかは、現在のところ明らかになっていません。

 

 

【白髪の原因その1】
色素細胞(メラノサイト)が減るか、なくなった。

【白髪の原因その2】
メラノソームが減るか、なくなった。

【白髪の原因その3】
メラノソーム内で、色素の材料が減るか、なくなった。

【白髪の原因その4】
色素を毛母細胞に運びこむための、輸送システムが機能しなくなった。

 

若白髪の原因と病気やストレス~まとめ

若白髪は病気ではありませんし、ストレスとも関係ありません。若白髪の特徴は、「優性遺伝性」という点にあります。

若白髪を含めた白髪の原因は4つあり、4つのどれか(または複数)が起これば、必ず白髪になるということです。

 

 

引き金となる要因は、さまざま。「優性遺伝性」が、どの原因に対して「引き金」を引いて若白髪になるのか、まだ解明されていないのが現状といえます。

 

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