納豆は白髪を予防する食べ物なの?栄養と改善効果の意外な関係とは!
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2020/05/26
当サイトはこれまで、さまざまな角度から、食べ物の栄養と白髪の関係について、追いかけてきました。今回は、「納豆の予防・改善効果」1本に絞って、結論を最優先にして進めていきます。
入手できる最新のデータとして参考にするのは、文部科学省による「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」。
日本食品標準成分表
2015年版(七訂) 表紙
次の疑問を、すべて解決していきます。
- 白髪を予防改善するという根拠は、何なのか?
- 数ある食べ物のなかで、なぜ納豆なのか?
- 他に有効な食べ物は、あるのか?
- じっさいに、効果があるのか?
ちなみに、結論を先に述べておきますと、
根拠はありますが、効果の見込める可能性は25パーセント未満。可能性が低いとはいえ、あえて言うならば納豆よりも、きな粉・いり大豆・脱脂粉乳のほうが、期待値は高いです。
根拠とともに説明しますので、最後まで読み終えると、1ミリの疑問も残らないはずです。
目次
納豆の栄養 vs 白髪の予防や改善
前半で確認するのは、白髪の予防・改善に効果があるとウワサされる納豆について、その栄養とは具体的に何なのか、その栄養を最も多く含むのは、納豆なのかという点。
後半では、その栄養が白髪を予防・改善する根拠、を明らかにします。
白髪と栄養の全般について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と栄養の関係まとめ~毛髪と栄養状態の意外な調査結果とは
白髪を予防改善する栄養とは?
これまで何度も掲載してきたことですが、納豆と白髪の予防や改善を結びつけるキーワードは、「チロシン」というタンパク質です。
白髪を予防・改善するためには、白髪の原因を断つ必要があります。なぜチロシンが白髪の原因を断つ可能性があるのか、は後半に譲ることにして、まずはチロシンを多く含む食べ物とは何なのか、を確認してみましょう。
これまでに得た情報によれば、チロシンを多く含む食べ物は、大豆・鯵・鶏卵・玄米・白米などです。
その栄養は納豆に多いの?
冒頭で紹介した、文部科学省による「日本食品標準成分表 2015年版(七訂)」。この中にある「アミノ酸成分表編 第2章 第1表」に、納豆をはじめとする食べ物 100グラム当たりに含まれる、各種アミノ酸の量(mg、ミリグラム)が掲載されています。
このうち豆類、魚介類、肉類、卵類、穀類、乳類から、おもなものをピックアップしました(数字はチロシンの量)。
【豆類】
糸引き納豆 680 mg
ひきわり納豆 640 mg
いり大豆 1300 mg
湯葉(生) 930 mg
湯葉(干し) 2200 mg
油あげ(生) 1000 mg
豆乳 150 mg
おから(生) 200 mg
凍り豆腐(乾) 2200 mg
凍り豆腐(水煮)490 mg
木綿豆腐 280 mg
絹ごし豆腐 210 mg
きな粉 1400 mg
【魚介類】
まあじ 670 mg
まいわし 640 mg
うなぎ 470 mg
まさば 690 mg
さんま 630 mg
まだい 700 mg
とびうお 720 mg
にしん 580 mg
ひらめ 750 mg
ぶり 710 mg
くろまぐろ 860 mg
あさり 190 mg
あわび 300 mg
さざえ 480 mg
しじみ 270 mg
はまぐり 190 mg
いせえび 690 mg
毛がに 480 mg
するめいか 490 mg
まだこ 440 mg
【肉類】
若鶏肉(むね、皮なし、生) 770 mg
ぶた(ロース、赤肉、生) 810 mg
うし(和牛肉、もも、生) 710 mg
【卵類】
鶏卵(生) 550 mg
【穀類】
そば粉(全層粉)300 mg
玄米 310 mg
精白米 230 mg
【乳類】
牛乳 150 mg
脱脂粉乳 1600 mg
豆類では、納豆600~700ミリグラムに対して、湯葉(生)930 mg、湯葉(干し)2200 mg、凍り豆腐(乾)2200 mg、きな粉1400 mg、いり大豆 1300 mg。
湯葉(干し)や凍り豆腐(乾)は水につけるので別として、そのまま食べるものでは「きな粉1400 mg」「いり大豆 1300 mg」あたりが、納豆よりも強力といえるようです。
最も予防改善効果の高い食べ物
では、豆類いがいの食べ物に目を向けると、どうでしょうか。魚介類と肉類は納豆と同じくらい、卵類と穀類は納豆よりもかなり少ないものの、脱脂粉乳(1600mg)は納豆(600~700mg)の2倍以上も含まれています。脱脂粉乳をそのまま食べたら、の話ですが。。。
要するに、白髪の予防・改善にチロシンを求めるのであれば、豆類なら「きな粉」「いり大豆」、最強は「脱脂粉乳」の期待値が高いと考えられるわけです。
納豆の効果 vs 白髪の予防や改善
はたして栄養素のチロシンは、本当に白髪の予防や改善に効果があるのでしょうか。じっさい世間には、納豆を食べて白髪が改善した例があるわけです。
いっぽう、「効果のある人とない人」が存在することも事実です。その理由を、明らかにする必要があります。
効果のあった人にとっては、白髪の原因が解消されたのでしょうし、効果のなかった人からすれば、納豆と白髪は関係なかったことになります。
ある人は納豆で原因が解消され、ある人には1ミリたりとも変化が現れない。そこには、どのようなカラクリがあるのでしょうか。
そもそも白髪の原因は?
納豆の栄養は、白髪の予防や改善に、効果があるのかどうか。それを確認するためには、そもそも白髪の本当の原因とは何か、を知っておく必要があります。
「本当の白髪の原因」が引き起こされれば、必ず白髪になるはずです。年を取っても白髪にならない人は、加齢(老化)によって、白髪の原因が引き起こされない体質ということです。
毛母細胞で作られる毛髪には、もともと色素がないので白髪です。黒髪のもとである黒色の色素が、毛母細胞に運び込まれて毛髪の中に入りこむから、白髪が黒髪になるわけです。
逆に色素が毛母細胞まで運び込まれなければ、毛髪の状態はもとの白髪のまま。つまり白髪の原因は、色素の経路にあるということです。経路の遮断されるところが、まさに白髪の原因で、具体的には4ヶ所あります。
- 黒色の色素を作る色素細胞が減るか、なくなった。加齢によって、色素細胞が減少するメカニズムは、解明されました。
- 色素細胞の中にあって、じっさいに色素を作る、メラノソームという小器官が、減るかなくなった。
- メラノソームの中では、タンパク質のチロシンが材料となって、色素に変化していきます。化学反応を活性化するのは、チロシナーゼという酵素。つまり、「チロシン不足」「チロシナーゼ活性不足」だと、色素は作り出されません。
- 色素が作られたとしても、毛母細胞まで運び込む輸送システムが機能しなくなれば、黒髪になりません。
白髪の原因について、詳しくは「毛髪の科学(全4回シリーズ)」をご覧ください。以下は、その第1回目の記事です。
⇒ 白髪の原因とメカニズム解明!メラニン色素で黒髪に見える理由とは?
予防改善の効果は何パーセント?
納豆に白髪の予防や改善を期待できるのは、「チロシン不足」に対する効果と考えられます。
原因4つの割合が同じだとすれば、各原因ごとの確率は25パーセント。じっさいは、原因の1つ目「色素細胞の減少」の割合が大きいでしょうから、確率はもっと少ないと考えられます。
しかも、原因の3つ目には、「チロシン不足」と「チロシナーゼの活性化不足」があり、白髪の原因がチロシナーゼにある人は、納豆を食べても改善はまったく見込めません。
結局、チロシンを含む食べ物を摂ったとしても、白髪の予防や改善に効果がある確率は、25パーセントよりもかなり少ないことになります。
納豆の栄養効果が浮上した理由
同じ文部科学省のデータをもとにして、「おかめ納豆」のタカノフーズ株式会社が、食べ物の栄養価を比較しています。
(出典:タカノフーズ株式会社)
(赤い囲み線は当サイトによる)
納豆というよりも、大豆の栄養価にあらためて敬服してしまいます。ただ、上の絵では、髪の毛のことが一言も述べられていません。ましてや白髪と大豆と結びつけるには、話が遠すぎるのではないでしょうか。
どうやら、健康ブームに乗って、いつのまにか白髪と納豆が、関連づけられてしまったような感じです。
納豆の栄養効果と白髪の予防改善~まとめ
「納豆が白髪を予防・改善する栄養、とは何なのか」「他の食べ物で、多く含むものがあるのか」「本当に効果があるのか」「あるとすれば、確率はどの程度なのか」といった疑問を、晴らすことが目的でした。答えは、次のようになります。
- 納豆による白髪改善の根拠は、黒色の色素の材料、タンパク質チロシンにあります。
- たしかに、納豆にチロシンが多く含まれますが、最強というわけではありません。
- 白髪の人にとって、その原因がチロシンである確率は、25パーセント未満です。
- チロシンが原因で白髪の人は、ひょっとしたら、白髪が黒髪にもどる可能性はあります。
- その場合でも、効果を最大限に追求するならば、納豆よりも「きな粉」「いり大豆」「脱脂粉乳」が良いでしょう。
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