白髪の原因 白髪の予防と改善

白髪を黒髪に戻すか予防する方法はあるの?西洋医学と東洋医学まとめ

 

2016年8月15日にフレグランスジャーナル社が発行した「FRAGRANCE JOURNAL 2016-8」に、「加齢毛髪のハリコシを改善する新ヘアケア技術の開発」という論文が掲載されています。

亜鉛を含む薬剤に、負(マイナス)の電荷を帯びさせて毛髪に塗布すると、キューティクル層に亜鉛が浸透して、ハリコシが回復することを実験で確かめられたそうです。

 

出典:FRAGRANCE JOURNAL
2016-8 表紙

 

毛髪に関する研究・開発は、急速に進展しています。従来では想像もできなかったような製品や治療法が、やがて登場するかもしれません。

西洋医学から東洋医学まで、白髪に関する情報を参考にしてきましたが、近未来に実現すると考えられる回復法から、今日にも始められる予防法まで、総まとめをしてみます。

 

白髪を黒髪に戻す可能性の、高い順に並べました。最後には、白髪の回復や予防に関係ない単なるウワサ話も掲載しているので、これからは根拠のない情報に振り回されることがなくなるはずです。

 

 

白髪を黒髪に戻す方法

白髪を黒髪に戻す方法は、「白髪の原因」を逆にたどっていけば、浮かび上がってくるはずです。まずは、簡単に復習してみます。

そもそも黒髪が白髪になる原因は、毛髪を作り出している毛母細胞に、黒色の色素(ユーメラニン)が届けられないことでした。

毛母細胞が分裂を繰り返し、角化(死んで硬くなること)して積もっていくのが毛髪です。黒色のもとである色素が、毛母細胞に届けられなければ、黒髪にはなりません。

 

 

毛母細胞まで色素が届かない理由は、4つ考えられます。1つ目は、色素を作る色素細胞(メラノサイト)が減ってしまうことです。2つ目は、色素細胞(メラノサイト)の中で実際に色素を作り出している、メラノソームという小器官が減ってしまうこと。

3つ目は、色素の原材料が不足することで、色素が作られなくなって、白髪になります。4つ目は、色素を毛母細胞に輸送するシステムが、機能不全におちいることです。

 

これら4つの原因のうち、解決策が見えてこないのは、「白髪の原因2」。また、「白髪の原因4」については、どちらかといえばこれまで、化粧品の分野で研究されてきたテーマといえます。

つまり、肌の美白を追求するために、色素が肌に届けられなくなる方法を、探してきたということ。白髪を黒髪に戻すのと、美白とは、方向性が真逆だということが分かります。従来の研究開発は、どちらかというと美白が優先されてきたのです。

 

 

そのため、いまのところ「白髪の原因4」に対する解決方法は明らかになっていませんが、研究が進んでいる分野であることは確かなので、これから進展する可能性は大いにあるといえます。

 

再生医療は究極の回復法

白髪を黒髪に戻す方法として、究極の回復法ともいえるのが「再生医療」でしょう。毛髪から色素まで、根こそぎ解決してしまおうというものです。

もちろん、白髪を黒髪に戻すためには、毛包幹細胞と色素幹細胞という、2つの幹細胞システムに対応しなければなりません。この難題を解決するため、2020年を目標にした、ビッグプロジェクトがすでに2つスタートしています。

 

 

資生堂の研究チーム、および京セラの研究チームです。それぞれのアプローチは異なりますが、もはや夢物語ではなくなりました。特集記事を組みましたので、詳しくは以下をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と黒髪が戻る究極の改善!20日で治す再生治療の研究とは

 

白髪染めには注意が必要

白髪を黒髪に戻す方法として、現在のところ最も身近な方法といえるのが、白髪染めでしょう。お手軽な方法であることに違いありませんが、非常に大きな落とし穴があることを忘れないでください。

ひとくちに白髪染めといっても、髪を染める染料だけで「酸化染毛剤」「金属染毛剤」「脱色剤・脱染剤」「酸性染料(タール色素)」「塩基性染料」「HC染料」「植物由来の天然染料」「タール色素・顔料」など、多種多様です。

 

出典:食品と暮らしの安全
2015.12 表紙

 

商品のパッケージに、「自然素材」「無添加」「ジアミン系色素不使用」と記載されているからといって、安心というわけではありません。要するに、「髪を染める成分や防腐剤」は何なのか、という点こそが問題となるからです。

商品を選ぶときは、広告宣伝で安心せず、成分を確認し、適切な使用方法(特に、パッチテスト)を守ることが重要となります。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪染めトリートメント~ヘアカラーの成分と頭皮トラブルに要注意!

 

食品で回復する可能性は?

白髪を黒髪に戻すために、「白髪の原因3(色素の原材料が不足)」を解決する可能性のある方法があります。成功する確率は急に低くなりますが、これが原因で白髪になっている人にとっては、1つの回復法といえるでしょう。

ちなみに、4つある原因のうちの1つに、該当する人だけが成功するのですから、回復する確率は25パーセント以下と考えてください。

 

 

色素は実際には、メラノソームという小器官の中で作り出されています。具体的には、チロシン(たんぱく質の1種)が、チロシナーゼという酵素によって、科学的に変化していくというものです。

ヒトの肌や髪の色を決定するのは、黒色の色素(ユーメラニン)と黄色の色素(フェオメラニン)の2種類だけですが、どちらも材料は同じチロシンです。

 

色素の材料であるチロシンが不足するか、反応をすすめるチロシナーゼが活性化しなければ、結果的に色素を作ることはできなくなります。そこで、「チロシン」や「チロシナーゼを活性化する成分」を、多く含む食品が浮かび上がるわけです。

具体的には、チロシンを多く含むのが大豆、鯵、鶏卵、玄米、白米で、チロシナーゼを活性化するのが甲殻類(エビ、カニなど)、貝類、ココアとなります。

 

たとえば、納豆は白髪を黒髪に戻すというウワサ、以下の記事で真相が完全決着するはずです。
⇒ 納豆は白髪を予防する食べ物なの?栄養と改善効果の意外な関係とは!

 

白髪を予防する方法

世の中には白髪の予防法が氾濫していますが、ほとんどは単なるウワサ話にすぎないものが多いようです。しっかりした根拠にもとづく方法は、以下の5つでした。

 

東洋医学(2つの方法)

いまでも現役といえる伝統医学のうち、白髪について説く具体的な予防法は、当サイトの知るかぎりでは2つしかありません。

「毛髪の科学」を中心にした当サイトからすると、次元の異なる世界ともいえる東洋医学ですが、長い歴史からたどりついた叡知を紹介します。

 

 

1つ目は東洋医学のうち、インド伝統医学のアーユルヴェーダによる白髪の予防法です。身体にはたらきかけるエネルギーを「風」「火」「土」に象徴される3つに分類して、それらのバランスによって健康状態も変わると考えます。

白髪のある毛髪は、「風」が強まってバランスが崩れた状態であるため、「白ごま油によるうがい」で「火」の力を強めて、若返った状態に戻す方法を提案するものです。

当サイトで実際に試した結果も、レポートしています。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と予防や改善は東洋医学で!白ごま油は救世主なのか?

 

2つ目は東洋医学のうち、中国伝統医学の漢方理論によるものです。漢方理論では毛髪を「血の余り」と説き、血(栄養)が不足すれば、白髪や抜け毛の原因になると説明しています。つまり、カラダ全体の栄養バランスを優先することが、薄毛や白髪の予防につながるという考え方です。

さらに、白髪の生える場所と内臓は、関係するとも説いています。毛髪は体全体の優先度が低いため、栄養が不足すると毛髪にまで回ってこないという理論は、西洋医学と一致する部分もあるのです。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と生える場所(後頭部/前頭部/側頭部)と内臓(腎臓/胃/肝臓)

 

大量の飲酒を避ける

白髪の予防について、根拠の判断がむずかしいのは、白髪の原因が色素細胞や色素幹細胞だけにとどまらないからです。

色素幹細胞は毛包幹細胞の指令を受けて活性化しますから、毛包幹細胞が衰えてしまえば、薄毛はもちろん白髪にも発展する可能性は大きくなります。薄毛とくに男性型脱毛のメカニズムは、かなり解明されており、なかでも大量の飲酒は明らかに避けるべき習慣といえます。

 

 

アルコールは肝臓で分解されて、アセトアルデヒドになり、さらに分解酵素によって酢酸になります。大量に飲酒すると、分解しきれなかったアセトアルデヒドが、血液中に残ってしまうわけです。

アセトアルデヒドによって増加するのが、脱毛ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)。男性型脱毛(女性も発症します)の予防や改善では、DHTを減らすことが最優先なので、大量の飲酒は避けるべきです。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪と薄毛や抜け毛の原因とは?男性と女性で異なる脱毛メカニズム!

 

紫外線を避ける

毛包幹細胞と色素幹細胞の維持システムにおいて、必須の成分である「17型コラーゲン」が失われる原因は、遺伝子の損傷が発端であると判明しました。その予防として、日常生活で行えることは、できるだけ紫外線を避けるということでしょう。

遺伝子が傷つく要因は放射線、活性酸素、紫外線などさまざまですが、「体内で生成される過酸化水素」や「自然界に存在する放射能」を遮断することはできないからです。

 

 

紫外線には2種類あって、遺伝子の損傷に関係する紫外線と関係しないものがあります。しかも遺伝子の損傷に関係する紫外線が最も多い時期は、一般的に考えられている5月や6月ではありません。紫外線に関する正しい知識にもとづいて、対策を行ってください。

詳しくは、以下の記事中「紫外線の誤解」の欄を参考にしてください。
⇒ もみあげが白髪の原因は?生える場所(こめかみ/まつ毛/ひげ)の意味

 

水道水の塩素を避ける

直接的な白髪の予防法ではありませんが、頭皮の対策として盲点ともいえるのが、水道水に含まれる塩素です。

2016年9月24日にアスコムから出版された、「世界一簡単な髪が増える方法」。著者は、ヘッドスパ専門店プーラ代表の辻敦哉さんです。この図書はヘアケア対策をテーマにしていますが、頭皮環境を維持するうえで、参考になるのではないでしょうか。

 

出典:世界一簡単な髪が増える方法 表紙

 

出典:世界一簡単な髪が増える方法
表紙 & 6・7ページ

 

この図書で主張しているのは、頭皮環境を整えるうえで最初に対策すべきなのは、水道水に含まれる塩素だということです。たった10秒で毛髪や皮膚に吸収されてしまう塩素、水道水に含まれる「0.1ppm以上」は、わずか1分半で大腸菌が全滅するそうです。

頭皮まわりの善玉菌まで、死滅してしまうといいます。対策としては、塩素除去するシャワーヘッドに交換するだけ。当記事で取りあげた方法の中では、最も簡単といえるかもしれません。

 

白髪の回復や予防と関係ないウワサ話

白髪の回復や予防どころか、「風が吹けば、桶屋が儲かる」のような物語に近いウワサ話が、世間にはあふれています。

それらのうち、代表例の真相を掲載します。

 

ストレス

ストレスは、白髪の回復や予防とは関係ありません。ストレスが、白髪の原因として取りあげられるようになった理由の1つは、「ストレス」という言葉の持つ広い範囲でしょう。

 

  • 物理的ストレス(寒冷、騒音、紫外線、放射線など)、化学的ストレス(酸素、薬物など)、生物的ストレス(炎症、感染など)、心理的ストレス(怒り、不安など)に分類されます(出典:Wikipedia「ストレス」)。

  • 医学や心理学の領域では、外部からの刺激をストレッサーと呼び、ストレッサーに適応するための反応を、ストレス反応という。ストレッサーの種類は、物理的、化学的、心理的の3分類(出典:厚生労働省)。

 

動物による白髪の実験などで、物理的ストレス(紫外線や放射線など)や化学的ストレス(薬物など)などが使われることも多いため、いつのまにか心理的ストレスと混同されてしまったのかもしれません。

心理的ストレスは、むしろ有益だという主張もあるほどです。米スタンフォード大学の心理学者である、ケリー・マクゴニガルさんによる研究の結果、ストレスには上手なつき合い方があるといいます。

詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
⇒ 白髪とストレスの因果関係は医学で|驚きのマウス実験と急に増えた理由

 

 

ストレスと白髪の関係を、総集編として整理しました。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因とストレスの関係?なぜ増える医学からメカニズムを解明!

 

頭皮マッサージ

頭皮マッサージは、白髪の回復や予防とは関係ありません。常識的に考えても、頭皮マッサージと白髪の予防は、結びつかないのです。

そもそも、血行血流と白髪を結びつけること自体が、メカニズムとして無理があります。さらに、一時的に血行血流が高まったとしても、すぐに元にもどるわけです。長期間にわたって、効果が持続するはずがありません。

 

出典:HIGUCHI式ヘッドスパ 表紙

 

いっぽう、頭皮マッサージの効果は血行血流ではなくて、遺伝子だという驚くべき研究もあります。白髪と頭皮マッサージの関係は、総集編として整理しました。

詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と予防や対策まとめ~頭皮マッサージの効果がついに判明!

 

コーヒーやタバコなど

コーヒーやタバコも、白髪の回復や予防とは関係ありません。コーヒーは、活性酸素の代表例である過酸化水素が含まれるということで騒がれますが、活性酸素を緩和するための抗酸化物質(ポリフェノール)も多く含まれるのです。

 

 

タバコが血流を悪くするという事実はありますが、さきほどのマッサージと同じように、白髪と結びつけるのには無理があります。

嗜好品と白髪の関係について詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
⇒ 白髪の原因とコーヒーやタバコは無関係!飲酒(酒/アルコール)は?

 

白髪の回復や予防~まとめ

白髪を黒髪に戻す方法として現実的なのは、再生医療、白髪染め、有効食品が考えられます。ただし、白髪染めについては、くれぐれも成分に注意し、パッチテストを行なってください。食品は、成功する確率が、25パーセント以下です。

白髪を予防する方法として、根拠が認められるのは、5つ。日常生活で、実行できるものばかりです。カラダ全体にとっても、良いことばかりなので、習慣として取り入れてみてはいかがでしょうか。

その他、根拠のうすいウワサ話が、多く流通しています。振り回されないように、注意してください。

 

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