白髪の原因

白髪の原因とメカニズム解明!毛先だけとか途中から白くなる理由とは

 

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2020/05/26

 

毛先だけ白髪になっていたとき、毛髪に何がおきているのか。根拠とともに、解説している図書があります。

2002年に日本香粧品科学会が発行した「日本香粧品科学会誌 Vol.26 No.1」。17ページに「白髪研究の現状と防止の可能性」という論文が掲載されています。著者は、ライオン(株)生物科学センターの霜垣久夫さんです。

 

出典:日本香粧品科学会誌
Vol.26 No.1 表紙

 

頭髪に占める白髪の割合が3%をこえると、白髪が目立つようになるといわれますが、側頭部や頭頂部の場合はまとまって発生することが多いため、数十本生えただけで目立つ場合もあります。

著者らが行った消費者アンケート調査によると、40歳以上の女性では頭髪に関する悩みの1位が白髪で、各年代で白髪の悩みが60%を超えるという結果でした。

 

著者らは、黒髪と白髪の色素細胞(メラノサイト)を、観察して比較してみたそうです。

黒髪の場合は、毛髪の成長期・退行期・休止期のうち成長期に、「色素細胞(メラノサイト)が増殖 → メラニンを生成 → 色素細胞の消滅」という、メラノサイトサイクルが存在することを確認したといいます。

 

では、白髪の場合はどうなのか。ここからが、本題です。

 

毛先だけ白髪~途中から白い原因を解明

毛先だけ(または途中から)白い原因を解明するための手がかりは、白髪の色素細胞(メラノサイト)にあります。

白髪の場合は、成長期における「毛髪1本あたりの色素細胞(メラノサイト)の数」が少ないのですが、解析した白髪の約8割には、色素細胞(メラノサイト)が消滅せずに残っていました。

つまり、白髪が発生する時は、一気に色素細胞(メラノサイト)がなくなるのではなくて、徐々に減っていくようなのです。

 

出展:FRAGRANCE JOURNAL
2014年3月 30ページ

 

通常の黒髪では、「メラノサイトサイクル」を繰り返しながら、黒髪を生み続けます。白髪が生える時には、「メラノサイトサイクル」のどこかに異常が発生して、黒髪を維持できなくなるようだとのことです。

さらに、「白髪をよく観察すると、いったん毛先が白くなって、途中から黒く戻った毛髪を認めることがある。」(出典:日本香粧品科学会誌 Vol.26 No.1 19ページ)との記述もあります。これは、白髪から黒髪に回復したことを意味するわけです。

 

毛髪の毛先だけが白髪で、根元のほうは黒髪という例です。めったに見かけないものですが、毛先だけが白かったり、頭髪の途中まで白かったり、様々なパターンがあるでしょう。

じつは、この事実には重大な意味が込められています。はじめに述べた、「白髪が発生する時には、一気に色素細胞(メラノサイト)がなくなるわけではない。」ということにつながっていくのです。

 

論文の見解として、「いちど色素細胞(メラノサイト)の色素生成が低下して白髪になったけれども、何らかの理由で色素細胞(メラノサイト)が活性化されて、再び色素の生成が戻り、黒髪が回復したと考えられる。」という意味の記述があります。

色素細胞(メラノサイト)がなくなっていなければ、ふたたび活性化することによって、黒髪は復活することもあるわけです。

 

黒髪が復活するメカニズムを解説する前に、ごく簡単に白髪の原因を復習しておきます。

毛髪を作るのは毛母細胞で、毛包幹細胞が毛母細胞を供給します。黒髪のもとになる色素を作るのは、髪とは別の色素細胞(メラノサイト)で、その色素細胞(メラノサイト)を作りだすのは色素幹細胞です。

色素細胞(メラノサイト)で作られた色素が、毛母細胞に運び込まれることによって、黒髪の黒色を保つことができます。なお、じっさいに色素を製造しているのは、色素細胞(メラノサイト)内にある、メラノソームという小器官です。

 

 

黒髪が白髪になる原因は、4つ。

 

【白髪の原因1】
色素細胞(メラノサイト)の数が減るか、なくなった。

【白髪の原因2】
メラノソームという小器官の数が減るか、なくなった。

【白髪の原因3】
メラノソームの中で、色素を作るための材料がなくなった。

【白髪の原因4】
色素は作られたが、色素を毛母細胞に運び込むための、輸送システムが機能しなくなった。

 

毛先だけ白髪~途中から白いメカニズム

毛先だけ(または途中から)白い状態の白髪が、黒髪にもどるメカニズムは、4つの原因から逆に考えていくことになります。

人によって白髪の原因は異なるでしょうが、4つのすべてが解消されてしまえば、白髪は黒髪にもどるわけです。

 

【黒髪が復活するメカニズム1】(原因1の解消)
色素幹細胞が再び活性化して、減少していた色素細胞(メラノサイト)の数が、もとの正常な数にまで復活した。

 

 

【黒髪が復活するメカニズム2】(原因2の解消)
色素細胞(メラノソーム)内のメラノソームの数が、もとの正常な数にまで復活した。

 

 

【黒髪が復活するメカニズム3】(原因3の解消)
色素を作るための材料であるチロシン(たんぱく質)と、反応を活性化する酵素であるチロシナーゼが、充分に供給されるようになった。論理的には、食事によって補給することができます。

詳しくは、こちらの記事(⇒ 白髪の原因と予防や改善?食生活(食事/食べ物)で色素を増やす方法!)をご覧ください。

 

 

【黒髪が復活するメカニズム4】(原因4の解消)
色素細胞(メラノサイト)で作られた色素を、毛母細胞に運び込むための輸送システムが、もとの正常な機能に回復した。

 

 

毛先だけ白髪~途中から白いのは黒髪の復活!

4つのメカニズムが有効になれば、毛先だけ(または途中から)白い状態の白髪に、ふたたび色素が運びこまれるようになります。

つまり、色素のふくまれた毛母細胞が活動をはじめるため、黒髪はしだいに復活してきます。

 

 

(1) 白髪の原因4つのどれか(または複数)が起こっているので、色素は毛母細胞に送りこまれません。色素がないまま、毛髪が毛母細胞によって作られるので、根元から毛先まで白髪の状態です。

(2) 白髪の原因が解消されたので、毛母細胞に対して色素の供給が再開されます。毛髪は、毛母細胞が細胞分裂で増えて角化(死んで硬くなること)したものなので、すでに白くなった部分は白いままです。新しく作られる毛髪には、色素が含まれて、黒髪も復活してきます。

(3) 根元から、黒髪が伸びてきました。人の頭髪が伸びる速さは、1日に0.4mm、1週間に2.8mm、1ヶ月に1.2cmです。

(4) どのような状態で、どのくらい毛先部分を切るのかによりますが、切り方によって毛先だけが白髪だったり、途中から白髪だったりという状態になります。

 

以上と同じようなことは、例えば円形脱毛症が治って、頭髪が再生する時にも起こることがあります。

円形脱毛症は長い間「ストレス説」が語られてきましたが、少なくとも重いタイプの原因は、「自己免疫説」であることが確定的のようです。

 

免疫というのは、通常のばあい外敵に対して攻撃を加える仕組みなのですが、何らかのきっかけで自分の細胞に対して攻撃を加えてしまうことを、自己免疫といいます。

色素細胞(メラノサイト)が存在している毛母細胞は攻撃を受けやすいため、黒髪のほうが先に抜けてしまい、白髪は残ることがあるため、白髪が増えたように感じるそうです。

 

さらに色素細胞(メラノサイト)も攻撃を受けてしまった場合には、治療によって治ったとき(治療によって毛母細胞が復活して色素細胞は未復活の状態)に生えてくるのは白髪です。

そのため、円形脱毛症の再生期に、白髪の生えてくることが、よくあります。

 

最終的に色素細胞(メラノサイト)の機能も復活すれば、再び黒髪が生えてきますから、先ほど説明したような状況と同じようなことが起こるわけです。

白髪とストレスについて、詳しくはこちらの記事(⇒ 白髪の原因はストレスでない!30代40代の男性と女性には共通点が)をご覧ください。

 

毛先だけ(途中から)白髪~まとめ

毛先だけ(または途中から)白髪という状態は、黒髪が復活してきたことを示しています。黒髪と白髪では、色素細胞(メラノサイト)のサイクルが異なるのです。

白髪の場合は、黒髪とちがって成長期にも色素細胞(メラノサイト)がなくなりませんから、条件が整えば黒髪は復活します。

 

治療で黒髪を復活させる方法が解明されたわけではありませんが、2000年以降の頭髪研究の進展はめざましく、特に分子や遺伝子レベルでの研究が発展することによって、しだいに明らかになっていくことが期待されています。

 

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