白髪の原因と予防や改善?食生活(食事/食べ物)で色素を増やす方法!
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2020/05/26
食生活(食べ物・食事)によって、白髪の予防や改善が可能なのかどうか、データをもとにして掘りさげます。
自信に満ちた記事タイトルをつけてしまいましたが、最初に結論を述べますと、白髪の予防や改善の効果を見込める可能性は25パーセント以下です。
しかも、当サイトは食生活(食べ物・食事)に対して、カラダ全体にとって必要なバランスが最優先と考えます。毛髪を最優先にした栄養の摂取など、本末転倒です。
ですから、この記事で特定の食べ物を紹介したからといって、毎日それだけを食べ続けることのないようお願いします。
ちなみに、納豆だけに話をしぼって、白髪の予防・改善効果を検証しました。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
⇒ 納豆は白髪を予防する食べ物なの?栄養と改善効果の意外な関係とは!
そもそも、「白髪を黒髪に」と「肌を白く」とは、真逆の要求です。なぜならば毛髪も肌も、黒色の原因は黒い色素(ユーメラニン)だから。
白髪の予防や改善には、黒い色素(ユーメラニン)の生成を促進する必要があり、「肌を白く」しようと思えば、黒い色素(ユーメラニン)を抑制する必要があるのです。
この記事で紹介している食べ物を多く摂取すると、白髪が改善しても、肌は黒くなるかもしれません。
25パーセントとはいえ本当に可能性はあるのですから、実行する前に「白い肌、黒い髪」どちらを取るのか判断してください。
目次
白髪の原因(1)を食生活(食べ物・食事)で予防・改善できるか
白髪の原因は4つあるので、食生活(食べ物・食事)による予防・改善の可能性を、1つずつ確認していきます。
そもそも毛髪が黒いのは、黒い色素(ユーメラニン)が毛髪の中に含まれるからです。逆にいえば、黒い色素(ユーメラニン)が毛髪まで届けられなければ、白髪になります。
白髪の原因(1)は、黒い色素(ユーメラニン)を作り出す、色素細胞(メラノサイト)です。色素細胞(メラノサイト)が減るかなくなってしまえば、黒髪になりようがありません。
色素細胞(メラノサイト)を維持するための食生活(食べ物・食事)は、いまのところ未発見といって良いでしょう。
なお、色素細胞(メラノサイト)を作り出すのは色素幹細胞で、色素幹細胞のはたらきが活性化するのは、毛包幹細胞(毛髪を作り出す毛母細胞のもと)の指令によるものです。
このような幹細胞どうしの相互作用システムを維持するためには、「17型コラーゲン」というたんぱく質が必須であると判明しました。
ところが、「17型コラーゲン」は口から摂取しても分解されてしまうため、体の中で作られるのを待つか、できるだけ減らないようにするかしかないのです。
白髪の原因について、詳しくは「毛髪の科学(全4回シリーズ)」をご覧ください。
⇒ 白髪の原因とメカニズム解明!メラニン色素で黒髪に見える理由とは?
白髪の原因(2)を食生活(食べ物・食事)で予防・改善できるか
食生活(食べ物・食事)による予防・改善の可能性、白髪の原因(2)はメラノソームです。色素細胞(メラノサイト)の中にあって、実際に黒い色素(ユーメラニン)を作り出す小さな器官。
メラノソームが減るかなくなってしまえば、黒髪の道は閉ざされてしまいます。
メラノソームの数は人種によって異なり、人種によって肌や毛髪の色が違うのは、メラノソームの数が異なるからだそうです。
分かるのはここまでで、メラノソームを維持するための食生活(食べ物・食事)も、いまのところ未発見といえます。
白髪の原因(3-1)を食生活(食べ物・食事)で予防・改善できるか
食生活(食べ物・食事)による予防・改善の可能性、白髪の原因(3-1)はチロシン(タンパク質の1種)です。メラノソームの中で、黒い色素(ユーメラニン)を作るための材料。
材料が減るかなくなってしまえば、黒い色素(ユーメラニン)を作ることができません。タンパク質ですから、食生活(食べ物・食事)による予防や改善の方法があるはずです。
2007年9月25日 薬事日報社 発行の、「誰もが知りたい毛髪のひみつ-毛髪の科学と診断-」(八木原陽一 著)。および2012年11月30日 薬事日報社 発行の、「毛髪の科学と診断」(八木原陽一 著)。
著者は60年以上、毛髪研究に取り組んできたそうです。日本毛髪科学協会「毛髪診断士」の、生みの親でもあります。
この図書に、食べ物に含まれるチロシンの量が掲載されています。出展は、「科学技術庁資源調査会編の5訂 食品成分表」。
毛髪の成分である18種類のアミノ酸のうち、一番多いのがシスチン(イオウを含むアミノ酸)なので、参考までにシスチンとチロシンを抜粋します。
食品名(摂取量)
シスチン(mg) チロシン(mg)
ワカメ(50g)
70 50
コンブ(50g)
160 80
白米(100g)
330 280
玄米(100g)
360 290
黒ゴマ(20g)
60 40
黒豆(50g)
90 105
大豆(50g)
550 600
牛肉脂なし(100g)
760 88
鯵(アジ、100g)
780 660
鶏卵(70g)
550 300
出展:毛髪の科学と診断 123ページ
この表を見て最初にわかるのは、言い伝えには全くの迷信もあるということです。
白髪になったら黒ゴマや黒豆を食べれば黒髪になるといいますが、シスチンやチロシンの量を見れば、あまり効力がなさそうだとわかります。
毛髪に海藻類が良いという言い伝えもありますが、シスチンやチロシンが、ワカメや昆布に多く含まれているわけではありません。
海藻が海に漂う姿から、連想されるだけではないかと述べられていました。
シスチンを多く含む食べ物は、大豆、鯵(イワシ、サンマ、サバも同程度)、牛肉(脂なし)、鶏卵といった順のようです。
チロシンを多く含む食べ物は、大豆、鯵、鶏卵、玄米、白米の順になります。もちろん五大栄養素(炭水化物・脂肪・タンパク質・ビタミン・ミネラル)のバランスが、大事であることは言うまでもありません。
食生活(食べ物・食事)による白髪の予防や改善の方法が、1つ見つかりました。
白髪の原因(3-2)を食生活(食べ物・食事)で予防・改善できるか
食生活(食べ物・食事)による予防・改善の可能性、白髪の原因(3-2)はチロシナーゼです。メラノソームの中で、チロシンの化学反応を活性化させる酵素。
いくら材料があっても化学反応がおこらなければ、黒い色素(ユーメラニン)は作られません。酵素ですから、食生活(食べ物・食事)による予防や改善の方法があるはずです。
この図書では、チロシナーゼを活性化するための食べ物についても記述されています。
チロシナーゼはわずかな銅イオンによって活性化されるので、銅イオンを多く含む甲殻類(エビ、カニなど)、貝類、ココアなどの摂取によって、白髪の発生を遅らせる(予防や改善)のではないかと記述されています。
出展:南山堂 医学大辞典 1645ページ
ちなみに、日本人は他の人種よりも白髪の発生が遅いそうで(白髪が出始めるのは35歳が平均値、他の人種は35歳で10%の白髪が平均値)、これも「食生活(食べ物・食事)とチロシナーゼによる活性化」に関係するのではないかと述べられています。
食生活(食べ物・食事)による白髪の予防や改善の方法が、さらに1つ見つかりました。
じつは「チロシナーゼによる活性化」という観点は、「肌の美白効果」をねらった化粧品開発の真逆の考え方です。「美白効果」とは、チロシナーゼの働きを抑制するというものです。
(出展:Wikipedia「美白」)
コウジ酸は、チロシナーゼから銅イオンを奪い取ることによって、チロシナーゼを働かせなくするもの。
アルブチンとルシノールは、チロシンよりも先にチロシナーゼと結びついて、結果的にメラニン生成を抑制することをねらっています。
ビタミンC誘導体はチロシナーゼとは関係なく、ドーパキノンをドーパに逆戻りさせるというものです。
従来は美白需要にこたえるための研究が優先され、化粧品なども色素メラニンの生成を抑制する方向に向けた製品が開発されてきました。
黒髪を取り戻すためには、逆に色素メラニンの生成を促進する方向に向けた製品開発が、望まれるところです(肌は黒くなるかも)。
白髪の原因(4)を食生活(食べ物・食事)で予防・改善できるか
食生活(食べ物・食事)による予防・改善の可能性、白髪の原因(4)は「色素の輸送システム」です。メラノソームの中で作られた色素を、毛母細胞(髪の毛を作る細胞)まで届ける役割。
せっかくメラノソームの中で黒い色素(ユーメラニン)が作られても、髪の毛まで届けられなければ意味がないです。
輸送システムについては、食生活(食べ物・食事)で解決する方法が、今のところ見当たりません。
白髪の原因と予防・改善~食生活(食べ物・食事)まとめ
白髪の原因4つについて、食生活(食べ物・食事)による予防・改善の可能性を、1つずつ確認してきました。
結論としては、原因(3-1)と原因(3-2)について、予防・改善に貢献しそうな食べ物があります。
- チロシンを多く含む食べ物:大豆、鯵、鶏卵、玄米、白米
- 銅イオン(チロシナーゼを活性化)を多く含む食べ物:甲殻類(エビ、カニなど)、貝類、ココアなど
原因4つのうち1つに効果を発揮する可能性があるので、単純に考えると、確率は25パーセント。
くり返しますが、カラダ全体の栄養バランスを、最優先させてください。
【発表】
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