ヘナ白髪染めトリートメントの有害ブラック商品に注意してください!
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2019/10/03
2016年3月に米国ハーブ製品協会(AHPA)が発行した、「メディカルハーブ安全性ハンドブック(以下、同書と呼ぶ)」。
出典:同書 表紙
同書の438ページ、「Lawsonia inermis L.」(ミソハギ科、一般名: ヘナ)には、次のような意味の記述があります。
いくつかのヘナ、特に「ブラックヘナ」として販売されているものは、しばしば皮膚にかぶれが起こり、アレルギー性接触皮膚炎の多くの原因となる。
そのうちのいくつかは、永久的にあとが残る原因となる黒染色剤、パラフェニレンジアミン(PPD)が混合されている。
パラフェニレンジアミン(PPD)は、ヘナ(Lawsonia inermis )に含まれていない。
「最高のヘナを求めて 髪を美しくする奇跡の植物(2017年5月 茅花舎 発行、著者:森田 要)」の107ページには、次のような記述があります。
独立行政法人 国民生活センターが発行した、「たしかな目」の2006年10月号では、2006年に実施したヘナ商品についての、調査を公表しています。
12社の製品のうち8製品に、ローソンがほとんど含まれていなかったという、じつに厳しい結果が報告されていました。
国民生活センターによる指摘から、10年以上が経過しているにもかかわらず、最新のハンドブックに掲載されている状況なのです。
そこで、「たしかな目」を現在でも深刻に受けとめるべきだと考え、その内容を整理しておくことにしました。
かなり深く切りこんだ報告と、業界および行政への要望が提起されており、いまでも斬新なレポートといえるのではないでしょうか。
本物の純粋なヘナを選ぶなら、以下をご覧ください。
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ヘナ白髪染めトリートメント~有害ブラック商品(1)
植物ヘナには2つの効果(白髪染め効果、トリートメント効果)があるため、「ヘナ」という言葉だけから「天然の植物」を連想してしまう人も多く、有害なブラック商品の登場するスキが生まれてしまうわけです。
ヘナカラー(ヘナ白髪染め)の全体像およびブラック商品の背景については、以下の記事を参考にしてください。
⇒ ヘナカラー(ヘナ白髪染め)~数千年の時を重ね脈々と受け継がれる伝説
冒頭で取りあげたテストは、商品名やパッケージの表示に「ヘナ」という言葉があるため、ヘナで染まると消費者が受け取ってしまう商品のうち、染め上がりがブラウンとダークブラウンを対象にしています。
誌面には商品名も掲載されていますが、当記事ではパウダータイプ(4商品)、クリームタイプ(6商品)と、参考としてシャンプー・リンス(2商品)、全12商品という記述にとどめました。
出典:たしかな目 2006年10月号 表紙
最初のテストは、各商品に配合されている、色素ローソン(ヘナに含まれる)の量です。
結果は悲惨なもので、パウダータイプの4商品とクリームタイプの2商品を除いて、残り6商品からはローソンがほとんど検出されませんでした。
【参考】
「ヘナの部位によってバラツキがあるものの、ヘナに含まれるローソンの量は、最大で2%といわれている。」との、補足が記述されています。
出典:たしかな目 2006年10月号 7ページ
6商品にはヘナが検出された、といっても図のとおりですから、クリームタイプにいたっては、ヘナで染めていないのは明らか。
そもそも、天然100%のナチュラルヘナでは、ブラウンやダークブラウンには染まりませんから、いずれにしてもヘナ以外の、何らかの染料が使われているはずです。
ほとんどローソンが検出されなかった商品の配合成分表示には、ヘアマニキュアなどに配合されるタール系色素の染料が記載されていたとか。
どの商品にもヘナで染まると受け取れる表示があり、ローソンのほとんど含まれない商品でも、「天然ヘナ成分配合で、自然なカラーリング」「ヘナ自体が持つ赤褐色の色素が、髪をオレンジブラウンに着色します」と説明されているわけです。
幸いにして、これら12商品から、皮膚アレルギーの原因となるパラフェニレンジアミン等は、染料成分として検出されませんでした。
出典:たしかな目 2006年10月号 10ページ
次は、パウダータイプ(4商品)とクリームタイプ(6商品)の全10商品、およびパラフェニレンジアミンに対する、パッチテストの結果報告です(10商品中、パッチテストの実施を表示しているのは、6商品)。
テストは、永久染毛剤(パラフェニレンジアミン等)でかぶれを起こしたことのある34人(Aグループ)と、起こしたことのない30人(Bグループ)を対象に、3つの病院で行われています。
パッチテストは、試薬をつけたばんそうこうを背中に2日間貼って判定したもので、結果は次のようになりました。
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Aグループは、パラフェニレンジアミンに陽性反応を示した人が、最も多い。
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Aグループのうち20%以上は、パラフェニレンジアミンを含まない5商品でも、陽性反応を示した。
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Bグループは、商品7を除くと、全般的に陽性反応を示す人が少なかった。ただし、陽性反応を示す人の割合は、全商品を通じて3%以上だった。
なぜ有害ブラック商品が存在するのか、「ヘナカラーのデメリット~ヘナをやめたい理由はヘナが原因ではない!」に整理しましたので、合わせてご覧ください。
ヘナ白髪染めトリートメント~有害ブラック商品(2)
じつは、この記事には続きがあって、「たしかな目」2007年7月号では、「酸化染料を含むヘナ白髪染め」と題する特集が組まれています。いよいよ有害なブラック商品の、核心へと迫っていくわけです。
2006年10月号では、ヘナ配合をうたった商品のうち、「ケミカルヘナ」「ブラックヘナ」「化学染料を含む」等の表示があるものは、テストの対象となっていませんでした。
全国の消費生活センター等に、ヘナ製品によるアレルギーの相談が寄せられていることから、あらためてテスト実施の運びとなったようです。
出典:たしかな目 2007年7月号 表紙
テストの対象は、インターネット上で販売されているヘナ製品のうち、「ケミカルヘナ」「ブラックヘナ」「化学染料を含む」等の表示がある7商品。
ここで微妙なのは、使用法などに頭髪用と受け取れる表現で記載しながら、じっさいは「雑貨品」「人工かつら用」など、使用目的が頭髪以外の商品も含まれていることです。
出典:たしかな目 2007年7月号 8ページ
結論から言うと、図のとおり7商品すべてに、アレルギーの原因となる酸化染料パラフェニレンジアミンが含まれていました。もはや、ヘナとは無縁の染毛剤です。
テスト対象商品のいずれにも、「医薬部外品」の表示はないので、違法ということになります。なぜなら、酸化染料は、「個別承認を受けた医薬部外品にしか使用してはならない」成分だからです。
テスト結果は、各商品の使用方法に従って水またはぬるま湯を加え、実際に使用するときのペーストと、同じものに含まれる酸化染料の濃度です。
他の機関で調査した市販品の結果によれば、配合割合は0.72~2.63%だったそうですから、テスト対象商品に含まれていた酸化染料の濃度は、かなり濃いということが分かります。
一般の人にとって非常に分かりづらいのは、説明書の使用目的に、イラストや写真つきで頭髪を染めるかのように表現されていながら、よくよく注意書きの細かい部分を見ると、次のように記述されていたりすることです。
本商品は、人毛かつら用の雑貨として流通しています。お客様ご自身の意思でご使用下さい。
人毛カットウィッグ用 ヘナパウダー
化粧品等の染色剤ではなく、雑貨品です。
人毛カットマネキン、人毛ツーベ、人毛かつら用
しかも、購入時には「人毛かつら用」「雑貨品」と分からないものもあります。成分表示も、1商品だけ外箱側面に英語で「Paraphenylenediamine」と記載されていたものの、他の商品に成分表示はありませんでした。
頭髪に直接つけて使用する化粧品は、成分をすべて表示する必要がありますし、医薬部外品でも酸化染料は表示する必要があるため、テスト対象商品の実態は大問題といえます。
ヘナ白髪染めトリートメント~有害ブラック商品まとめ
ヘナ白髪染めトリートメント(ヘナカラー)には、ヘナとは無縁の、有害なブラック商品があります。以下の点に注意して、自分の身を守る意識を持つことが重要です。
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白髪がブラックやダークブラウンに染まる製品は、ヘナと表示されていても、ヘナ以外の染料が配合されていると理解して使用してください。
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ヘナとうたった商品でも、ヘナの色素ローソンが検出されない商品も見られます。パッケージの文言だけでなく、成分表示にも目を向けるようにしましょう。
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パッチテストで陽性反応を示すのは、ジアミン系の染料によるものだけではないということを、知っておくべきです。
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とくに、永久染毛剤(パラフェニレンジアミンなど)によって、かぶれを起こしたことのある人は、パッチテストを行なうよう徹底してください。
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過去に染毛剤でアレルギーを起こしたことのある人は、「ケミカル」「ブラック」「化学染料」という表示のあるヘナ製品を、使用しないほうが良いです。
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注意書きに「人毛かつら用」「雑貨品」と書かれている製品を、頭髪に使用しないようにしましょう。
さらに詳しくは、以下をご覧ください。
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