白髪の原因と生える場所(後頭部/前頭部/側頭部)と内臓(腎臓/胃/肝臓)
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2020/05/26
白髪の原因を説明する時には、どのような観点から白髪を見るかということを、考えなければなりません。
なぜならば、例えば「医学」の観点から考えるとしても、さまざまな医学が存在するからです。
当サイトで「医学」という言葉を使う時は、特に説明がなければ、いわゆる「西洋医学」と考えていただいて結構です。本来は「医学」という言葉を用いる際に、何医学を意味するのか常に記述するべきでしょう。
今回は西洋医学と中国伝統医学の漢方理論で、「白髪の生える場所と内臓」をどのように考えているのか、掘りさげてみます。
目次
白髪の原因と生える場所~西洋医学
まず西洋医学的な見方から整理すると、「白髪の原因」と「白髪の生える場所」とは別々に考えます。
例えば、2010年2月12日にPHP研究所から出版された、「科学のおはなし からだのふしぎ」。監修は、細谷亮太 聖路加国際病院副院長。
「毛髪の科学(全4回シリーズ)」の、第1回目でも取り上げた図書です。
この図書には、「一般的に白髪となる順番は鼻毛・髪の毛・眉毛の順で、理由は分かっていない。」という意味のことが書かれています。
出展:からだのふしぎ 表紙
次は、2015年8月31日 慶應義塾大学出版会から出版された、「色素細胞 第2版」。「なぜ白髪になる?白髪のメカニズム」(西村栄美 著)という論文が、掲載されています。
論文の中には「一般に側頭部に最初に出現し、次第に頭頂部へと拡大する。さらに加齢に伴い髭(ひげ)、体毛、睫毛(まつげ)、眉毛(まゆげ)も白毛化してくる。」という記述があります。白毛(はくもう)とは、白髪の医学用語です。
出展:「色素細胞 第2版」表紙
これらを混ぜあわせると、白髪は「鼻毛 ⇒ 側頭部 ⇒ 頭頂部(つむじ) ⇒ ひげ、体毛、まつげ、まゆげ」の順に増えていくのが一般的だと考えられます。
2つとも後頭部に関する記述がないので、入れるとすれば「鼻毛 ⇒ 側頭部 ⇒ 頭頂部(つむじ) ⇒ 後頭部、ひげ、体毛、まつげ、まゆげ」の順。
白髪になる原因は同じで、理由は分からないけれども生える順番があるようだという考え方です。
白髪の原因については、「毛髪の科学(全4回シリーズ)」を参考にしてください。簡単な内容から始まって、次第に真相を掘りさげていくものです。
⇒ 白髪の原因とメカニズム解明!メラニン色素で黒髪に見える理由とは?
白髪の原因と生える場所~情報の信憑性
「白髪の原因と生える場所との関係」について、情報を集めさえすれば良いのであれば、いまの時代ですから大量に得ることができます。
問題は、どの情報を判断材料として残すかということでしょう。
当サイトは、情報の出展や根拠を最大限に重視します。出展や根拠のない情報は、正しいか誤りかは別にして、発信者個人の経験にもとづく1つの見解にすぎません。
ましてや匿名であれば、発信者が誰なのかさえさっぱり分からないのです。
「知り合いから聞いた話によると・・・」「かかりつけ医の話をまとめると・・・」と情報に記述されていても、結局のところ情報の発信元は不明といえます。
かりに情報の出展が掲載されていたとしても、出展もとの情報に出展や根拠がなければ、結果的には根拠がないのと同じです。
出展が「Wikipedia」の場合には、やや信頼度が上がると考えられます。
多くの人の目にさらされながら、情報の中身が洗練されていきますし、出展も求められているからです。
そのような条件から考えると、名前と肩書を伴う図書や論文・記事は、極めて信頼度が高いといえるでしょう。
さらに関係者からの信頼が厚い図書は、当サイトとしても最大限に尊重しています。たとえば「南山堂 医学大辞典」などです。
出展:南山堂 医学大辞典 表紙
「白髪の生える場所で、原因が分かる」という内容の情報は、さまざまなところで見ることができます。
ところが「東洋医学」「美容師さん」「漢方医さん」「鍼灸師さん」による情報と言われても、誰なのか特定できなければ身元不明情報なのです。
くどいようですが、この考え方によって、提供されている情報が正しいのかどうか、判断できるわけではありません。
身元不明情報が正しいかもしれませんし、図書の内容は誤っているかもしれません。あくまでも、情報そのものの信頼度を重視しているということです。
そもそも伝統医学に根拠を聞いても、「長い歴史で得た、人類の叡知なのだ!」という答えが返ってくるでしょう。
白髪の生える場所(後頭部/前頭部/側頭部)と内臓(腎臓/胃/肝臓)
前半で分かった白髪の生える場所(鼻毛 ⇒ 側頭部 ⇒ 頭頂部(つむじ) ⇒ 後頭部、ひげ、体毛、まつげ、まゆげ)と、内臓(腎臓、胃、肝臓、心臓など)には、はたして関係があるのでしょうか。
執筆者が明記された情報が、1つだけ見つかります。スキンケア大学というサイトに掲載されている「白髪の生える位置からわかる!?あなたの内臓の不調」という記事です。
投稿者は鄭権(Tei ken)さん。1971年生まれ。中国・吉林農業大学中薬材学院を卒業後、1997年に来日。東邦大学大学院薬学研究科博士課程修了。
2005年に、株式会社健康ビジネスインフォを設立。スキンケア大学(サイト)で、連載コラムを執筆しています。
鄭さんは、漢方理論で毛髪と関係している内臓は「腎(腎臓・生殖器・泌尿系)・肝臓・胃」で、この3つが不調になると白髪が出やすくなり、白髪が生える場所も異なると述べています。
頭頂部(つむじ)に関する情報は、ありませんでした。白髪の生える場所が異なる理由は、全く記述されていません。
以下が、白髪の位置、内臓、代表的な不調の関係です。
出展:http://www.skincare-univ.com/daily/column/013331/
腎(腎臓・生殖器・泌尿系)は生命力をつかさどるところで精というエネルギーを貯蔵し、精が不足すると白髪が増えやすくなると書かれています。いかにも中国医学らしいところです。
胃が不調だと食事から充分に消化することができないため、栄養が不足すると書かれており、この部分は理解できます。そして面白いのは次なのです。
肝臓の役割は血液を貯蔵して、全身に血液を届けることと書かれています。
漢方で毛髪は「血の余り」と説くため、血が余れば毛髪に充分な栄養が行きわたるし、不足すれば白髪や抜け毛などのトラブルが発生するとも記述されています。
この記事だけをご覧になっているかたには、何が面白いのかサッパリわからないでしょう。
じつは、「血の余り」と同じような考え方を示されている西洋医学の先生を、すでに当サイトでは記事として掲載していたのです。
出展:薄毛治療の新常識 表紙
麻生泰 先生(AGAスキンクリニック 医師・統括診療部長、医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長)です。「薄毛治療の新常識」という著書の中に、次のような記述があります。
この考え方からすると、栄養が不足しがちな状態が長く続いたら、まず毛髪に影響が出るということはあり得るでしょう。生命にとって重要なところから栄養を補給していき、毛髪は「血の余り」だと。
最初に記述した「白髪は側頭部から始まる」という現象と「血の余り説」(肝による側頭部)が奇妙に一致する点に、奥の深さを感じます。興味があるかたは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪は栄養不足が原因なのか~西洋医学と東洋医学の一致する見解とは?
いずれにしても白髪の原因と生える場所との因果関係を理解するには、漢方理論をさらに勉強する必要がありそうです。書籍から情報を得たら、この記事に追記していきます。
ちなみに上記で取り上げたサイトには掲載されていませんでしたが、漢方理論が記載されているのは漢方医学の聖典とされる「本草綱目(著者:李時珍、1578年)」「本草備要(著者:汪昂、1682年)」だという記事が存在します。真偽のほどはまだ確認していません。
脱毛の場所(後頭部/頭頂部/前頭部/側頭部)と内臓(脳/心臓/腎臓/肝臓)
白髪とは関係ありませんが、なんと脱毛の場所(後頭部/頭頂部/前頭部/側頭部)と内臓(脳/心臓/腎臓/肝臓)に、深い関係があるという情報も存在します。科学というよりも、いわゆる「熟練者のカンドコロ」というものです。
2015年11月10日 青春出版社 発行「頭皮ストレスをなくすと髪がどんどん増えてくる」(徳富知厚 著)。著者は床屋歴55年の、ベテラン理容師。のべ20万人もの髪と頭皮を見て触れてきました。
頭髪そのものよりも、もとになる頭皮から頭髪を考える、独自の発毛・育毛を研究されています。
出展:「頭皮ストレスをなくすと髪がどんどん増えてくる」表紙
著者の半世紀にわたる経験から整理すると、円形脱毛症による脱毛箇所と原因は、以下のようになるそうです。
- 後頭部 : 脳
- 頭頂部 : 心臓
- 頭全体 : 腎臓、肝臓
- 前頭部・側頭部 : ストレス
「脱毛箇所が頭全体の場合、原因は腎臓・肝臓」というところに、なんとも言えない漢方理論との絶妙な一致点があります。
白髪の原因と生える場所~まとめ
今回は「毛髪の科学」というよりも、伝統や経験から指摘される「白髪の原因と生える場所」を紹介しました。
やがて科学が真実に届いたころには、すでに伝統や経験が示していた情報と、同じ結論になるのかもしれません。
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