白髪原因の子供(乳児/幼児/小学生)まとめ!1本や数本も色素細胞から
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2020/05/26
ふと子供(乳児、幼児、小学生)に白髪を見つけてしまうと、おおげさに考えないでと言われても、不安になってしまいます。不安というのは、膨らんでしまうものです。
まずは冷静になって、信頼できる情報に触れることが大切でしょう。そうして目先の不安を消すか、それでも不安が残るなら、行動してください。
1954年に出版されて以来、60年以上にわたって関係者から広く信頼を得ている、「南山堂 医学大辞典」。
日本人による国内初の総合的な医学専門辞典で、医学・医療の業界では、日本で最も定評があると言われています。
出典:南山堂 医学大辞典 表紙
医学大辞典に記述されている白髪に関する解説のうち、子供(乳児、幼児、小学生)に関係あるところを、徹底的に追いかけてみます。
可能性のある部分は全て掲載しますので、記事を読み終えて少しでも不安がある場合には、すみやかに受診してください。
「子供(乳児、幼児、小学生)」という言葉の使い方は、以下に従っています。
1 乳児:満一歳未満
2 幼児:満一歳から、小学校就学まで
3 少年:小学校就学から、満十八歳に達するまで
出典:児童福祉法 第一章 第二節 第四条
当サイトにて要約
目次
子供(乳児/幼児/小学生)の白髪~生える原因
子供(乳児、幼児、小学生)も大人も、白髪の原因は同じですが、広い範囲にわたります。分類も含めて、「南山堂 医学大辞典」にしたがって、話を進めていきましょう。
医学用語で、白髪は「白毛(はくもう)」。医学大辞典で「白毛(はくもう)」を引くと、以下のように記述されています。
解説を4つの部分にわけました。1つ目は、赤線で囲んでいない序文。2つ目は、「先天性白毛」。3つ目は、「後天性限局性白毛」。4つ目は、「若白髪」の部分です。
このうち子供(乳児、幼児、小学生)に関係する可能性があるのは、4つ目の「若白髪」を除く3つの部分です。順番に見ていきます。
序文には、「毛母のメラノサイトのメラニンの数的変動や機能異常によって、毛髪が白色または灰白色化した状態をいう。 加齢とともに頭髪や全身諸所の毛が白くなる傾向がある。」と、2つの文章が書かれています。
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪は、ほとんどの場合が1文目に該当するので、詳しく説明していきます。2文目は、子供(乳児、幼児、小学生)と関係ありません。
まず、1文目の意味を理解するためには、「毛母」「メラノサイト」「メラニン」という、3つの言葉の意味を知る必要があります。
毛髪を作り出すのは、毛母細胞という細胞です。毛母細胞の細胞分裂が、毛髪の源ということになります。
細胞はやがて死んで角化(硬くなること)し、それをくり返すことによって、硬い毛髪が伸びていくわけです。あくまでも生きているのは毛母細胞で、毛髪はその産物といえます。
医学大辞典で使われている「毛母の」という表現は、「毛母細胞あたりの」という意味だと考えてください。
子供(乳児/幼児/小学生)の白髪~色素細胞
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪、ここからが、最も重要な部分となります。下の左が「メラノサイト」、右が「メラニン」を解説した部分です。
まず、右の「メラニン」については、赤線部分を理解しておけば充分です。つまり、メラニンとは全ての生物に存在する色素で、ヒトの場合は「黒色のユーメラニン」と「黄色のフェオメラニン」の2種類しかありません。
2種類の色素の混ざり具合によって、毛髪の色合いが決定されます。日本人の場合は、「黒色のユーメラニン」が支配的なため黒髪です。
金髪の場合は、多くの「黄色のフェオメラニン」と少しの「黒色のユーメラニン」が混ざっています。2種類の色素の量によって、ブロンドの色合いが変わってくるということです。
次に、左の「メラノサイト」ですが、こちらはスムーズに読める文章です。知識を深めるために、すべてを意訳しながら読み進めてみましょう。
なお、メラノサイトは日本語で「色素細胞」というので、ここから先は「色素細胞(メラノサイト)」と表記します。
【1文目】
ヒトの場合は、色素細胞(メラノサイト)がメラニンを作り出す唯一の細胞で、全身に分布する樹枝状の(木の枝のような形をした)細胞です。
出展:FRAGRANCE JOURNAL
2014年3月 30ページ
【2文目】
色素細胞(メラノサイト)の分布は、カラダの部分によって異なり、顔面に多くてお腹やお尻には少なく、手のひらや足の裏には存在しません。
【3文目】
「黒色の色素(ユーメラニン)」は、色素細胞(メラノサイト)内の、メラノソームという膜小器官(うすい膜でおおわれた細胞よりも小さな器官)の中で、作り出されます。
作り出された「黒色の色素(ユーメラニン)」が、メラノソームごと表皮細胞に運びこまれることで、皮膚や毛髪に色が与えられるのです。
【4文目】
色素細胞(メラノサイト)の分布や数は、人種が異なっても同じで、人種によって皮膚の色が違うのは、成熟したメラノソームの数が異なるからです。
【5文目】
色素細胞(メラノサイト)の数は、年齢を重ねるにつれて減っていきます。
【6文目】
色素細胞(メラノサイト)を生み出す親の細胞(色素幹細胞といいます)は、毛包の立毛筋付着部付近(下図)に存在し、その役割は毛球部や表皮に成熟した色素細胞(メラノサイト)を供給することです。
色素幹細胞は年齢を重ねるにつれ衰えていき、そのため白髪などが生じます。(当サイト補足:毛母細胞を作り出すのは、毛包幹細胞です。)
出展:細胞工学 2013年 第32巻 第10号
1039ページ
(星印が毛母細胞と色素細胞)
【7文目】
色素細胞(メラノサイト)の「がん化」したものが、悪性黒色腫(メラノーマ)です。
子供(乳児/幼児/小学生)の白髪~1本から数本
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪について、医学大辞典をひと通り読み進めてきました。あらためて、内容を整理してみましょう。
毛髪を作りだすのは毛母細胞で、その毛髪を黒くする「黒色の色素(ユーメラニン)」は、毛母細胞とは別の色素細胞(メラノサイト)が作ります。
「黒色の色素(ユーメラニン)」が、メラノソームごと毛母細胞に運びこまれたら、黒髪になります。
「黒色の色素(ユーメラニン)」が毛母細胞に運びこまれる前に、何らかの理由で輸送の経路が途切れてしまえば、色素の届かない毛髪は白髪になります。
毛髪が伸びるスピードは、1日に約0.4mm、1ヶ月に約1.2cmです。毛髪の根元にある毛母細胞に色素が届かなくなると、根元から白髪が積み上がり、やがて頭皮の外に現れてきます。
出展:細胞工学 2013年 第32巻 第10号 1039ページ
(白髪の白い部分と「毛母細胞 色素細胞」の文字は当サイトによる)
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪は、このような仕組みで生まれ、大人の白髪と変わりません。毛母細胞が活動していても、色素細胞(メラノサイト)が未成熟であれば、白髪になってしまいます。
1本だけとか数本程度であれば、色素細胞(メラノサイト)が成熟するまで、待つのが良いでしょう。
色素細胞(メラノサイト)が未成熟な状態ですから、白髪を抜いても、生えてくるのは必ず白髪です。
抜いたからといって、毛母細胞が傷つくことはありませんが、良いことは何もないので、そっとしておきましょう。
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
⇒ 白髪を抜くと増える?抜いたらはげる?切るほうがいいですか?
さらに医学大辞典の解説を読み進めていきますが、ここから先に該当する場合は、すみやかに受診することをおすすめします。
子供(乳児/幼児/小学生)の白髪~生まれつきの体質
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪として、つぎに可能性があるのは、医学大辞典で2番目に掲載されている、先天性白毛(生まれつきの白髪体質によるもの)です。
先天性白皮症(眼皮膚白皮症)、早老症候群(ウェルナー症候群、ロスムント・トムソン症候群)、ワールデンブルグ症候群があげられています。
これらのうち、医学大辞典によるウェルナー症候群の解説に、「発症年齢は21 ~58 歳」(出典:医学大辞典 186ページ 「ウェルナー症候群」)と記述されています。そのため、子供(乳児、幼児、小学生)は該当しません。
残りの3つは、可能性があるといえるため、重要な部分だけ意訳して掲載します。
【眼皮膚白皮症】(出典:医学大辞典 477ページ)
メラニン色素の合成に関与している遺伝子が、変異することによって発症するものです。メラニン色素が作られないため、生まれた時から全身の皮膚が白色で、虹彩が青色~灰色で弱視、頭髪が白色~茶褐色となります。
【ロスムント・トムソン症候群】(出典:医学大辞典 2615ページ)
遺伝子の変異による疾患です。顔面に赤いマダラや水泡ができて、光線によって悪化します。皮膚の症状以外にも、発達遅延、低身長、白内障、悪性腫瘍などの合併症状が現れることもあります。
【ワールデンブルグ症候群】(出典:医学大辞典 2626・2627ページ)
遺伝子の変異による疾患です。前髪一部の白髪、左右の虹彩の色が異なる、白いマダラ、色素沈着、難聴症状などが現れます。
医学大辞典の「先天性白毛」にあたる部分は、全文を解読しました。必要なかたは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と遺伝の解明!医学大辞典「先天性白毛」の全文を解読する
子供(乳児/幼児/小学生)の白髪~病気
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪、最後は「後天性限局性白毛」です。限局性の反対語は汎発性で、「全身または頭全体に広がる」という意味。限局性白毛とは、「一部の、境界がはっきりした」白髪ということになります。
尋常性白斑、円形脱毛症の再生期(治って生えてくる時)、フォークト・小柳・原田病、ビタミンB12欠乏症、吸収不全症候群、内分泌障害、クロロキンなどの薬剤、神経疾患、精神的ショック、などがあげられています。
ここからは、先に進むほど命にかかわる内容になっていきますから、注意してください。
なお、発症時期に関する情報も掲載しましたが、子供(乳児、幼児、小学生)の場合、「フォークト・小柳・原田病」の可能性は低いといえます。
「白なまず」と呼ばれ、境界のはっきりした白いマダラが特徴です。
(「すべての年齢で発症」出典:医療法人社団 清優会 はなふさ皮膚科 http://mitakahifu.com/ )
自覚症状のないまま、円形に脱毛してマダラが生じます。どの年代でも発症しますが、15歳以下の小児が全体の4分の1を占めます。
(「円形脱毛症は年齢・性別ともに関係なく起こる病気で、乳児の発症率はかなり低いのですが、1歳から発症の可能性が高まります。」(出典:ベネッセ教育情報サイト りかこ皮フ科クリニックの佐々木りか子院長 http://benesse.jp/ )
日本におけるぶどう膜炎三大原因疾患の1つで、さまざまな症状が眼に現れます。頭痛や耳鳴りから始まって、急激な視力低下とともに、両眼にぶどう膜炎を発症します。
「30代後半から50代前半によくみられる。」(出典:独立行政法人 国立国際医療研究センター 国府台病院 リウマチ膠原病科https://www.ncgmkohnodai.org/)
ビタミンB1やB2の欠乏によって、神経炎、健忘、不安、うつ状態、成長障害、各所の炎症などが現れます。
(「乳幼児のビタミンB12欠乏症の症状には、発育障害、運動障害、特有の成長遅延、巨赤芽球性貧血などがあります。」(出典:厚生労働省 「統合医療」情報発信サイト 「ビタミンB12」http://www.ejim.ncgg.go.jp/)
栄養分の吸収に障害がある疾患で、体重減少、下痢、浮腫、貧血など多彩な症状が現れます。
(「人工ミルクを飲んでいた乳幼児では乳糖を含まないミルク(ラクトレス、ノンラクト)を使用し、」(出典:みやけ内科 循環器科 http://www.miyake-naika.or.jp/ 「子どもの下痢」「吸収不良症候群」)
内分泌腺とは、ホルモンを作って、血液中へ送り出す器官のことです。
(「体重の増え方が遅いといわれることは、0歳~1歳の乳児に多いようです。」(出典:地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立 こども医療センター http://kcmc.kanagawa-pho.jp/ 「内分泌代謝科で取り扱うことの多い症状と疾患 説明と治療方針」)
マラリアの治療薬として、クロロキンが使用されます。
(「先天奇形や染色体異常 : 多くは、新生児期や乳児期に診断されています。」(出典:医仁会 武田総合病院 小児神経科 部長 越智 純子 http://www.health-info.jp/ 「子どもの神経疾患とは?」)
この位置に掲載されていますから、命にかかわるほどのショックということになります。
「後天性限局性白毛」について、さらに詳しい情報が必要な場合は、以下の記事をを参考にしてください。
⇒ 白髪の原因と対策(後天性)まとめ~病院の何科で治療すれば治るのか!
医学大辞典の最後には、「若白髪」について記述されていますが、子供(乳児、幼児、小学生)には関係ない部分です。
以上が、医学大辞典による白髪の解説となります。
子供(乳児/幼児/小学生)の白髪~まとめ
子供(乳児、幼児、小学生)の白髪について、医学大辞典にそって、解説を読み進めてきました。原因は大人の白髪と同じで、「黒色の色素」が毛髪に届けられないことです。
1本から数本であれば、色素細胞が成熟するまで、待つのが良いでしょう。抜かずに、そっとしておいてあげてください。
「生まれつきの白髪」「病気による白髪」についても掲載しましたので、該当すると考えられる場合は、すみやかに受診してください。
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