もみあげが白髪の原因は?生える場所(こめかみ/まつ毛/ひげ)の意味
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2020/05/26
もみあげ等こめかみ周辺は目立つので、白髪も発見されやすく気になる部分です。さまざまな部分に現れる白髪ですが、生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と白髪は、どのような関係があるのでしょうか。
その疑問を晴らすためには、まず「一般的に常識と考えられている情報の、真相を問いただす」ところから、始めなければなりません。
はじめに申し上げておきますが、白髪の原因として世間に流れている情報には、根拠のない通説が多いといえます。
科学的な常識であれば根拠は不要でしょうが、毛髪の科学はまだ、世間に普及しているとはいえません。根拠がなくても多くの人が語れば、通説になってしまうものです。
毛髪は人体の一部ですから、信用できる根拠を求めるのであれば、医学をはじめとする「毛髪の科学」ということになります。
毛髪の科学からみた「白髪(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)」とは、どのような現象なのか、明確な根拠をもとに説明していきますので、冷静に読み進めてください。
目次
生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と白髪~根拠のない通説
白髪の生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と原因を解説する情報には、図書・雑誌・ネットなど多数あります。そのほとんどは、「風が吹けば、桶屋が儲かる」のような、物語にすぎません。
根拠のない情報が、どれほど流通しているのか、具体的にみてみましょう(「遺伝」など、生まれつきの白髪は割愛)。
ストレス
ストレスによって毛細血管が収縮し血流が悪くなるため、酸素や栄養が細胞に行きわたらなくなって、白髪になるという考え方です。さらに活性酸素の増加により、老化が促進されると主張されることもあります。
ストレスは、白髪の原因ではありません。そもそも、「ストレス」という言葉には広い意味があるので、正確に使い分ける必要があるのです。
詳しくは、以下の記事を参考にしてください。
⇒ 白髪の原因とストレスの関係?なぜ増える医学からメカニズムを解明!
骨格
頬骨などの影響で血流が悪化して、白髪をひきおこす原因になるという説です。骨格と白髪の因果関係を示す、医学的な情報は見当たりません。
眼精疲労
現代人にありがちな、長時間にわたるデスクワークやパソコンによるブルーライト。眼筋をはじめとする頭部まわりの筋肉が膠着し、血流の悪化から白髪をひきおこすという主張です。
眼精疲労と白髪の関係を示す臨床データは、存在しません。
金属アレルギー
ネックレスやピアス、腕時計、ヘアピン、歯科金属などによる金属アレルギーが、白髪の原因になるという説です。
どのようなメカニズムで、金属アレルギーが白髪をひきおこすのか、その根拠や出典は見当たりません。
化粧品
肌に合わない化粧品の使用で、アレルギー症状を発することまでは理解できますが、白髪との因果関係は不明です。
血流とマッサージ
マッサージや半身浴によって血流が増し、その結果として毛髪の細胞に酸素や栄養が補給され、白髪の改善につながるという説明が多いようです。
マッサージや半身浴が、心身の状態に良い作用を与えることは理解できるのですが、だから白髪が改善するというのは論理に飛躍がありすぎます。
冷静に考えて、マッサージや半身浴の効果はどれほど持続するのでしょうか。一時的な血流のアップはあるとしても、必ず元の状態に戻ります。
ましてや、体全体の中で頭部だけ血流を良くして白髪を改善するというのは、因果関係やメカニズム的に不自然です。
出典:HIGUCHI式ヘッドスパ 表紙
頭皮マッサージによって白髪が改善することの根拠は、当サイトの知るかぎりでは存在しません。あえていえば、ヘッドスパは頭皮環境の改善よりも、「老廃物が排泄され、体全体の浄化が進む」効果が大きいといえます。
頭皮マッサージの効果と白髪との関係について、詳しくは以下の記事に整理しましたので参考にしてください。
⇒ 白髪の原因と予防や対策まとめ~頭皮マッサージの効果がついに判明!
食生活と栄養
食生活と白髪の関係についても、根拠のあいまいな情報があふれています。格言に近い言い伝えでさえも、よくよく調べてみると、誤解であることが多いのも事実です。
そもそも以下のような疑問について、真相と根拠を明らかにすべきでしょう。
- 白髪の原因とは何なのか?
- 白髪の原因のうち、栄養で改善できるとすれば、何の栄養素なのか?
- その栄養素によって、どのようなメカニズムで、白髪が改善するのか?
- その栄養素を多く含む食材とは、具体的に何なのか?
たとえば、納豆を食べれば白髪は改善するのか? 詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 納豆は白髪を予防する食べ物なの?栄養と改善効果の意外な関係とは!
紫外線の誤解
白髪に関してよく登場する「紫外線」ですが、常識だと思っていたことが誤解であったりすることも。2016年7月 金原出版 発行の「小児科 7月号」に、「太陽光と太陽紫外線の基礎知識」(佐々木政子 )という論文が掲載されています。
白髪の生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)から話はそれますが、先入観を考え直す1つの例として、知られざる紫外線の特徴と紫外線対策を掲載します。
出典:小児科 7月号 表紙
- 紫外線は太陽光線の一部で、太陽高度が高いほど紫外線も強いです。一日のうちでは正午ごろ最大強度になります。
- 同日、同時刻だと、緯度の低い地域(例えば沖縄)のほうが緯度の高い地域(例えば札幌)よりも紫外線が強く測定されます。
- 太陽光線は、直接光(カラダに直接あたる光)と散乱光(空中の浮遊物に当たって四方八方からくる光)と反射光(地面などにはね返された光)があります。カラダに当たる紫外線のうち散乱光の割合は、快晴日で50~60%、快晴でない日は80%以上となります。
- 最も誤解が多いのは、紫外線量の年間変動量です。ほとんどの日本人は、紫外線は5月に強いと認識しています。じつは紫外線には紫外線AとBの2種類あって、紫外線Aの場合は梅雨のある地域では5月に、梅雨のない地域では6月に最大強度となります。
- ところが紫外線Bは8月に最大で、1月の5~6倍となるのです。しかもDNA損傷・皮膚癌・白内障などの原因になるのは、紫外線Bのほうですから問題です。
以上のことから、例えば木陰に入ったら顔の浴びる紫外線量は大きく減るとしても、散乱光のあたる後方のオープンスペース側(たとえば後頭部)は、日向とほぼ同程度を浴びてしまいます。
紫外線AとBの年間変動量についても、再認識する必要がありそうです。
生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と白髪~真相は?
白髪の生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と原因を探しだすために、医学関連の図書を参考にしてみましょう。
例えば、医学関係者のあいだで最も信頼が厚いといわれている、「南山堂 医学大辞典」。白髪は医学用語で「白毛(はくもう)」と呼びますが、大辞典には「加齢とともに、頭髪や全身諸所の毛が白くなる傾向がある(老人性白髪)。」と記述されています。
出典:南山堂 医学大辞典 表紙
出典:南山堂 医学大辞典 1954ページ
(赤字は当サイトによる)
老化(加齢)でさえ、白髪の原因とは書かれていません。それも当たり前の話で、全員が年を取るのだから、老化(加齢)が原因なら全員が白髪になるはずです。ここから先は、のちに深く掘りさげることにしましょう。
白髪の生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)については、以下に掲載する2つの図書で、医学的な考え方を整理することができます。
1つ目は、細谷亮太 聖路加国際病院副院長が監修された、「科学のおはなし からだのふしぎ」(2010年2月12日 PHP研究所)です。
出典:科学のおはなし からだのふしぎ 表紙
この図書は、体に関する子どもたちの質問に答える形式で、30テーマを取り上げています。その中で白髪に関するものは、「年を取ると、どうして白髪になるの?」という質問。
答えの中に、「一般的に白髪となる順番は鼻毛・髪の毛・眉毛の順で、理由は分かっていない。」という意味の記述があるのです。
2つ目は、板見智 大阪大学教授と宮地良樹 京都大学教授が監修された、「毛の悩みに応える 皮膚科診療 毛髪最前線」(2006年6月8日 南山堂)。23名の医学専門家による論文集です。
出典:毛の悩みに応える 皮膚科診療
毛髪最前線 表紙
145ページには、「白髪は一般的に、まず側頭部に現れて、しだいに頭頂部へ拡大する。さらに年を重ねていくうちに髭(ひげ)、体毛、睫毛(まつげ)、眉毛(まゆげ)も白髪になっていく。」という意味の記述があります。
これら2つの内容を合わせると白髪は、
「鼻毛 ⇒ 側頭部 ⇒ 頭頂部 ⇒ 髭(ひげ)、体毛、睫毛(まつ毛)、眉毛(まゆ毛)」の順に広がっていく。
と理解してよいでしょう。白髪になる原因は同じですが、白髪になる部分の順番だけが異なるという考え方です。もちろん個人差はあるでしょうが、一般的にはこのような順番が多いと考えられます。
「もみあげ」や「こめかみ」は側頭部にあたりますから、白髪になる順番としてはかなり早いほうになります。比較的めだつ部分なので気になるとは思いますが、そろそろ始まったかなという感じで受け止めたほうが良さそうです。
生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と白髪~本当の原因
医学的な考え方によれば、白髪になる原因は同じで、白髪が生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)の順番だけ異なるというものでした。
最後に残るテーマは、生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)すべてに共通する、白髪の原因とは何かという点です。
日本人に黒髪が多いのは、毛髪の中に「黒色の色素(ユーメラニンといいます)」が含まれるから。この先から、話が少しややこしくなってきます。
毛髪を作るのは毛母細胞という細胞で、「黒色の色素(ユーメラニン)」を作るのは毛母細胞ではなく、色素細胞(メラノサイトといいます)という別の細胞なのです。
色素細胞(メラノサイト)の中に、メラノソームという小器官があって、じっさいに「黒色の色素(ユーメラニン)」を作り出すのは、その小器官メラノソームの中です。
「黒色の色素(ユーメラニン)」を作るための材料は、チロシンというたんぱく質で、チロシナーゼという酵素が反応を活性化します。
以上の予備知識から、「黒色の色素」の経路をたどっていけば、白髪の原因をつきとめることができます。なぜならば、経路が途切れてしまえば、毛髪に「黒色の色素」が届かないので、毛髪は白髪になってしまうからです。
出展:FRAGRANCE JOURNAL 2014年3月 30ページ
(赤字部分は当サイトによる)
【白髪の原因1】
「黒色の色素」を作り出す細胞である、色素細胞(メラノサイト)が、減るかなくなってしまった。
【白髪の原因2】
色素細胞(メラノサイト)は存在しても、じっさいに「黒色の色素」を作り出すメラノソームが、減るかなくなってしまった。
【白髪の原因3】
メラノソームの中で、「黒色の色素」の材料であるチロシンか、反応を活性化する酵素であるチロシナーゼが、減るかなくなってしまった。
【白髪の原因4】
「黒色の色素」は正常に作られたが、毛母細胞に運び込むための輸送システムが、機能しなくなった。
現在のところ、「白髪の原因1」と老化(加齢)との関係(メカニズム)が、明らかになった状況といえます。白髪の原因を引き起こす「引き金」は、老化(加齢)だけではありませんから、今後の進展が望まれるところです。
「毛髪の科学(全4回シリーズ)」は、簡単な内容から始まって、次第に真相を掘りさげていくものです。詳しくは、以下の記事(第1回目)からご覧ください。
⇒ 白髪の原因とメカニズム解明!メラニン色素で黒髪に見える理由とは?
生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)と白髪の原因~まとめ
医学的な考え方では、白髪になる原因は同じで、白髪が生える場所(もみあげ/髭/まつ毛/こめかみ)の順番だけが異なります。その順番とは、「鼻毛 ⇒ 側頭部(もみあげ、こめかみ) ⇒ 頭頂部 ⇒ 髭、体毛、まつ毛、まゆ毛」です。
白髪の原因は4つあり、いずれも「黒色の色素(ユーメラニン)」の、毛髪に届くまでの経路が途切れてしまうことにあります。「白髪の原因1」と老化(加齢)との関係(メカニズム)は、明らかになりました。
白髪に関する情報には、「風が吹けば、桶屋が儲かる」のような物語が多いので、根拠のない情報に振りまわされないようにしてください。
【発表】
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