白髪の原因 白髪とストレス

白髪とストレスの因果関係は医学で|驚きのマウス実験と急に増えた理由

白髪を気にせず、ストレスのない快適な毎日!
白髪染めトリートメントしながら健康で丈夫な髪と頭皮を手に入れる方法

2019/05/26

 

「白髪ストレス説」というのは、「風が吹けば、桶屋が儲かる」のような物語にすぎません。ただし、「ストレス」という言葉は意味が広いので、注意する必要があります。

ストレスを大きく分類すれば3段階ほどに分かれるので、それぞれについて白髪との因果関係を解説していきます。まずは、世間で一般的に使われる「ストレス」には、むしろプラスの効果さえあるという話から。

 

米スタンフォード大学の心理学者である、ケリー・マクゴニガルさん。彼女の「ストレス」に関する研究内容を、簡単にまとめてみます。

 

 

アメリカの成人3万人を、8年にわたって追跡調査し、必ず2つの質問をしたそうです。1つ目は、「この1年、どれほどのストレスがありましたか?」というもの。2つ目は、「ストレスは、健康に悪いと思いますか?」というものです。

結論は、ストレスが多いと死亡するリスクは43%高まるものの、それは「ストレスが健康にとって有害だ」と思っている人の場合に限るというのです。

 

それどころか、「ストレスを有害だと思っていないグループ」の死亡率は最も低かったといいます。

「ストレスは有害」と思ったがために死亡した人の数を、8年間で統計的に推定すると、18万2千人になるとのこと。これはアメリカ人の死因の15位にあたり、皮膚癌・エイズ・殺人よりも上位になるそうです。

 

心拍数が高まるのは血流が急に増えること、呼吸が早くなるのは脳に多くの酸素が供給されること、いずれも行動や挑戦に備えて体が反応しているのです。

ストレス反応を有益なものと見ることによって、体は勇気の状態になると彼女は主張します。

 

髪と同じ、ストレスも長い友達だと分かったところで、さらに深いレベルのストレスへと移っていきます。

 

なお、当サイト全体の結論を「白髪染めトリートメントしながら健康で丈夫な髪と頭皮を手に入れる方法」に整理しましたので、合わせてご覧ください。

 

白髪とストレスの因果関係~3段階あるストレス

白髪とストレスとの因果関係を整理するときに、忘れてはならないことが、「ストレス」という言葉の定義です。

 

「ストレス」という言葉には、一般的に考えられているよりも広い意味があります。物理的ストレス(寒冷、騒音、放射線など)、化学的ストレス(酸素、薬物など)、生物的ストレス(炎症、感染など)、心理的ストレス(怒り、不安など)に分類されます(出典:Wikipedia「ストレス」)。

 

医学や心理学の領域では、外部からの刺激をストレッサーと呼び、ストレッサーに適応するための反応をストレス反応という。ストレッサーの種類は、物理的、化学的、心理的の3分類(出典:厚生労働省)。

 

冒頭でも取り上げた、世間でも一般的に使われる身近なストレスは、心理的ストレス(第1段階)にあたると考えられます。

この日常的なストレスに加えて、「病にいたるレベルの強い心理的ストレス」(第2段階)と、「物理的・化学的ストレス」(第3段階)というものが存在するわけです。

 

第2段階の強い心理的ストレスを、「南山堂 医学大辞典」では「精神的ショック」と表現しています。記述されている位置から考えて、いかに深いレベルのものであるかが分かります。

 

【南山堂 医学大辞典 1954ページ】

 

白髪対策については、「白髪染めトリートメントしながら健康で丈夫な髪と頭皮を手に入れる方法」に整理しましたので、ご覧ください。

 

白髪とストレスの因果関係~急に増えた理由

強い心理的ストレス(精神的ショック)による白髪とは、どのようなケースがあり得るのでしょうか。白髪が急に増えた理由として、ストレスとの因果関係を見てみましょう。

2009年5月15日 集英社新書 発行の、「専門医が語る毛髪科学最前線」。著者は、板見智 大阪大学大学院教授です。

 

出典:専門医が語る毛髪科学最前線 表紙

 

板見先生は「円形脱毛症」を例にあげて、白髪とストレスの因果関係を説明されています。

長い間「ストレス原因説」だった円形脱毛症ですが、近年になって確定的になったのは、重いタイプの原因が自己免疫疾患であるということです。

 

自己免疫疾患というのは、免疫反応として外敵にではなく、自分の細胞に対して攻撃を加えてしまうものです。円形脱毛症の場合は、毛母細胞に対して攻撃を加えるために脱毛します。

自己免疫反応の攻撃対象は、メラニン色素の多い毛髪(黒髪)となるようです。急に円形脱毛症が起きて、黒い毛ばかりが脱毛して白髪が残ってしまえば、白髪が急に増えたと感じることもあり得ると述べられています。

 

 

強いストレスが「引き金」となって、自己免疫疾患という「原因」が引き起こされたという考え方です。科学の世界では「原因」と「引き金」という言葉を、厳密に使い分けています。

板見先生は自己免疫疾患を引き起こす引き金は、強い精神的ストレスだけでなく、ウイルス感染、疲労、出産、外傷などさまざまなことがきっかけ(引き金)になると述べられています。

 

2006年6月8日 南山堂 発行の、「毛の悩みに応える 皮膚科診療 毛髪最前線」。やはり板見先生が監修された本ですが、144ページに白髪を分類した表があります。

医学用語が多くわかりにくいかもしれませんが、自己免疫疾患と記述された部分に着目してみましょう。

 

出典:毛の悩みに応える 皮膚科診療
毛髪最前線 表紙

 

出典:毛の悩みに応える 皮膚科診療
毛髪最前線 144ページ
赤字は当サイトによる

 

「白毛」というのは、白髪の医学用語です。2つの図書から、内容を整理してみると、

 

1 黒髪は死んで硬くなった毛母細胞と黒色の色素(ユーメラニン)が混ざった状態なので、色素がすぐに抜け出ることは不可能。「一夜にして白髪」はあり得ない。

2 毛髪が伸びるスピードは1年に約15cmなので、白髪がそれ以上のスピードで伸びることはあり得ない。

3 何かのきっかけで自己免疫疾患になると、通常よりも比較的早いスピードで黒髪が抜けてしまう。もし白髪と黒髪の混ざった状態の人が自己免疫疾患を発症すれば、白髪ばかりが残って、急に増えたと感じることはあり得る。

4 白髪の原因となる自己免疫疾患としては、尋常性白斑、フォークト・小柳・原田病、円形脱毛症、甲状腺機能亢進症、ビタミンB12欠乏症(悪性貧血)などが考えられる。

 

少し補足すると、尋常性白斑というのは肌にできる白い斑点です。色素細胞が機能しないため、肌も毛髪も白くなります。

フォークト・小柳・原田病は、現在のところ色素細胞に対する自己免疫疾患といわれています。甲状腺機能亢進症の原因として多いのはバセドウ病で、やはり自己免疫疾患といわれています。ビタミンB12欠乏症(悪性貧血)も、自己免疫疾患のようです。

 

いずれにしても、日常生活の中で急に増えたのであれば、当サイトを見ている場合ではありません。悩んでいないで、すみやかに診療を受けてください。

 

白髪とストレスの因果関係~物理的ストレス

白髪との因果関係について、第3段階目は物理的ストレスです。心理的ストレスと異なり、物理的ストレスの場合は、プラス思考で向きあっても解消することができません。

みずからの身を守るために、何らかの対策をする必要があるのですが、驚くべきマウス実験のレポートが存在します。物理的ストレスである放射線に対して、色素幹細胞が抵抗する仕組みを持っているというものです。

 

2014年8月にメディカルレビュー社が発行した、「日本抗加齢医学会雑誌 - アンチ・エイジング医学」。

Vol.10 No.4 に、「色素幹細胞がストレスに抵抗する仕組みとエイジング」という論文が掲載されています。著者は、上野真紀子 東京医科歯科大学 助教授と西村栄美 同大学 教授です。

 

出典:アンチ・エイジング医学
2014 Vol.10 No.4 表紙

 

出典:アンチ・エイジング医学
2014 Vol.10 No.4 32ページ

 

ここで取り上げているのは、物理的ストレスの放射線。放射線は生物にとって有害(遺伝子を損傷する)ですが、身の回りにはもともと、自然放射線が存在しています。

紫外線から身を守るためにメラニン色素を作り出したように、生物は放射線から守るための仕組みも備えているのです。

 

 

毛髪は成長期(2~7年)・退行期(1~2週間)・休止期(3~4ヶ月)のサイクルを繰り返しています。色素幹細胞も、毛髪の周期に合わせて活性化(細胞分裂)することはすでに知られていたようです。

色素幹細胞にも、成長期のものと休止期のものがあるということです。しかも休止期の色素幹細胞に放射線を照射すると白髪になりますが、成長期の色素幹細胞に放射線を照射しても白髪にならないというのです。つまり成長期の色素幹細胞は、放射線に強いということです。

 

遺伝子を損傷するものは、放射線以外にもさまざまです。中には、成長期の色素幹細胞に影響を与えるけれども、休止期の色素幹細胞には影響を与えないものもあるといいます。

このような自然界で生き残っていくために、どのような対策をたてたのか。答えは、色素幹細胞が集まっている部分には、成長期の細胞と休止期の細胞が混在していることが明らかになったということです。

 

出典:日本日本抗加齢医学会雑誌 Vol.10 No.4 37ページ

 

aは通常の場合。bは休止期に影響のある、放射線の照射。cは成長期に影響のある、放射線以外を与えた場合。bもcも、結果的に影響はありません。dは両方与えた場合で、さすがに休止期と成長期を同時に攻撃されると、白髪になってしまいます。

成長期の細胞に攻撃を受けるだけなら、休止期の細胞が生き残る。休止期の細胞に攻撃を受けるだけなら、成長期の細胞が生き残る。目には見えない世界なのに、なぜこのような対策を講じることができるのでしょうか。むしろ謎は深まります。

 

白髪とストレスの因果関係~まとめ

白髪とストレスの因果関係を、3段階に分けて解説しました。1段階目の心理的ストレスは、考え方しだいではプラス効果もあるということ。2段階目の強い心理的ストレス(精神的ショック)は、急に白髪の増えた理由と考えられるということ。

3段階目の物理的ストレス(放射線)に対して、生物はみずからの身を守るための仕組みを備えているという、驚きのマウス実験を紹介しました。

以上のように、「ストレス」という言葉は広い意味を持つので、何のストレスについて語られた情報なのか注意するようにしてください。

 

当サイト全体の結論については、「白髪染めトリートメントしながら健康で丈夫な髪と頭皮を手に入れる方法」に整理しましたので、合わせてご覧ください。

 

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