白髪の原因と予防や対策まとめ~頭皮マッサージの効果がついに判明!
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2020/05/26
「頭皮マッサージは血流を良くして、頭皮の健康を維持向上し、白髪の改善につながる。」という、世間の一般的な見方は、はたして本当に正しいのでしょうか。
当記事は、これまで追いかけてきた白髪と頭皮マッサージについての、総集編です。
最初に、「究極の頭皮マッサージ」ともいえる、ヘッドスパを掘りさげます。頭皮マッサージの利点を、細かな部分までこだわって追求したワザの集まりですから、1つ1つのワザのねらいが明確で、白髪との関係を検討しやすいと考えるからです。
たとえば、頭皮マッサージには「リラックス効果」もあるのですが、究極のヘッドスパでリラックスすれば、心拍数は下がるわけです。ということは、血流が減ることになります。
「頭皮マッサージによる血流アップ」と「リラックスによる血流ダウン」、効果の矛盾を解決しなければなりません。
目次
頭皮マッサージの効果
冒頭で述べたように、白髪に対する頭皮マッサージの効果を明らかにするため、究極の頭皮マッサージとはどのようなものか、その姿を見てみましょう。
2つの図書を参考にしながら、何をねらって、どのようなワザに至ったのか、追いかけてみます。
極上のデトックス
2014年1月に髪書房が発行した、「HIGUCHI式ヘッドスパ」。著者は東京神楽坂でヘッドスパサロンを運営されている、美容研究家の樋口賢介さんです。
出典:HIGUCHI式ヘッドスパ 表紙
ヘッドスパは、経営者によって様々な考え方があるでしょうが、HIGUCHI式では「ヘッドスパは極上のデトックス」が基本方針のようです。
ヘッドスパという名称だからといって、頭の部分だけを見るのではなくて、あくまでも全身の最適化を目指しているといいます。ちなみにデトックスとは、「体内に溜まった毒物を、排出させること(出典:Wikipedia「デトックス」)」という意味です。
インドの伝統医学(東洋医学)である、アーユルヴェーダ理論が基本だそうです。
「いらないものを浄化する」「いらないものをため込まない」「良いものを取り入れる」という3つの考え方で、「たまった毒素や老廃物を、完全に除去するのをサポートする」のが、ヘッドスパだと解説しています。
これまでの記事では登場しなかった、「代謝を良くする」というポイントが新たに加わりました。
さらに、ヘッドスパで頭部の深いところまで刺激することによって、体全体のエネルギーバランスを整えることを、目指しているようです。
つまり、頭髪、頭皮、眼精疲労、頭痛や偏頭痛、肩や首のコリという外面的な健康に加えて、内面の疲れまで癒して、深いリラックス状態と究極のスッキリ感に導きます。
その上でデトックスを進めて、体全体を整えるというものです。
昔から「気」の流れとか、頭部は宇宙のエネルギーを受け入れる大事な場所、と言われてきましたから、ヘッドスパによって体全体の最適化を目指すというのは、突拍子もない考え方ではありません。しかも、具体的な技法までが解説されているのです。
ヘッドスパの技術解説
技術面の1つ目は、頭部の筋肉についてです。HIGUCHI式が着目しているのは、眉の上から頭頂部に伸びる前頭筋、後頭部を覆う後頭筋、側頭部の耳上に伸びる側頭筋、頭頂部を覆う棒状腱膜(ぼうじょうけんまく)の4つです。
頭部の筋肉は全てつながっているため、どこかの筋肉に緊張が続くと、全体としてひずみが生まれてきます。
その結果として、頭部に締めつけられるような痛みを感じたり、頭皮トラブルが発生したりするそうです。
ヘッドスパによって、頭部全体の筋肉をしなやかな状態にすることによって、頭皮の柔軟性を保つことができると言います。
出典:HIGUCHI式ヘッドスパ 33ページ
(赤字は当サイトによる)
技術面の2つ目は、リンパ。リンパとは、毛細血管から組織の中にしみ出した組織液が、リンパ管の中に吸収されて、栄養や細菌や老廃物を運搬するものです。
リンパ管の所々にリンパ節があって、細菌や異物をろ過して、血液の中に侵入するのを防いでいます。マッサージによって、老廃物を含んだリンパ液を、リンパ節に送り込みます。
出典:HIGUCHI式ヘッドスパ 34ページ
「リンパドレナージュ(ドレナージュはフランス語で、廃液、排出)」の手技によって、リンパの流れを改善します。
老廃物が排泄され、体全体の浄化が進み、組織全体の再生や疲労回復・健康維持に役立つ、いうものです。
インド伝統医学と中国伝統医学
2008年7月に発行された、「ナチュラルヘッドスパ」。著者は、セラピストの清末 悦子さんです。
先ほどの図書よりも、6年前に出版されたものですが、アーユルヴェーダの考え方を基本にしているところは、全く同じです。というか、こちらが元祖なのかもしれません。
この図書では、アーユルヴェーダに加えて、東洋医学のうち中国伝統医学の象徴ともいえる、「ツボと経絡」の理論まで取り込まれています。
数千年に及ぶ中国伝統医学の、長い伝統に支えられたツボ療法は、アジア圏だけでなく欧米各国の人々にも普及しました。
出典:ナチュラルヘッドスパ 表紙
ところが、ツボ(経穴)の名称や効能は同じでも、その位置が国によって異なるものも多く、長年、専門家の間で問題となってきました。
ようやく2008年に、WHO(世界保健機関)から、「標準経穴部位」が発表されます。これによってツボ療法は、世界的な普及に向けて、新たな一歩を踏み出したといえます。
中国伝統医学では、体の中には機能を正常に保つための、「気」というエネルギーが循環していると考えます。
そして、エネルギーが流れる道を、「経絡(けいらく)」と呼びます。血管のような管はありませんが、体の隅々までエネルギーが巡っているのです。
経絡に沿って全身に点在するツボは、「経穴(けいくつ)」と呼ばれ、エネルギーの流れを調節しています。ツボに加える刺激が、ツボの所属する経絡に沿って伝わり、コリを取り除いたり、毒素の排出をスムーズに促すという考え方です。
デトックスには、膀胱経のツボが効果的で、頭部にある代表的なツボは、以下の8ヶ所が示されています。
出典:ナチュラルヘッドスパ 51ページ
(赤字は当サイトによる)
【天柱(てんちゅう)】
後頭痛、項強(うなじのこり)、肩こり、寝違え
【曲差(きょくさ)】
頭痛、めまい、顔面神経麻痺、三叉神経痛(眼神経、上あご神経、下あご神経)
【五処(ごしょ)】
頭痛、めまい、目痛
【承光(しょうこう)】
頭痛、めまい、目痛、感冒、鼻の疾患
【通天(つうてん)】
頭痛、めまい、咬筋痙攣、三叉神経痛(眼神経、上あご神経、下あご神経)
【絡却(らっきゃく)】
後頭痛、項強(うなじのこり)、めまい、耳鳴り、咬筋痙攣
【玉枕(ぎょくちん)】
後頭痛、項強(うなじのこり)、肩こり
【風池(ふうち)】
頭痛、めまい、目と鼻の疾患、耳鳴り、頚部筋肉痛、感冒、発熱、片麻癖、肩こり、背部痛
出典:ナチュラルヘッドスパ 50ページ
髪の生え際から頭頂部、後頭部に向けて、一方方向に動かしながら、リズミカルに刺激を加えるのが、ポイントのようです。
ツボの位置をはずさないことも大事ですが、力加減、スピード、リズム、押す順番に注意しながら、何よりも「心地いい」ことが重要です。
長く押し続けたり、力を入れ過ぎたり、やり過ぎは禁物とのことでした。
出典:ナチュラルヘッドスパ 49ページ
白髪の原因と頭皮マッサージ
ここでいったん振り出しに戻って、なぜ頭皮マッサージを当サイトで取り上げたのか、その理由と「白髪の原因」との関係を整理しておきます。
白髪の原因は4つ考えられ、そのうち1つでも発生すると必ず白髪になります。予防や対策の方法というのは、原因をたどっていけば判明するはず。頭皮マッサージが関係すると考えられるのは、赤丸の部分です。
白髪の原因の1つである「色素細胞の減少」は、色素幹細胞が衰えていくために発生します。色素幹細胞に活性化の指示をするのは毛包幹細胞ですから、白髪の予防や対策の方法として、毛包幹細胞の衰えを防ぐことも必要になってくるわけです。
もはや頭皮マッサージは、育毛にとって世間の常識となりつつあります。はたして本当に、頭皮マッサージで毛包幹細胞は活性化するのだろうか。そのような問題意識が、頭皮マッサージを取りあげた動機でした。
ちなみに、白髪の原因(4つすべて)と対策を整理した、以下の記事も参考にしてください。
⇒ 白髪を黒髪に戻すか予防する方法はあるの?西洋医学と東洋医学まとめ
白髪の予防や対策と頭皮マッサージ
これだけ頭皮マッサージの商品が普及しているにもかかわらず、薄毛・白髪に対する予防や対策の効果を、科学的に示した研究データは極めて少ないです。一般人でデータをご覧になったかたは、皆無といえるかもしれません。
その効果を明らかにするためには、すくなくとも次のような点に対して、答えを出す必要があるでしょう。
- そもそも、頭皮マッサージで血行血流が良くなるとは、どのような現象のことなのか。毛細血管が拡がれば血液の流れは遅くなるし、細くなれば速くなります。それとも、血流のスピードではなくて、流れる血液の量を意味するのでしょうか。
- 全身の血液量は一定ですから、頭皮の血流量が増えるとしたら、カラダの他の部分は血流量が減って、逆に問題なのではないでしょうか。
- かりに、一時的に頭皮環境が改善したとしても、すぐに元にもどるのではないでしょうか。薄毛や白髪が回復するには、時間がかかるはずです。
一時的な効果
さきほどの問いを、短期と長期に分けた場合、2つの実験データから「頭皮マッサージの一時的な効果」は解決しました。白髪の予防・対策との関係は明らかではありませんが、1つ前進したことになります。
要点だけをまとめると、次のような結論です。
- 頭皮マッサージにより、頭皮の血流量が上がります。
- 特に圧迫法(押す刺激)、強擦法(強くさする方法)、揉涅法(揉む刺激)に効果があります。
- 上の3つに動擦法(軽くさする方法)を加えた、4つのマッサージ法を組み合わせて、3分間程度で行えるパッケージが考案されました。
- 3分間のマッサージで、20分後には頭皮の血流量が20%増えました。
- 「心地よさは、血流量を減らす」という観点と「数ヶ月以上の、長期にわたる影響」の2点が、今後の課題として提示されました。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。。
⇒ 白髪の原因と頭皮マッサージ~髪の毛と血行血流と年齢に関係あるの?
長期的な効果
「数ヶ月以上の、長期にわたる影響」については、2017年2月に、腰を抜かしてしまうような論文が発表されました。
要点だけをまとめると、次のような結論です。
- 健常な男性9人の側頭部に、毎日4分間、電動の頭皮マッサージマシンによる刺激を、24週間行います。
- 頭髪の本数や伸びの速さに、変化はありませんでしたが、頭髪の太さは増しました。
- 刺激を加えた毛乳頭細胞には、毛周期に関する遺伝子の増加や、脱毛を促進する因子の減少が認められました。
- つまり、頭皮マッサージは血流改善の手段ではなく、力学的な刺激によって、遺伝子数を変化させる手段という考え方です。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因は栄養不足?頭皮マッサージは血行より遺伝子に効果と判明
リラックス効果
最後に残るのは、「心地よさ」や「リラックス」と、頭皮環境との関係です。従来は、薄毛・白髪の予防や対策の1つとして、頭皮マッサージによる血行血流の改善が、念仏のように唱えられてきました。
ところが、全身の血液は心臓のポンプ機能によって流れるのですから、リラックスして心拍数が下がれば、血流量は減るはずです。薄毛・白髪の予防や対策の方法として、「血流説」には逆説が存在するのです。
最後の謎を解く鍵は、今回の記事で取り上げた、「ヘッドスパ」にありました。
- ヘッドスパの効果は、東洋医学(インド伝統医学、中国伝統医学)の考え方にもとづくものです。
- 頭皮環境の改善よりも、全身の最適化を目指して、「深いリラックス状態」と「デトックス」を組み合わせます。
- その結果、老廃物が排泄され、体全体の浄化が進み、組織全体の再生や疲労回復・健康維持に役立つのです。
白髪の予防や対策と頭皮マッサージ~まとめ
頭皮マッサージの、薄毛や白髪に対する予防や対策としての効果は、血行・血流ではありません。
一時的に頭皮の血流量が増えても、すぐ元にもどってしまいます。長期的に、血流の増加が持続するというデータは、存在しません。
頭皮マッサージを継続することで、長期的な効果があるとすれば、毛包幹細胞の活性化に関連する遺伝子数の変化です。
体全体の浄化を進めるためには、自宅やサロンで、スペシャルケアを行うと良いかもしれません。
【発表】
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