白髪と薄毛や抜け毛の原因とは?男性と女性で異なる脱毛メカニズム!
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2020/05/26
「毛髪をつくる」仕組みと、「黒髪をつくる」仕組みとは、まったく異なります。毛髪をつくるのは毛母細胞で、黒髪のもとになる色素を作るのは色素細胞です。
そのため、「薄毛や抜け毛」と「白髪」も、原因や仕組みは異なることになります。
ところが、「毛髪を作る世界」と「黒髪をつくる世界」との間に特殊な関係があるため、話は単純ではありません。
毛包幹細胞(毛母細胞をつくる細胞)の指令によって、色素幹細胞(色素細胞をつくる細胞)を活性化する仕組みの存在が、発見されたのです。
もちろん、「白髪の原因」は4つあるので、毛包幹細胞が黒髪の全てを支配するとは言えません。
やや複雑になってきた毛髪(薄毛・抜け毛)と黒髪(白髪)、仕組みを整理しておきます。白髪の原因は男性と女性で同じですが、薄毛や抜け毛は異なることに注意が必要です。
目次
白髪の原因
毛髪は、もともと色素がないので、白髪です。黒色の色素が運び込まれてはじめて、黒髪となります。白髪の原因は、黒色の色素が毛髪に運ばれることなく、どこかで経路が絶たれることです。
黒字部分の出展:FRAGRANCE JOURNAL 2014年3月 30ページ
(赤字部分は当サイトによる)
【白髪の原因1】
黒色の色素(ユーメラニンという)をつくる、色素細胞(メラノサイトという)が減るか、なくなった。
【白髪の原因2】
色素細胞の中で、じっさいに色素をつくる、メラノソームという器官が減るか、なくなった。
【白髪の原因3】
メラノソームの中で、色素をつくる材料がなくなった。
【白髪の原因4】
色素はつくられたが、毛母細胞に運びこむための輸送システムが、機能しなくなった。
詳しくは、「毛髪の科学(全4回シリーズ)」をご覧ください。以下のリンクは、第1回目の記事となります。
⇒ 白髪の原因とメカニズム解明!メラニン色素で黒髪に見える理由とは?
薄毛や抜け毛の原因~男性ホルモン説
薄毛や抜け毛の原因として最初に着目されたのは、男性ホルモンです。
2016年2月26日に日刊工業新聞社が出版した、「おもしろサイエンス 薄毛の科学」(板見 智 監修)。著者は大阪大学医学部を出て、現在は大阪大学大学院教授(皮膚・毛髪再生医学)をしておられます。
出典:おもしろサイエンス 薄毛の科学 表紙
この図書は、薄毛の原因を症状別に解説しながら、最終的には著者の専門領域である毛髪の再生医療にまで、話を展開していくものです。
世間では「薄毛や抜け毛の原因はストレス」などとも言われますが、専門家の視点はまったく異なるところにあります。
いまや定説化された男性型脱毛の「男性ホルモン説」が、初めて科学的に証明されたのは、なんと70年以上も前の1942年だとか。ハミルトンという、ホルモン学を専攻していたアメリカの研究者が、次のような観察結果を発表したそうです。
【男性型脱毛の観察】
1 思春期以降に発症する。
2 思春期前に睾丸を除去すると、発症しない。
3 思春期後に睾丸を除去すると、進行が止まる。
4 男性ホルモン (テストステロン)を投与すると、再び進行し始める。
これほど冷酷に事実を示されると、納得せざるを得ませんが、じつに壮絶な実験を行ったものです。
次に、「男性型脱毛」の具体的なメカニズムを見てみましょう。
薄毛や抜け毛の原因~男性型脱毛の対策
男性型の脱毛は、メカニズムが明解。70年以上も前に「薄毛や抜け毛の原因」が特定されただけあって、すでに具体的な対策も発見されたようです。
毛乳頭の中で、まず男性ホルモンと体内酵素が結合して、DHTという物質が作られます。ご存知のかたは多いかもしれませんが、DHTは脱毛ホルモンで、男性型脱毛への対策を行う際に、最優先で減らそうと考える物質です。
DHTが受容体と結合することによって、毛母細胞の分裂を止める因子(タンパク質)が生まれます。その結果、毛髪の成長期が短くなって、サイクルが乱れ薄毛になるというわけです。
内服薬フィナステリドは、男性ホルモン(テストステロン)とよく似た構造を持っていて、毛乳頭の中で体内酵素をテストステロンと奪い合う形で、DHTを作りにくくするものです。メカニズムが明解なので、納得感があります。
ただし、この薬は女性が服用することはできません。妊娠した場合、胎児が男の子であれば、その生殖器に影響を及ぼす可能性があるからです。
薄毛や抜け毛の原因~女性の脱毛
女性の薄毛や抜け毛には、さまざまな原因があるようで、この図書では3つのパターンに分類しています。
1つ目は、加齢によるものです。毛髪は、成長期・退行期・休止期のサイクルを繰り返します。加齢とともに休止期の毛髪の割合が増えることによって、密度が少なくなることに加えて、成長期が短くなるため、頭全体の毛髪の数が減るものです。
2つ目は、男性型脱毛症です。卵巣や副腎で作られている、男性ホルモンの影響を受けやすい体質を持っていると、男性型脱毛症となるようです。
3つ目は、その他さまざまな要因があげられています。精神的ストレス、高熱、外科手術、大量出血、栄養不足などをきっかけにして、毛髪の成長期が急に休止期に変わり、数ヶ月後に脱毛症状が現れるもの。甲状腺、腎臓、肝臓などの内臓疾患から6ケ月以上かけて進行して、頭全体が薄毛になるもの。原因不明で、壮年期女性に見られる、慢性の休止期による脱毛など。
女性の薄毛は複雑で一概には言えませんが、対応策は一般的に言われている内容と同じです。
睡眠不足、睡眠リズムの乱れ、不規則な食生活、不適切なダイエット、喫煙などを取り除き、カラダ全体にとって良い方向に向かうような改善が望ましいと述べられています。
薄毛や抜け毛の原因~円形脱毛症
薄毛や抜け毛のうち「円形脱毛症」の原因として、従来は「ストレス説」が語られてきました。ところが、重い円形脱毛症の原因は、「自己免疫疾患」であることが定説となってきたようです。
本来の免疫は外敵を攻撃するのですが、自分の細胞に対して攻撃を加えてしまうのが自己免疫疾患です。自己免疫疾患の引き金は、精神的ストレスだけでなく、ウイルス感染、疲労、出産、外傷など、さまざまなことがきっかけになるようです。
円形脱毛症における自己免疫反応の攻撃対象は、メラニン色素の多い毛髪となります。
急に円形脱毛症が起きて、黒い毛ばかりが脱毛して白髪が残ってしまえば、とつぜん白髪が増えたと感じることもあり得る、と述べられています。
最後に将来の黒髪復活についてですが、最も近い道は「毛包再生医療」による方法が有力、と述べられています。
まず健康な毛包(毛髪の細胞)を頭皮から採取して、培養します。それを患者の頭皮に戻すというものです。
自分の細胞を培養して自分に戻すので、免疫反応(侵入した外的を攻撃する反応)の心配もありません。
この領域の専門家として、高い可能性が語られています。
毛髪の再生医療について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と黒髪が戻る究極の改善!20日で治す再生治療の研究とは
薄毛や抜け毛の原因~大量の飲酒は要注意!
飲酒は、薄毛や抜け毛の原因となるのでしょうか。
2016年7月15日に白誠書房が出版した「薄毛治療の新常識」(麻生泰 著)。著者は、AGAスキンクリニック 医師・統括診療部長で、医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長をされています。
出典:薄毛治療の新常識 表紙
著者は自身の経験から、薄毛治療のあるべき論を語られています。とくに「お酒の飲みすぎ」に警告を発しています。
体内に取り込まれたアルコールが分解される過程で、大量のアミノ酸やビタミン・ミネラル(亜鉛など)が消費されるそうです。
アミノ酸は毛髪だけでなくカラダ全体の材料ですし、ビタミン・ミネラルもカラダ全体にとって必要なものです。
とくに亜鉛は毛母細胞の細胞分裂を活性化するために重要な栄養素で、不足すると毛髪の新陳代謝が滞るそうです。
さらに大量に飲酒すると、アルコールが分解されずに残ったアセトアルデヒドが、ジヒドロテストステロン(DHT)を増加させます。
薄毛対策としては、飲酒に対して最大限の注意を払う必要があるとのことです。
白髪と薄毛や抜け毛の原因(男性・女性)~まとめ
白髪の原因は男女共通で、色素の流れを追いかけることによって、把握することができます。いっぽう、薄毛や抜け毛の原因は、男性と女性では異なったりする部分もあるため、注意が必要です。
男性型脱毛の原因物質として、DHTと呼ばれる脱毛ホルモンが明らかになっています。内服薬フィナステリドは、女性が服用することはできないので、注意してください。
女性の脱毛は、加齢、男性型脱毛、その他の多様な要因があげられます。男女ともに、大量の飲酒で男性型脱毛の原因物質であるDHTが増加するため、注意してください。
近い将来の可能性として、再生医療の道にも期待したいところです。
【発表】
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