白髪染めトリートメントのメリットとデメリット~市販品を成分表で比較
2023年の新ランキングを公開しました。
⇒ 白髪対策おすすめベスト3を比較~頭皮と黒髪を回復して快適な毎日を!
△上のリンクをクリック△
2020/05/27
白髪染め関連製品のメリットやデメリットは、ヘアカラー(白髪染め、おしゃれ染め)と比較して表現されることが多いようです。
たとえば、「髪や頭皮へのダメージが比較的少ない」というのも、「ジアミン系の薬剤に比べると影響は少ないですよ」という意味でしょう。
ところが、「ジアミン系より安全」と言われても、じっさい製品そのものの安全性がどうなのかは分かりません。
「富士山はエベレストよりも低いですよ」と言われたところで、やっぱり富士山が高い山であることに変わりはないわけです。
そのような意味では、製品の特徴を最も正確に知る方法は、成分表を見ることでしょう。
完全とまでは言えませんが、消費者にとって、製品を理解するためのたった1つの手段と言えるかもしれません。
出典:新ヘアカラー入門
(日本ヘアカラー協会)
(赤線は当サイト)
当記事の目的は、トリートメント効果がある白髪染め製品のうち、カラートリートメントおよびボタニカルカラー(草木染め)について、市販品の成分表を比べながらメリット・デメリットを明らかにしていくことです。
ふだん見なれない成分表でしょうが、見方のコツが分かれば、選び方にも広がりが生まれるはずです。
目次
白髪染めトリートメントのメリットとデメリット
白髪染めトリートメントのメリットとデメリットを比べるために、カラートリートメント3製品、ボタニカルカラー(草木染め)1製品を具定例として選びました。
たった4製品しか並べていませんが、自分に合う商品を広告だけで決めようとしても、むずかしいかもしれません。
【カラートリートメント その1】
出典:サスティ
【カラートリートメント その2】
出典:Jコンテンツ
【カラートリートメント その3】
出典:マイナチュレ
【ボタニカルカラー(草木染め)】
出典:ピア
カラートリートメントのメリットとデメリット
カラートリートメントのメリットとデメリットは、一般的に白髪染め(ヘアカラー)と比べて述べられることが多いようです。ジアミン系の酸化染毛剤(ヘアカラーの薬剤)による、髪や頭皮への被害が広まったからでしょう。
「無添加」「天然由来の成分」「美髪効果」といったキーワードで、ヘアカラーとは真逆の「健康的なイメージ」をアピールします。
【メリット】
- ヘアカラーに比べ、ダメージは少ない
- 放置時間が短く、毎日手軽に使える
- 香りが良い
【デメリット】
- 一度では染まらない(少しづつ色が定着)
- 脱色しないので、明るい髪色にならない
- ヘアカラーに比べ、色落ち、色移りしやすい(2~3週間)
以下に掲載する成分表を見てわかるように、その特徴は、目のくらむほど配合する成分が多彩なことです。
【カラートリートメント その1】
出典:ケンコーコム
【カラートリートメント その2】
出典:ケンコーコム
【カラートリートメント その3】
出典:マイナチュレ
メリットと市販品の成分表
市販品のカラートリートメントに関するメリットは、なんといっても豊富な配合成分。とくに、天然由来へのこだわりを感じる製品が多く、成分表を見ても非常に魅力的といえるでしょう。
【カラートリートメント その1】
出典:ケンコーコム
(黄線は当サイト)
【カラートリートメント その2】
出典:ケンコーコム
(黄線は当サイト)
【カラートリートメント その3】
出典:マイナチュレ
(黄線は当サイト)
デメリットと市販品の成分表
市販品のカラートリートメントに関するデメリットは、広告から直接的に読み取ることのむずかしい部分です。よほど成分表に詳しい人でなければ、気がつかないといえるでしょう。
以下では簡単に概要を解説しますが、参考記事では深く掘りさげていますので、合わせてご覧になってみてください。
防腐剤
無添加をかかげる製品は、「パラベン」の不使用で安全性をアピールするものが多いようです。
「パラベン」とは防腐剤として利用される成分で、化粧品は水を含むため、雑菌への対策として防腐剤は不可欠となります。
カラートリートメントの3製品では「パラベン」が配合されないものの、防腐剤を入れなければ腐ってしまいますから、「パラベン」の代わりに何か別の成分を使わなければなりません。
そのため、無添加の化粧品では多くの場合、「BG」「エタノール」「フェノキシエタノール」「イソプロピルアルコール(別名、イソプロパノール)」などが使用されるわけです(画像の赤線部分)。
【カラートリートメント その1】
出典:ケンコーコム
(赤線は当サイト)
【カラートリートメント その2】
出典:ケンコーコム
(赤線は当サイト)
【カラートリートメント その3】
出典:マイナチュレ
(赤線は当サイト)
ところが、「パラベン不使用」をアピールするために、逆に大きな矛盾が生まれてしまいます。1つめは肌への影響で、防腐剤としてアルコール系を使用すると、刺激性が強いため敏感肌の人は注意が必要となります。
2つめは使用する薬剤の有害性で、「エタノール」「フェノキシエタノール」「イソプロピルアルコール(別名、イソプロパノール)」には「眼に対する重篤な損傷性・刺激性」、「エタノール」「イソプロピルアルコール(別名、イソプロパノール)」には「発がん性」が認められるのです(出典:厚生労働省 職場の安全サイト)。
「BG」や「パラベン」には特に有害性が認められないのに、「パラベン」を使用しないことを目的としたために生じた現象といえます。これらの問題は、化粧品の歴史から生まれた全般的な矛盾といえるでしょう。
無添加の矛盾を徹底的に整理しましたので、詳しくは以下を参考にしてください。
⇒ 白髪染めトリートメントに無添加オーガニックは何の価値もありません!
染料
カラートリートメントには、植物由来の染料も配合されていますが、じっさいに白髪を染めるのは化学染料です。多くの場合は、「HC染料」「塩基性染料」が使用されます。
これらの染料は、白髪染め(ヘアカラー)の薬剤とは違って髪を傷めることはありませんが、アレルギー性接触皮膚炎のリスクはジアミン系と同等以上です。
つまり、皮膚(頭皮や顔など)に多くの被害が発生しているのも、配合した化学染料による可能性が高いといえます。特に、3製品がすべて使用している「HC 青2」「HC 黄4」「塩基性 青99」は、名指しでリスクを指摘されているものです。
なお、2製品に配合されている「4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール」は、「HC赤2(HC染料)」の成分表示名となります。
「ノンジアミン」が安全性を意味しない根拠を、徹底的に整理しました。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪染めトリートメント~ノンジアミンも染料リスクはジアミンと同じ!
【カラートリートメント その1】
出典:ケンコーコム
(赤線は当サイト)
【カラートリートメント その2】
出典:ケンコーコム
(赤線は当サイト)
【カラートリートメント その3】
出典:マイナチュレ
(赤線は当サイト)
参考
カラートリートメントのメリットともデメリットともいえませんが、「無添加」製品といえども、合成界面活性剤は配合されているということを確認しておきます。
水と多くの成分を混ぜ合わせるために、化粧品としては必要な成分といえるものです。
合成界面活性剤
以下に掲載した画像のうち、青線で表示した部分が合成界面活性剤となります。
無添加が大きくアピールされるなかで、防腐剤や合成界面活性剤などの化学物質も使用されているわけです。
【カラートリートメント その1】
出典:ケンコーコム
(青線は当サイト)
【カラートリートメント その2】
出典:ケンコーコム
(青線は当サイト)
【カラートリートメント その3】
出典:マイナチュレ
(青線は当サイト)
ボタニカルカラー(草木染め)のメリットとデメリット
ボタニカルカラー(草木染め)は、白髪染め(ヘアカラー)やカラートリートメントと違って古来から伝わるものなので、メリットとデメリットも独特のものとなります。
なかでも、長い歴史が有効性を証明したものといえば、「ミソハギ科の植物 ヘナ(ヘンナ)」によるヘナカラーでしょう。他の白髪染め製品との大きな違いは、「天然100%のナチュラル・ヘナカラー」であれば、化学物質をまったく含まないということです。
ヘナカラー(ヘナ白髪染め)の全体像については、以下の記事を参考にしてください。
⇒ ヘナカラー(ヘナ白髪染め)~数千年の時を重ね脈々と受け継がれる伝説
【メリット】
- 髪のツヤが増す
- 頭皮を育て、髪のハリ・コシが増す
- リラックス効果がある
【デメリット】
- 粉や髪の質、体調などによって、染まり具合が微妙に異なる
- 染めたあと数日は、髪が濡れていると多少の匂いはする
- ヘアカラーに比べ、色落ち、色移りしやすい(2~3週間)
【ボタニカルカラー(草木染め)】
出典:ピア
メリットと市販品の成分表
市販品の成分表で比べてしまえば、ヘナ白髪染め(ヘナカラー)のメリットは異次元といえます。葉を粉の状態で保存して、使用する前にお湯と混ぜてペースト状にして塗る製品ですから、化粧品でありまがら水をまったく含まないのです。
そのため、防腐剤や合成界面活性剤などを配合する必要がなく、究極の無添加が実現します。化学物質によるリスクは、完全にゼロです。
防腐剤
水を含まない「葉の粉」ですから、そもそも防腐剤など必要ありません。
うどん粉や蕎麦粉を保存するのに、防腐剤が必要ないのと、まったく同じことです(下の画像)。
【ボタニカルカラー(草木染め)】
出典:ピア
合成界面活性剤
ヘナ白髪染め(ヘナカラー)は水を含みませんから、もちろん合成界面活性剤も必要ありません(下の画像)。
【ボタニカルカラー(草木染め)】
出典:ピア
染料
ヘナの成分である「ローソン(Lawsone)」は、赤橙色の色素を含んでいて、髪の毛のケラチン(たんぱく質)と結合するため白髪染めとして使用できます。
さらに、繊維質がキューティクルのすきまから入りこんで、髪の表面を艶やかな状態に整えるため、「白髪染め&トリートメント剤」2つの効果を持つというわけです。
ヘナカラーに配合する成分は、染料のヘナと色味を調整するハーブのみとなります。
【ボタニカルカラー(草木染め)】
出典:ピア
(赤線は当サイト)
デメリットと市販品の成分表
市販品の成分表を詳しくながめても、ヘナ白髪染め(ヘナカラー)のデメリットは、まったく見当たりません。
白髪染めトリートメントのメリットとデメリット~まとめ
白髪染めトリートメントのメリットとデメリットを、市販品の成分表だけで比べてしまえば、答えは明らかといえるでしょう。
髪のダメージが白髪染め(ヘアカラー)に比べると少ないカラートリートメントですが、「眼や皮膚への刺激」「発がん性」「アレルギー性接触皮膚炎」など、リスクは大きすぎます。
このようなリスクを承知しながら、長く使用を続けるというのは、もはや無謀といえるのではないでしょうか。長く使うものだからこそ、オススメできるのは「天然100%のナチュラル・ヘナカラー」です。
最後に、ヘナカラーの特徴を簡単に整理しておきます。くれぐれも、「天然100%」であることを確認したうえで、使用するようにしてください。
【人類の歴史が有効性を証明】
ボディ・ペイント、白髪染め、髪のトリートメント効果、生薬として、数千年前から世界中で利用されてきました。
まさに、人類の歴史が、安心・安全な白髪染めとしての有効性を証明しているといえます。
【化学物質のリスクは完全にゼロ】
「天然100%のナチュラル・ヘナカラー」を選ぶことができれば、化学物質のリスクは完全にゼロ、リスクがあるとすれば「植物アレルギー」のみです。
長い期間にわたって使用する白髪染めですから、髪の土台である頭皮にダメージを蓄積しない成分を選んでください。
【髪のツヤ・ハリ・コシを増す】
トリートメント効果によって髪のツヤが増すことに加えて、抗酸化力で頭皮を健やかにして、髪のハリ・コシを増す効果もあります。
あらためて、美髪の基本が頭皮の健康にあることを、最優先と考えてください。
【経済的で、時間の自由度も増す】
自宅で手軽に白髪染めトリートメントすれば、美容院に比べて圧倒的に経済的です。
さらに、美容院に通う必要がありませんから、時間的な自由度も増すことになります。
【発表】
新成分や新技術の登場もあり、2021年2月に白髪ケア製品のランキングを見直しました。健やかで丈夫な頭皮と黒髪を回復するための参考にしてください。
⇒ 白髪対策おすすめベスト3を比較~頭皮と黒髪を回復して快適な毎日を!
△上のリンクをクリック△