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白髪染めトリートメント~ノンジアミンも染料リスクはジアミンと同じ!

 

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2020/05/27

 

仮面ライダーが人気を保つために、必要不可欠なものとは、ショッカーの存在です。なぜならば、ショッカーがいなければ、仮面ライダーは活躍できないでしょうから。

つまり、主役の存在感を増すためには、敵が極悪であればあるほど良いわけです。

 

 

白髪染め関連製品の場合、超極悪のシンボルともいえるのが、「ジアミン」。 そのため、「ノンジアミン」の旗をかかげると、まるで正義の象徴かのように感じてしまいます。

ショッカーが去ってしまえば、仮面ライダーは昼寝をしていても平和でしょう。ところが、白髪染めの場合は、「悪者のジアミンがいなくなったので、すべて解決!」とはならないのです。

 

すくなくとも、悪者とはいえ「ジアミン」は白髪を染めていたのですから、「ジアミンがいなくなると、誰が染めてくれるの?」という課題は残ったまま。

はたして、白髪を染める役を引き受ける者の正体とは。 一見すると安心・安全に思える、白髪染めトリートメントの本質を、掘りさげてみましょう。

 

出典:サスティ

 

出典:Jコンテンツ

 

出典:マイナチュレ

 

魅力的な製品を並べてみましたが、決して特定の製品を攻撃するためではありません。 当記事の目的は1つだけであり、染料のリスクを全て知ってしまったアナタに、「自己責任」で判断・行動していただきたいということ。

「ノンジアミンだから安心・安全」と思って使用した白髪染めトリートメントで、なぜトラブルが起こってしまうのか。その理由は単純明快、白髪を染める化学染料に大きなリスクが潜んでいるからです。

 

最初に結論だけ整理しておきますので、ビックリするだけでなく、本編に示した根拠もご覧になってくださいね。

 

【白髪染め】

  • ジアミン系の酸化染毛剤が危険であることは、理美容師や皮膚科医のあいだでは常識。
  • それにもかかわらず、理美容院で顧客が異常を訴えても、理美容師は施術を続ける可能性のほうが高い。
  • 白髪染めにはジアミン系だけでなく、アルカリ剤や過酸化水素という、大きなリスクも存在する。

 

【白髪染めトリートメント】

  • 無添加は、逆にリスクの高まる場合がある。
  • 白髪染めトリートメントは、化学染料(HC染料、塩基性染料)で白髪を染める。
  • HC染料と塩基性染料は、ジアミン系の酸化染毛剤と同等以上のリスクがある。

 

白髪染め~ジアミン系の染料リスクとは

世界で主流の白髪染めは、すでに100年以上の歴史があるため症例および原因は明確で、もはや国がリスクを認定した製品といえるでしょう。

本当の問題は、「ジアミン」という悪役を利用して、本質の分かりにくい製品が続々と登場することなのです。

 

前半では、「ジアミン」のみごとな悪役ぶりを、簡単に解説します。あくまでも、後半に向けた伏線にすぎないことを念頭において、軽く読み進めてください。

まずは、白髪染めに関する次の事実について、その根拠を示していきます。

 

  • ジアミン系の酸化染毛剤が危険であることは、理美容師や皮膚科医のあいだでは常識。
  • それにもかかわらず、理美容院で顧客が異常を訴えても、理美容師は施術を続ける可能性のほうが高い。
  • 白髪染めにはジアミン系だけでなく、アルカリ剤や過酸化水素という、大きなリスクも存在する。

 

白髪染めの歴史

1818年に過酸化水素、1863年にパラフェニレンジアミン(酸化染毛剤)が発見されます。それらを組み合わせて、白髪を染める方法が発明されたのは、1883年です。

世界中で100年以上の時間をかけて利用された結果、いまでは危険な物質であることが、広く知られるようになりました。白髪染めが歩んできた道は、薬剤による副作用の歴史ともいえます。

 

出典:日本の生活文化史 表紙

 

日本における白髪染めの歴史を、追いかけてみました。詳しくは、「白髪染めの発明と生活文化史~明治から昭和と課題は頭皮の刺激だった」を参考にしてください。

 

白髪染めの仕組み

白髪染めに配合される薬剤と、白髪を染めるための仕組みを、具体的な製品で示します。たとえば、1剤と2剤を混ぜて使用する以下の製品の場合、赤線で示した薬剤を組み合わせて染めるわけです。

 

出典:ケンコーコム
(赤字は当サイト)

 

この製品は、4種類の薬剤を使用していることが分かります。

  • 1剤:パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、強アンモニア水
  • 2剤:過酸化水素水

 

パラアミノフェノールとパラフェニレンジアミンは、酸化染毛剤と呼ばれる毛染めの薬剤です。

アルカリ性のアンモニアと、酸性の過酸化水素を混ぜ合わせると、化学反応によって酸素が発生することを、予備知識としてください。

 

出典:新ヘアカラー入門

出典:新ヘアカラー入門

 

アルカリ剤の強アンモニア水によって、髪表面のキューテクルが開き、1剤と2剤は髪の内部まで浸透します。

髪の内部では、発生した酸素が黒髪のもとであるメラニン色素を分解するとともに、酸化染毛剤(パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン)が酸素と反応して発色します。

 

髪を脱色したうえで、髪の内部から発色しますから、多彩な色のラインナップを備えることができるわけです。

その代わりに、髪がボロボロになることは、仕組みをみても明らかです。

 

出典:新 ヘア・サイエンス 表紙

 

出典:新 ヘア・サイエンス

 

髪へのダメージを理解したところで、次は「肌に与える深刻なダメージ」へと進んでいきます。

 

ジアミン系の染料リスクは常識

2015年(平成27年)に消費者庁は、「ヘアカラーリング剤の中でも酸化染毛剤は、特にアレルギー性接触皮膚炎を引き起こしやすく」と警告しました。

ここで「酸化染毛剤」と呼んでいるのが、いわゆる「ジアミン系」染料で、具体的には「パラアミノフェノールパラフェニレンジアミンメタアミノフェノール」の3成分が指摘されています。

 

出典: 消費者庁

 

着目すべきは、酸化染毛剤のリスクだけでなく、「理美容師や皮膚科医の間ではよく知られている」と表現されていること。つまり、このことは当時すでに関係者の間では常識だったのです。

いっぽう、消費者庁の同じレポートには、理美容師に対するアンケート調査の結果も掲載されています。理美容院で顧客が毛染めによる異常を訴えても、施術を継続する可能性のほうが高いようです。

 

出典:消費者庁

 

たとえば、「パラフェニレンジアミン」はWikipediaに、「染髪にも利用される。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。」と記述されています。

もはや、「世界の常識」といえるかもしれません。

 

出典:Wikipedia「パラフェニレンジアミン」

 

しかも、肌への影響は酸化染毛剤だけではありません。白髪染めの3成分を調べてみると、たとえば厚生省は次のように指摘しています。

 

  • パラフェニレンジアミン:皮膚・眼に強い刺激、アレルギー性皮膚反応を起こすおそれがあり危険。
  • アンモニア:皮膚・眼に強い刺激があり危険。
  • 過酸化水素:皮膚・眼に強い刺激、発がん性があり危険。

 

【パラフェニレンジアミンの危険性】

 

【アンモニアの危険性】

 

【過酸化水素の危険性】
以上の出典:厚生労働省

 

白髪染めトリートメント~ノンジアミンの真相

白髪染めのリスクが、いかに強烈なものであるかを確認したところで、いよいよ当記事の本題に移ります。白髪染めトリートメントが立てかけた「ノンジアミン」という看板の、影にかくれた部分です。

後半では、白髪染めトリートメントに関する次の事実について、根拠を明らかにしていきます。

 

  • 無添加は、逆にリスクの高まる場合がある。
  • 白髪染めトリートメントは、化学染料(HC染料、塩基性染料)で白髪を染める。
  • HC染料と塩基性染料は、ジアミン系の酸化染毛剤と同等以上のリスクがある。

 

白髪染めトリートメントの歴史

白髪染めトリートメントの大きな転換点は、2001年の「化粧品等に関する規制緩和」によって、HC染料および塩基性染料が新たに化粧品への配合を認められたことです。

酸化染毛剤ほど長い歴史がありませんので、肌への影響は未知といえますが、浮かびあがってくる事実にはガクゼンとしてしまいます。

 

出典:新ヘアカラー入門

 

白髪染めトリートメントの成分

白髪染めトリートメントの成分を詳しく見ていく前に、1製品だけ簡単に雰囲気をつかんでおきます。たとえば、次の広告によって、どのようにイメージされるでしょうか。

 

出典:サスティ

 

イメージ写真のとおり、なんと全64成分が配合される製品です。いっぽう、「無添加」を強くアピールしています。

要するに、「カラダに良い成分を豊富に配合し、悪いものは一切使用していません。」という印象が残る広告といえるでしょう。

 

当記事では、無添加の矛盾を一部だけ紹介しますが、詳しくは「白髪染めトリートメントに無添加オーガニックは何の価値もありません!」を参考にしてください。

 

合成界面活性剤

界面活性剤とは、「水と油を均一に混ぜ合わせる」ため、化粧品に必要な成分です。当サイトとしても、特に安全性の問題があるとは考えていません。

「無添加」とはいえ、合成界面活性剤(下図の青線)は配合されているという事実だけ、確認しておきます。

 

出典:ケンコーコム
(青字は当サイト)

 

防腐剤

パラベンは防腐剤ですから、配合しなければ腐ってしまいます。「パラベン不使用」というからには、防腐効果を持つ別の成分を使用する必要があるはずです。

この製品の場合は、「BG」と「エタノール」を使用していることが分かります。

 

出典:ケンコーコム
(赤字は当サイト)

 

「BG」は問題ないものの、「エタノール」には注意が必要。アルコール消毒のようなものですが、特に肌が弱い人にとっては刺激が強い、と言う特徴があるからです。

さらに、そもそも「エタノール」に関しては、厚生労働省が「発がん性のおそれがある危険物質」と指摘しています。

 

【エタノールの危険性】

 

いっぽう、パラベンは安全な物質であることを、データで確認することができます。

 

【パラベンの安全性】
出典:化粧品の成分分析

 

消費者からすれば、「?????」かもしれませんが、化粧品の歴史が生んだ矛盾といえるでしょう。

 

染料

次は、本題の染料。白髪染めトリートメントの各製品は、多彩に見えるかもしれませんが、ほとんど違いのない部分が1点だけあるのです。

 

出典:サスティ

 

出典:Jコンテンツ

 

出典:マイナチュレ

 

目のくらむような広告ばかりですが、「染料」の1点に集中してみると、3製品のみならず多くの白髪染めトリートメントには、共通点のあることが分かります。

 

出典:ケンコーコム
(赤字は当サイト)

 

出典:ケンコーコム
(赤字は当サイト)

 

出典:マイナチュレ
(赤字は当サイト)

 

いずれも、HC染料(HC青2、HC黄2、HC黄4、など)および塩基性染料(塩基性青99、塩基性茶16、塩基性赤76、塩基性黄57、など)が配合されています。 白髪染めトリートメントとは、要するに化学物質で白髪を染める製品です。

HC染料・塩基性染料とは、どのような化学物質なのか、深く掘りさげてみましょう。

 

白髪染めトリートメントの仕組み

白髪染めトリートメントに配合されるHC染料と塩基性染料が、髪を染める仕組みを簡単に見てみます。ともに、髪の表面を染料で包むことによって染めるものです。

塩基性染料は、電気的な性質を利用して、髪に付着する工夫をしています。白髪染めトリートメントを塗ることで、髪の表面を電気的にマイナス(-)の状態にして、塩基性染料(電気的にプラス)が髪と結合する仕組みです。

 

出典:新ヘアカラー入門

 

HC染料は電気的な性質を持たずに、髪の表面を包みます。分子が小さく、キューティクルのすきまから髪の内部にも浸透しやすいため、塩基性染料と併用する製品が多いようです。

お気づきかもしれませんが、例にあげた3商品で(というか、多くの製品で)使用されている塩基性染料とHC染料は、広告の表側に出てこない物質です。化学染料が使用されていることを知っている消費者は、皆無に近いかもしれません。

 

ジアミンフリー・ノンジアミンの現実

「無添加・自然素材」が安全性に関係ないのと同じように、「ジアミンフリー・ノンジアミン」もまた、安全性とは何の関係もありません。むしろ、危険とさえ言えます。

なぜならば、消費者が安全だと錯角したまま、化学染料にリスクがあることさえ気づかない現実があるからです。

 

パラベンを悪者にして安全性をアピール(じつは、有害なエタノールを使用)するのと同じように、ジアミンという超悪役の影にかくれて、主役の顔が見えないわけです。

では、白髪を染める主役である「HC染料・塩基性染料」とは、いったい何者なのでしょうか。

 

ノンジアミンの染料リスクは深刻

多くの場合、ノンジアミンと呼ばれる白髪染めトリートメントは、化学染料(HC染料、塩基性染料など)で白髪を染めます。髪の表面を包むだけなので、髪への影響は少ないと考えられますが、肌に対しては深刻なリスクがあるのです。

たとえば、HC染料の性質をたどっていくと、次のような事実にたどり着きます。安心・安全といわれながら、トラブルが発生する原因の1つは、この点にあると考えられます。

 

  • ニトロアミノフェノールは、「皮膚刺激」「重篤な眼の損傷」を引きおこす可能性がある危険物質。
  • ニトロフェニレンジアミンは、「アレルギー性皮膚炎」をおこすおそれのある警告物質。

 

出典:新 化粧品ハンドブック 表紙

 

出典:新 化粧品ハンドブック 349ページ

 

【ニトロアミノフェノールとは】
出典:環境省

 

【ニトロアミノフェノールの危険性】
出典:東京化成工業

 

【ニトロフェニレンジアミンは警告物質】
出典:厚生労働省

 

次に掲載するのは、2001年の「化粧品等に関する規制緩和」から4年後に書かれた、東京都健康安全研究センターによる論文です。

 

【HC染料、塩基性染料の危険性】

出典:東京都健康安全研究センター

 

染毛用色素として使用される色素の中には、強いアレルギー性を持つことで知られるp-フェニレンジアミン(PPD)と同程度以上の感作能を有するものもあることが報告されており、 今回検討した色素では、2ANP、4ANP、BB99、BB17、HB2、HR3、HY2、HY4及びHY5は、PPDより強い感作能を有するとされている。

出典:東京都健康安全研究センター

 

参考文献の「Contact Dermatitis」は、アレルギー性および刺激性タイプの接触性皮膚炎に関する、臨床医のための情報サイト(有料)。 感作能とは、アレルギーを引き起こす能力のことです。

要するに、パラフェニレンジアミンよりもアレルギーを引きおこす能力が強い物質として、次の化学染料を指摘しています(カッコ内は論文での略称)。

  • 塩基性染料:塩基性 青99(BB99)、塩基性 茶17(BB17)
  • HC染料:HC 青2(HB2)、HC 赤3(HR3)、HC 黄2(HY2)、HC 黄4(HY4)、HC 黄5(HY5)

 

「HC 青2」「HC 黄4」「塩基性 青99」は、冒頭で取りあげた3製品に配合される化学染料と、ピッタリ一致するわけです。

 

白髪染めトリートメントで頭皮を育てるという発想

化学物質による副作用は、白髪染めトリートメントによるものだけではありません。美容院でのカラーリング、パーマ、トリートメントにまで及ぶようです。

「最高のヘナを求めて 髪を美しくする奇跡の植物」(2017年5月芽花舎)で、美容師&美容院経営者の森田 要さんは、美容院で施術するトリートメントの副作用を次のように解説しています。

 

出典:最高のヘナを求めて 表紙

 

美容院でトリートメントすると、髪に潤いが増してキレイになったと錯覚してしまうので、ひそかに問題が進行していることに気がつきません。

髪の潤いを保つのは、頭皮から出る脂分と汗によって作られる皮脂膜(保護膜)です。トリートメントによって脂分を人工的に与えてしまうと、頭皮は脂分の分泌を止めてしまい、かえって乾燥肌や乾燥毛が進むことになります。

 

化学物質(化学染料、トリートメント剤、パーマ液など)で目先の対処をしても、ダメージが蓄積するばかりで、結果的に美髪にはつながりません。

ジアミンよりノンジアミンが良いとか、この薬剤はダメージが少ないとか、そんな基準で右往左往しても、遅かれ早かれ同じ結果にたどり着くだけでしょう。

 

要するに、「頭皮を育てる」という本質的な部分に、取り組むかどうか。

しかも、化学物質に頼らない安心・安全な方法は、存在するのです。

 

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