白髪の原因

白髪の原因と対策(後天性)まとめ~病院の何科で治療すれば治るのか!

 

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2020/05/26

 

白髪というのは、いがいに範囲が広いものです。当記事では、白髪の分類と、そのうち病気による白髪である可能性が高いものを整理します。本題にはいる前に、白髪治療の研究・開発に関するエピソードを1つ。

2015年 コスメトロジー研究振興財団 発行「コスメトロジー研究報告 volume.23」に、「白髪予防・治療剤の選別に有効な加齢性白髪を自然発症するモデル動物の開発」という論文が掲載されています。

著者は、名古屋大学大学院医学系研究科環境労働衛生学 加藤昌志さんです。

 

出典:2015 コスメトロジー研究報告
volume.23 表紙

 

すでに発症してしまった白髪を、安全に改善する製品や薬品は、いまのところ存在しません。製品を研究・開発する際には、最終的にはヒトで効果を確認する必要があります。

白髪というのは、長い期間をかけて進行する、発症時期や進行速度に個人差が大きい、という特性から、効果の判定が容易ではありません。そこで研究・開発には、動物を用いた検証が必要となります。

 

大型動物だと飼育・管理費用が高額になるため、結果的に小動物のマウスが求められます。ところが、野生のマウスには、白髪が生えません。

実験用のマウスに求めるのは、10ヶ月以上の寿命を持ち、ヒトと同じく加齢に伴い白髪が進行する、というものです。

 

近年では遺伝子の解明が著しく発展してきており、なんと遺伝子操作によって、白髪を自然に発症するモデルマウスを「開発」することができる、というのです。

生き物に対して「開発」という言葉には違和感があるものの、モデルマウスの登場によって、白髪の研究・開発は加速すると考えられます。

 

病院の治療による対策が可能な白髪

まず白髪の分類をおこなって、そのうち病院の治療による対策が可能なものを整理していきます。白髪の分類は、信頼のおける客観的な情報として、「南山堂 医学大辞典」によりました。

この辞典は医学・医療の業界では、日本で最も定評があると言われています。1954年に国内で初めて日本人によって作られた総合的な医学専門辞典で、60年以上にわたって業界関係者から広く信頼を得ています。

 

出典:南山堂 医学大辞典 表紙

 

白髪を医学用語では「白毛(はくもう)」と呼びますが、医学大辞典を引いてみると次のような解説が掲載されています。

 

 

この解説を、当サイトで4つの部分に分けました。序文、先天性白毛(生まれつきの白髪体質)、後天性限局性白毛(後天的な部分的白髪)、若白髪です。

病院の治療による対策で、治る可能性が高いものは、3つ目の後天性限局性白毛です。「限局性」の反対語は「汎発性」で、「全身に広がる、または頭全体に広がる」という意味。「限局性」は「部分的な、境界がはっきりしている」という意味になります。

 

医学大辞典の他の部分については、目的別に整理しましたので参考にしてください。

 

「先天性白毛」の部分は、全文を解読して記事にしました。以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因と遺伝の解明!医学大辞典「先天性白毛」の全文を解読する

 

子供(乳児、幼児、小学生)の白髪は、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪原因の子供(乳児/幼児/小学生)まとめ!1本や数本も色素細胞から

 

10代から20代前半までの白髪は、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪の原因まとめ~10代や20代の若者(中学生/高校生/大学生)

 

病院の何科で治療すれば治る?

医学大辞典の「後天性限局性白毛」の部分を、順に見ていきましょう。項目ごとに、医学大辞典で解説している内容のうち、重要な部分を意訳していきます。

参考情報も添付しますので、病院の何科で治療すれば治るのか、参考にしてください。医学大辞典に掲載がない場合は、参考情報のみになります。

 

【尋常性白斑】(出典:医学大辞典 1235ページ)
「白なまず」と呼ばれ、境界のはっきりした白いマダラが特徴です。色素異常による疾患の中では最も頻度が高く、人種差はありますが人口の0.5%程度が発症します。自己免疫疾患と考えられています。(当サイト補足:免疫とは通常は外敵に対して行われるものですが、何らかのきっかけで自分の細胞に対して攻撃を加えてしまうのを自己免疫といいます。尋常性白斑は色素細胞を攻撃するため、色素が作り出されず白いマダラとなってしまいます。)

(「すべての年齢で発症」出典:医療法人社団 清優会 はなふさ皮膚科 http://mitakahifu.com/ )

 

【円形脱毛症】(出典:医学大辞典 263ページ)
毛母細胞に対する自己免疫反応によって脱毛します。一生のうちに発症する確率は約1.5%で、自己免疫疾患としては頻度が比較的高い疾患です。自覚症状のないまま、円形に脱毛してマダラが生じます。頭部のみでなく、全身のあらゆる場所でおこります。どの年代でも発症しますが、15歳以下の小児が全体の4分の1を占めます。治療は、ステロイド外用薬、局所免疫療法、ステロイド局所注射などが用いられます。(当サイト補足:治療で治って毛母細胞が復活して頭髪が再生する際に、色素細胞が自己免疫による攻撃から復活していなければ、白髪が生えてくることがあります。)

(「円形脱毛症は年齢・性別ともに関係なく起こる病気で、乳児の発症率はかなり低いのですが、1歳から発症の可能性が高まります。」出典:ベネッセ教育情報サイト りかこ皮フ科クリニックの佐々木りか子院長 http://benesse.jp/ )

 

【フォークト・小柳・原田病】(出典:医学大辞典 2122ページ)
日本におけるぶどう膜炎三大原因疾患の1つで、さまざまな症状が眼に現れます。頭痛や耳鳴りから始まって、急激な視力低下とともに両眼にぶどう膜炎を発症します。色素細胞(メラノサイト)に対する自己免疫疾患と考えられています。発病後2ヶ月を過ぎると炎症がおさまって回復期に入ります。色素が抜けるのは眼底だけでなく、皮膚や毛髪にまで及ぶこともあり、脱毛もよく見られます。治療は、ステロイドパルス療法、ステロイド点眼、免疫抑制剤投与などが用いられます。

(「30代後半から50代前半によくみられる。」出典:独立行政法人 国立国際医療研究センター 国府台病院 リウマチ膠原病科https://www.ncgmkohnodai.org/)

(「治療に適した診療科目 フォークト・小柳・原田病:眼科」出典:病院検索ホスピタ https://www.hospita.jp/ 「フォークト・小柳・原田病」)

 

【ビタミンB12欠乏症】(出典:医学大辞典 2047・2048ページ)
ビタミンB1欠乏の原因は、食事、ストレス、透析、静脈栄養、アルコール依存症などで、特に大量の糖質はビタミンB1の消費が高まって欠乏する状態になります。長い期間にわたってビタミンB1が欠乏すると、多発神経炎、健忘、不安、うつ状態、筋力低下、知覚異常、麻痺、脚気(かっけ)などの症状が現れます。ビタミンB2の欠乏によって、成長障害、舌炎、口角炎、口唇炎、皮膚炎、角膜炎などの症状が現れます。治療はともに必要量の投与になります。

(「乳幼児のビタミンB12欠乏症の症状には、発育障害、運動障害、特有の成長遅延、巨赤芽球性貧血などがあります。」出典:厚生労働省 「統合医療」情報発信サイト 「ビタミンB12」http://www.ejim.ncgg.go.jp/))

(「ビタミンb12 欠乏症の検査方法は、血液検査でビタミンb12の血中濃度を測ります。」「ビタミンb12 欠乏症の初診に適した診療科目: 血液内科」出典:病院検索ホスピタ https://www.hospita.jp/ 「ビタミンB12欠乏症」)

(「ビタミンB12レベルの検査は、『血液内科』や『内分泌科』の病院で受けられます。」出典:葉酸サプリ110番 渋谷文化村通りレディスクリニック 山中薫子先生 http://yousansapuri-110ban.jp/ 「ビタミンB12欠乏症」)

 

【吸収不良症候群】(出典:医学大辞典 534ページ)
栄養分の吸収に障害がある疾患で体重減少、下痢、浮腫、貧血など多彩な症状が現れます。栄養状態の評価を行ったうえで、病態に応じて対症的・根本的な治療を行います。

(「人工ミルクを飲んでいた乳幼児では乳糖を含まないミルク(ラクトレス、ノンラクト)を使用し、」出典:みやけ内科 循環器科 http://www.miyake-naika.or.jp/ 「子どもの下痢」「吸収不良症候群」)

 

【内分泌障害】(出典:医学大辞典 1808ページ 「内分泌腺」)
内分泌腺とは、ホルモンを作って血液中へ送り出す器官のことです。

(「体重の増え方が遅いといわれることは、0歳~1歳の乳児に多いようです。」出典:地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立 こども医療センター http://kcmc.kanagawa-pho.jp/ 「内分泌代謝科で取り扱うことの多い症状と疾患 説明と治療方針」)

(「正しく診断されれば、ほとんどの場合に適切な治療が可能となります。」出典:虎の門病院 内分泌センター https://www.toranomon.gr.jp/ 「内分泌疾患」)

(「内分泌疾患の検査 主に、血液中と尿中のホルモンを測定します。」出典:そうみやクリニック 内分泌内科 http://www.sohmiya-clinic.com/ 「内分泌代謝疾患とは」)

 

【クロロキンなどの薬剤】(出典:医学大辞典 509ページ 「寄生虫用薬」)
マラリアの治療薬として、クロロキンが使用されます。

 

【神経疾患】
「先天奇形や染色体異常 : 多くは、新生児期や乳児期に診断されています。」(出典:医仁会 武田総合病院 小児神経科 部長 越智 純子 http://www.health-info.jp/ 「子どもの神経疾患とは?」)

 

【精神的ショック】 (当サイト補足)
この位置に掲載されていますから、命にかかわるほどのショックということになります。ストレスなどというレベルではありません。ここまでくると全身に異変が生じると思われ、もはや白髪を気にしている場合ではないでしょう。

 

白髪の原因

どの分類に含まれる白髪であっても、原因は4つ。そのうち、どれか1つでも起これば、必ず白髪になります。

 

毛髪は毛母細胞で作られ、毛母細胞を供給するのは毛包幹細胞です。その流れとは別に、色素は色素細胞で作られ、色素細胞を供給するのは色素幹細胞

黒髪となるためには、色素細胞で作られた色素を、毛母細胞まで運びこむことが必要です。色素が髪に届けられなければ、毛髪は白髪となります。

 

【白髪の原因1】
色素細胞(メラノサイト)の数が減るか、なくなった。

 

 

【白髪の原因2】
メラノソーム(色素細胞の中にあって、実際に色素を作る小器官)の数が減るか、なくなった。

 

 

【白髪の原因3】
メラノソームの中で、色素が作り出されなくなった。

 

 

【白髪の原因4】
色素を毛母細胞に運び込むための輸送システムが、機能しなくなった。

 

 

「毛髪の科学(全4回シリーズ)」は、簡単な内容から始まって、次第に真相を掘りさげていくものです。以下の第1回目から、ご覧ください。
⇒ 白髪の原因とメカニズム解明!メラニン色素で黒髪に見える理由とは?

 

白髪の原因と対策~まとめ

白髪のうち、病気によるもので、治療による対策で治る可能性があるものを整理しました。病院の何科で診療すればよいのかも掲載しましたので、参考にしてください。

白髪は分類にかかわらず、原因は同じです。黒色の色素が髪に運びこまれれて黒髪になるため、毛髪にたどりつくまでの経路が途切れてしまえば、白髪になってしまいます。

現時点では、「白髪の原因1」と老化(加齢)との関係(メカニズム)が解明された状況にあり、今後の進展が期待されるところです。

 

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