白髪染め ヘナカラー

白髪染めトリートメントは黒髪でも染まる?美髪へのこだわりも解決!

 

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2020/05/27

 

白髪染めトリートメントと黒髪の関係を考えるとき、次のような異なる見方があると思われます。

  • 黒髪でも染まるものが欲しい
  • 黒髪は染まらないほうが良い
  • 黒髪も含めてトリートメント(美髪)効果に魅力を感じる

 

さまざまな白髪染め商品には、もちろんメリットとデメリットがあり、それらを考えた結果として、白髪染めトリートメントを選ぶはずです。

とはいえ、視点が異なりすぎるので、当記事では全体を2つに分けることにします。

 

前半では、白髪を染めるという視点で、基本から整理してみましょう。

参考にするのは、2016年3月に新美容出版が発行した、「新ヘアカラー入門」。NPO法人 日本ヘアカラー協会(JHCA)による編集です。

 

出典:新ヘアカラー 表紙

 

後半の視点は、トリートメント(美髪)効果。白髪染めトリートメントが選ばれる理由の1つとして、配合されている美髪成分があると思われるからです。

参考にするのは、2008年7月にメタモル出版が発行した「美髪再生」。著者は、美容院経営の塩田 鹿納命さんです。2017年にも図書を出版されていますが、今回はテーマに合わせて、この図書を参考としました。

 

出典:美髪再生 表紙

 

当記事を読み終えると、白髪染めトリートメントの染まり方だけでなく、美髪の答えまでがスッキリとしてしまうことでしょう。

 

白髪染めトリートメントの染まり方

白髪染めトリートメントと黒髪の関係を、わざわざ基本から整理するのは、以前に使っていた製品が何だったかによって、染まり方の印象もかなり異なるだろうと思われるから。

染まる染まらないというのは、何かと比較して感じる印象でしょうから、結局のところ、各製品の違いを知る必要があるわけです。

 

出展: 新ヘアカラー入門

 

要するに黒髪はどうなるのか、早く教えてよと思われるかもしれませんが、製品の違いを知らなければ答えにたどり着くこともできません。

染まるか染まらないかということと、染まったように感じるか感じないかということを、厳密に分けて考えないと、正確な答えにならないことを理解してくださいね。

 

前半部分の内容について、詳しくは「白髪染めトリートメント~自宅で染める市販タイプと美容院の比較結果」をご覧ください。

 

白髪染めの種類と染料

「白髪を染める」といっても、目的や用途によって求める機能も違ってくるため、さまざまな製品が登場してきます。

染めかたの違いを簡単に言ってしまえば、髪の内部から強力に染めるか、髪の表面に染料を塗るだけかということです。

 

出展: 放射光が拓く化学の現在と未来

 

ヘアブリーチ、ヘアライトナー

たんに黒髪のメラニン色素を分解して明るくするだけの脱色剤または、すでに染めた染料を取るための脱染剤を用います。

1剤と2剤を混ぜて使用する製品です。

 

出展: 新ヘアカラー入門

 

1剤に含まれるアルカリ剤がキューティクルを開き、その隙間から1剤のアルカリ剤と2剤の過酸化水素が髪の内部に深く浸透

アルカリ剤と過酸化水素が反応して発生した酸素が、髪内部のメラニン色素や染料を分解して、髪の明度が上がります。

 

ヘアカラー、白髪染め、おしゃれ染め

酸化染毛剤を用いて、髪の内部から強力に染めるもので、1剤と2剤を混ぜて使用する製品です。

 

出展: 新ヘアカラー入門

 

ヘアブリーチ・ヘアライトナーと同じ仕組みによって脱色したうえで、染料が髪の内部で発色します。

染料の色が鮮明になるので、暗く染める「白髪染め」から明るく染める「おしゃれ染め」まで、多彩なラインナップが可能となるわけです。

 

ヘアマニキュア

酸性染料(タール色素)によって、髪の表面を染料で包みこむ製品です。

 

出展: 新ヘアカラー入門

 

ヘアマニキュアを塗ると、キューティクルの表面やコルテックスの一部が、電気的にプラス(+)の状態になります。

酸性染料(タール色素)は電気的にマイナス(-)の性質のため、染料が髪の表面に付着するという仕組みです。

 

白髪染めトリートメント

酸性染料(タール色素)塩基性染料またはHC染料によって、髪の表面を染料で包みこむ製品です。

塩基性染料は電気的な性質を利用するもので、酸性染料(タール色素)とは逆に、髪の表面がマイナス(-)、染料はプラス(+)という違いがあります。

 

出展: 新ヘアカラー入門

 

HC染料は電気的な性質を持たず、直接染料として髪の表面に付着するものです。塩基性染料より分子が小さく、キューティクルの隙間からコルテックスの一部にまで浸透しやすいという性質があります。

そのため、多くの白髪染めトリートメントは、HC染料と塩基性染料の両方を配合することによって、髪への付着を高めようとしているようです。

 

ちなみに、タール色素には発がん性が認められていること、HC染料の原料はタール色素と同じく原油であること程度は知っておくべきでしょう。

 

白髪染め製品の成分については、「白髪染めトリートメント~ヘアカラーの成分と頭皮トラブルに要注意!」で根拠とともに徹底的に整理しましたので、参考にしてください。

 

髪が染まる仕組み

髪が染まる仕組みをまとめると、次のようになります。

  • 白髪染めやおしゃれ染めは、メラニン色素や染料を分解したうえで、髪の内部から発色する。
  • ヘアマニキュアや白髪染めトリートメントは、染料が髪の表面に付着する。

 

黒髪でも染まるか染まらないか

白髪染めトリートメントの場合は、酸性染料(タール色素)・塩基性染料・HC染料いずれも、髪の表面に染料が塗られた状態。

染料が黒髪の表面に付着しますから染まってはいますが、黒髪の上なので、染まっていないように感じるというのが正解です。

 

 

白髪染めやおしゃれ染めのように、白っぽく変えた髪の内部から強力に発色するのと比べてしまえば、物足りないと感じるのは当然のことでしょう。

白い紙に描けば鮮やかなクレヨンも、黒い紙ではほとんど色の見分けがつかないのと、同じようなものです。

 

明るい色に染まるか染まらないか

以上の仕組みから明らかなように、黒髪に塗る白髪染めトリートメントでは、明るい色に染まりません。もちろん、すでにヘアカラーなどで明るい髪にしている場合は、染まりますが。

白髪染めやおしゃれ染めとは、次元がまったく違うので、そもそも比べることさえ根本的に無理があるわけです。

 

染まり方の印象が異なる理由

同じ白髪染めトリートメントを使っても、ヒトによって評価が異なるのは、髪そのものの素材がヒトによって違うことも、理由として考えられます。

黒髪の髪質や色あい、黒髪と白髪の割合、白髪の分布(白髪が前髪だけに固まっている、全体的に均一にある、など)によって、全体の印象は大きく異なるわけです。

 

トリートメント(美髪)効果へのこだわり

後半のテーマは、「トリートメント(美髪)効果」です。

 

参考図書の著者は、美容師であり美容院経営者でありながら、長年にわたって「化学染料・トリートメント・パーマ」を完全に否定されてきました。もはや経営哲学ともいえる考え方には、強力な説得力があります。

じつは、後半の参考図書から10年前、すでに図書を出版され次のような主張をされていたのです。

 

【美容室で繰り返されていること】

カラーリングで傷んだ髪を見て、美容師はトリートメントをすすめてきます。トリートメントはコーティング剤入りですから、サラサラした感じにはなります。

しかし、元の素材はカラーリング、パーマでボロボロになっています。さらにおまけに、ヘアアイロンまでされてしまいます。

 

カラーリングやパーマをするとき、美容師は必ず「髪が傷まないようにしますね」と言います。しかし、美容師は一転して、次に来店したとき、「髪が傷んでいますね」とまったく違うことを平気で言って、トリートメントをすすめたりします。

 

もっと露骨なことも図書には掲載されているのですが、もう充分でしょう。カラーリングもトリートメントもパーマも、結局は髪を壊しているということです。

例えば、美容院で施術するトリートメント。一時的に髪がツヤツヤになったと思っても、だんだんパサパサの度合いがヒドくなっていきませんか?

 

もともと髪は、頭皮が分泌する脂分と汗が混ざってできる保護膜におおわれて、潤いを保ちます。

トリートメントで脂分を与えてしまうと、頭皮は脂分の分泌活動を止めてしまうため、かえって乾燥肌や乾燥毛は進行してしまうわけです。

 

 

髪を作るのは毛母細胞、土台の頭皮を健やかに保つことこそ、真の美髪を実現するための本質であることに気づくべきでしょう。

化学物質で目先の対処をすればするほど、長い目で見ると美髪から遠ざかってしまうということです。

 

究極のトリートメント剤

参考図書で、著者が究極のトリートメント剤と呼んでいるのがヘナ(または、ヘンナ)によるヘナカラー。はるか昔から、髪を守るために利用されてきた植物のなかでも、筆頭としてあげられるものです。

ヘナカラー(ヘナ白髪染め)の全体像については、以下の記事を参考にしてください。
ヘナカラー(ヘナ白髪染め)~数千年の時を重ね脈々と受け継がれる伝説

 

出典:Wikipedia「ヘンナ」

 

葉に含まれる「ローソン(Lawsone)」という赤橙色の色素が、髪の主な成分であるケラチン(たんぱく質)と結合するため、染まり方は塩基性染料やHC染料よりも強力です。

ただし、後半のメインテーマは「トリートメント(美髪)効果」なので、染める効果についてはこれ以上ふれません。

 

なぜ「究極」なのか

ヘナは植物ですから、天然100%のナチュラル・ヘナカラーを使えば、化学物質のリスクを蓄積し続ける生活から完全に脱却できるわけです。しかも、「究極」というからには、機能面での完全性もハンパではありません。

白髪染めでありながら、若い人たちにも優れたトリートメント剤として使ってほしいとのこと。特に髪がいたんでいたり、くせ毛で悩む人にすすめているのです。

 

髪表面のケラチンを変性させて、緻密なバリアを形成すると同時に引き締める作用(収れん作用)があるため、定期的にヘナを繰り返すことで、髪にツヤがでてきます。

頭皮を健やかにする抗酸化力があるため、頭皮をケアしてコシ・ハリのある髪を手に入れることができます。

 

髪だけでなく頭皮に対するトリートメント効果こそが、美髪を育てるための主役だったということでしょう。

化学染料によるかぶれなどの皮膚障害を起こす危険性もなく、万が一にも目に入ったとしても、水で洗い流せばまったく問題ありません。

 

自宅で自分で簡単にできますから経済的だし、若ければ若いほど、長くやればやるほどキレイな髪が育つのです。

これほど安全で簡単で経済的な方法によって、「艶やかでコシ・ハリのある髪」という財産を手に入れることができるのですから、まさに「究極」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。

 

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