白髪染めによる皮膚炎(かぶれ・かゆみ)の原因と症状および対処まとめ
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2020/05/27
まず最初に理解していただきたいのですが、「かぶれ」は病気です。 そのため、決してシロウト判断で安易な対処をすべきではありませんし、場合によっては大変な事態になる可能性さえあります。
そのため、当記事の掲載にあたっては医学専門家と行政機関による根拠を必ず添付し、専門家の考え方が分かりやすく伝わることを最優先としました。
たとえば、次のような製品を具体例として考えてみましょう。特定の商品を批判するつもりではないこと、あらかじめご承知おきください。
出典:ケンコーコム
(赤字は当サイト)
成分表のうち、赤線で示した3種類の薬剤に着目して、当記事の整理を進めていきます。
- 1剤:酸化染毛剤(パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン)
- 1剤:アルカリ剤(強アンモニア水)
- 2剤:過酸化水素
「酸化染毛剤・アルカリ剤・過酸化水素」は、以下に示す白髪染めの仕組みから必須の薬剤です。
- アルカリ剤によって、髪の表面を包むキューティクルを開き、薬剤を髪の内部に浸透させる。
- アルカリ剤と過酸化水素(強酸性)の化学反応で発生した酸素によって、黒髪のもとであるメラニン色素を分解・脱色する。
- 酸化染毛剤が酸素と化学反応して、髪の内部で発色する。
当記事の目的は、「かぶれ、かゆみ」の原因と症状および正しい対処法を解説したうえで、白髪染めに配合される3種類の薬剤と「かぶれ、かゆみ」との関係を、完全に把握していただくことです。
日常的に使う白髪染めですが、じつは想像をはるかに超えたリスクが潜むということを理解して、容態が悪化しないよう心がけてください。
目次
白髪染めによるかぶれとかゆみ
白髪染めによる「かぶれ、かゆみ」は、世界中で多くの人が体験していることです。そのため、医学的な考え方は明解ですから、知識さえ備えてしまえば使い方にブレはなくなります。
ふだん考えないような、「かぶれ」や「かゆみ」の意味から、順番に掘りさげていきましょう。
「かゆみ」とは
白髪染めに限らず、そもそも「かゆみ」とは何なのか。順天堂大学 環境医学研究所「なぜ、かゆい?」では、次のように解説しています(画像の出典は、環境医学研究所、赤線は当サイト)。
なにげなく「かゆみ」を感じて引っ掻くのは、生き残るため無意識に行なう防衛行動なのですね。
「かゆい部分に、何か異常が発生していますよ!」と、カラダが知らせてくれているわけです。
カラダに発生している「異常」とは何かといえば、「カラダの外側から、皮膚の表面に刺激を受けている」か、「カラダの内側で、アレルギー反応が生じている」か。
カラダの「内と外」で起こっている異常を、皮膚が脳に伝えて「かゆみ」を感じているのです。
「かぶれ」の原因と症状および治療法
少しずつ明らかになってきたのは、白髪染めによる「かぶれ」は、カラダの外から受ける刺激と、カラダの中で起こっているアレルギー反応による、2種類ありそうだということです。
公益社団法人 日本皮膚科学会(創立は明治33年)が公表している、「接触皮膚炎(かぶれ)に関するQ&A」では、次のように解説しています(画像の出典は、日本皮膚科学会、赤線は当サイト)。
「かぶれ」とは、「かゆみ、ヒリヒリ感」を伴う皮膚の炎症のことです。具体的には、次のような症状があらわれます。
- 赤い斑
- ぶつぶつ
- 水ぶくれ
- ごわごわした皮膚
接触皮膚炎(かぶれ)には、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2種類あることが分かります。
刺激性接触皮膚炎とは、カラダの外側から皮膚に対して加えられた刺激によって起こる「かぶれ」です。皮膚に刺激を与える物質とは、
- 石けん
- 強酸性の化学物質
- 強アルカリ性の化学物質、など
冒頭に示した薬剤の中では、過酸化水素水(強酸性)と強アンモニア水(強アルカリ性)が該当します。
アレルギー性接触皮膚炎とは、カラダの内側で起こっているアレルギー反応による「かぶれ」です。
刺激性接触皮膚炎は、刺激を受けた人なら誰でも起こる可能性があるのに対して、アレルギー性接触皮膚炎は、アレルギー(特定の物質に過敏な状態)のある人だけに起こります。
冒頭でも述べたように、「かぶれ」は病気ですから、治すためには原因を取り除く必要があります。
「かぶれ」の原因は、皮膚に対する外側からの刺激、またはカラダの内側で起こっているアレルギー反応でした。
つまり、「刺激を与えている物質・アレルギー反応の元となっている物質」を見つけだして、除くことが最も重要というわけです。
なお、治療としては炎症をおさえるために、ステロイド外用薬を塗るのが一般的なようです。
「かぶれ」の早期発見と対処法
白髪染めに限らず、何かの薬剤を使用して「かぶれ」た場合は、接触皮膚炎の可能性がありますから、できるだけ早く正しい対処をしてください。
平成22年3月に厚生労働省が公表した、「重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤による接触皮膚炎」には、次のように記述されています。
出典:厚生労働省
(赤線は当サイト)
特に、使ってすぐにヒリヒリしたり、赤くなったりする場合は、要注意。できるだけ早く、白髪染めの使用を中止して、皮膚科で受診することが最優先です。
そのまま使い続けると、ショック状態になる可能性のある危険な症状であることを、忘れないようにしてください。
白髪染めの成分と「かぶれ」の関係
白髪染めに配合される成分のうち、「かぶれ」の原因として最も有名な物質は、髪を染めるための酸化染毛剤です。
その危険性については、2015年10月に消費者庁が警告を発しています。
以上の出典:消費者庁
(赤線は当サイト)
冒頭に示した酸化染毛剤のなかでは、パラフェニレンジアミンとパラアミノフェノールが該当します。この2成分による「かぶれ」は、カラダの内側で起こるアレルギー反応による可能性が高いということです。
ちなみに、厚生労働省はパラフェニレンジアミンを、「皮膚刺激、眼刺激、アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ」のある危険物質と指摘しています。
【パラフェニレンジアミンの危険性】
出典:厚生労働省
(赤線は当サイト)
あらためて、冒頭に示した成分表を確認してみます。
出典:ケンコーコム
(赤線は当サイト)
3種類のうち酸化染毛剤(パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン)のリスクが明らかになったので、残る2種類の薬剤を見てみましょう。
厚生労働省は、リスクを次のように指摘しています。
- アンモニア:皮膚・眼に強い刺激があり危険。
- 過酸化水素:皮膚・眼に強い刺激、発がん性があり危険。
【アンモニアの危険性】
【過酸化水素の危険性】
つまり、アンモニアと過酸化水素は、皮膚の刺激による「刺激性接触皮膚炎(かぶれ)」を引きおこす可能性が高いということです。
まとめると、白髪染めによる「かぶれ」は、カラダの外側から刺激される「刺激性接触皮膚炎」と、カラダの内側からくる「アレルギー性接触皮膚炎」の両方とも可能性があるといえます。
白髪染めを使用するときの注意点
白髪染めの成分によるリスクに加えて、さらに注意しておくべき点があります。それは、自己責任で正しい対処をする必要があるということです。
消費者庁の報告には、続きがありました。
出典:消費者庁
(赤線は当サイト)
赤線の部分をよく見ていただくと、「このことは、理美容師や皮膚科医のあいだではよく知られている。」と記述されています。つまり、常識なのです。
ところが、続いて行われた理美容師へのアンケート調査の結果を見ると、顧客が異常を訴えても施術が継続される可能性のほうが高いということが分かります。
出典:消費者庁
(赤線は当サイト)
理美容師に遠慮せず、強い意志をもって施術を中断しなければならない、ということです。
理美容師は医師ではありませんから、病気に関してはシロウト、中途半端な助言には従わないようにしてください。
また、世間で流通する対処法の中には、大きな間違いも含まれている場合があることに、気づくべきです。
たとえば「製品を変えてみる」というのは、本質から遠くかけ離れた考え方といえます。なぜならば、「かぶれ」の原因は配合される成分にあるのですから。
白髪染めによるかぶれ~さいごに
白髪染めによる「かぶれ」は、配合された成分による「刺激性接触皮膚炎」または「アレルギー性接触皮膚炎」の可能性が高く、原因を特定するためにも早い受診を心がけてください。
いっぽう、そもそも「かぶれ」てしまったのは、白髪を染めることを化学物質に頼ったことが原因ともいえます。白髪染め製品はさまざまですが、多くは白髪を化学染料で染めますから、製品を変えてもリスクは蓄積するばかりです。
ところが、長い歴史によって安心・安全を証明された、化学物質に頼らない方法は存在するのです。
その答えは、植物のヘナ(henna、ヘンナ)によるヘナカラー。古くから、世界中で「白髪染め&トリートメント」として利用されてきました。
ヘナカラー(ヘナ白髪染め)の全体像については、以下の記事を参考にしてください。
⇒ ヘナカラー(ヘナ白髪染め)~数千年の時を重ね脈々と受け継がれる伝説
出典:Wikipedia「ヘンナ」
ヘナ(henna、ヘンナ)の葉に含まれる成分が、髪のケラチン(たんぱく質)と結合して天然の白髪染めとなるうえに、繊維質が髪の表面を包みこんでトリートメント効果によってツヤが増します。
さらに、抗酸化力が頭皮を元気にして、髪のハリ・コシを増す効果さえあるのです。
しかも、手軽に自宅で「白髪染め&トリートメント」できますから、美容院で施術するよりも圧倒的に経済的。
化学物質によるリスクが完全にゼロの、天然100%ナチュラル染料によって、「白髪は染まり」「髪にツヤが出て」「髪のハリ・コシが増し」「安全・安心」「経済的」なのですから、まさに今こそ注目すべき自然の恵みといえるでしょう。
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