白髪や抜け毛の対策~老化を遅らせる生活習慣(食事/睡眠/運動)とは!
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2020/05/26
2017年6月1日に学研プラスが発行した、「髪をあきらめない人は、3つの生活習慣をもっている 専門医が教える、髪のエイジング対策法」(以下、同書と呼ぶ)。
著者は、ウィメンズヘルスクリニック東京 院長の浜中聡子先生です。
出典:同書 表紙
浜中先生は米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医、米国先端医療学会専門医など、多くの資格を取得されました。
女性ホルモンに着目した医学的な見地からのサポートで、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことに尽力されています。この図書も全体的に、女性向けのきめ細やかな解説が提供されています。
「地肌の透け」「髪のボリューム」「薄毛・抜け毛」などの、老化を止めることはできませんが、そのスピードを「ゆるやか」にすることはできる、と主張されています。
その基本が、「食事・睡眠・運動」の3つの生活習慣を整えていくことだそうです。女性の「薄毛・抜け毛」がテーマの中心ですが、体全体のバランスを考える上での参考として、同書を概観してみます。
白髪や抜け毛のカモフラージュ方法
同書では見開き2ページで、白髪や薄毛・抜け毛をカモフラージュする方法と注意点について、2つ紹介しています。
手軽な方法の1つ目は、ウィッグの利用。頭全体を覆うものから、部分的にボリュームアップするものまで、技術的にも進歩して見た目も自然で、しかも価格は手ごろになってきています。
注意点としては、頭髪や頭皮の負担を軽くするために、つけっぱなしにするのを避けたり、ウィッグそのものを清潔に保つよう心掛けたほうが良い、ということです。
手軽な方法の2つ目は、近年注目されつつある、ヘアパウダーの利用。微細なパウダーを、髪や頭皮にかけることで、部分的にカモフラージュすることができます。ウィッグよりもかなり安価に購入できるので、日常生活で手軽に活用できるでしょう。
注意点としては、やはり毛髪や頭皮の負担を軽くするために、使用後は必ず洗髪して、パウダーを洗い落とすことが重要です。白い服を着ているときには、色が付着することもあるようなので、注意してください。
白髪や抜け毛と老化対策(生活習慣)
同書では、白髪や抜け毛の対策として、3つの生活習慣(食事・睡眠・運動)が掲載されています。
冒頭でも述べましたが、あくまでも老化スピードを「ゆるやか」にするものであり、若返ったり元にもどるものではありませんこと、ご承知おきください。
食事
同書が食事や栄養に関して強調しているのは、体全体における栄養バランスの優先順位について。
髪や肌は、生命維持の観点から優先順位が低いため、栄養が偏ったり不足した場合に、最も影響が現れやすいのが髪や肌、という考え方です。
髪の99%はケラチンと呼ばれるタンパク質からできていて、体の大半もタンパク質で構成されます。
タンパク質の吸収を高めたり、吸収された成分を体に必要な物質に変えるため、ビタミンやミネラルは欠かせないものです。ところが、ビタミンやミネラルを人の体で作ることはできませんから、食事で取り入れるしかありません。
髪にとって、毛母細胞を活性化するために亜鉛が重要であるとか、色素細胞(メラノサイト)の活性化に、銅などが重要な役割を果たすことも知られています。
ビタミンB群は、糖質やタンパク質の代謝(必要な物質に変換すること)を促しますし、ビタミンAやEは血流促進、ビタミンCは抗酸化力や免疫力を高めるために、重要な栄養素です。
以下の一覧に示されている食材は、髪に限らず体全体の健康にとって重要なものです。必要な栄養が髪に配分されるためにも、バランスよく摂取しなければなりません。
出典:同書 47ページ
さらに、食事において留意すべき点が、4つ述べられています。
1つ目は、和食をすすめている点です。彩(いろどり)豊かな和食は、見た目に美しいだけでなく、さまざまな食材が使われていて、栄養がまんべんなく摂取できることを意味します。
「揚げる」「焼く」といった、脂肪分が多くなりがちな中華料理や洋食と違って、「生」「蒸す」「網焼き」なども多用される和食は、油分が自然に抑えられ、髪にもダイエットにも一石二鳥の食事、と絶賛されています。
ただし、穀物と野菜を中心とするいわゆる「粗食」は、たんぱく質が不足しがちになるため、避けた方が無難とのことです。
2つ目は、旬の食材を意識して摂取するということです。
野菜の中身評価を行っている、デザイナーフーズ株式会社(愛知)の調査結果が紹介されています。たとえば「ほうれん草」だと、旬とそうでない時期では栄養価が糖度で2倍、ビタミンCで3倍も異なるそうです。トマトやニンジンのカロテン量も、旬の時期は2倍になるといいます。
3つ目は、早食いを慎むということです。食事をして血糖値が上がると、脳の視床下部にある「満腹中枢」という神経が察知して、食欲をストップさせます。そのシステムが働くのには、20分間が必要とのことです。
20分未満で食事を済ませてしまうと、満腹中枢が機能しないまま、必要以上に食べてしまうことにつながります。よく噛みながら、20分以上かけてゆっくり食事することを、心がけると良いそうです。
ただし、22時以降の食事は、睡眠中に消化・吸収が行われて熟睡できず、睡眠の質を落とすことになるため、控えるのが理想、と述べられていました。
4つ目は、これも栄養バランスの延長ですが、「ゆで卵」「リンゴ」「バナナ」「こんにゃく」などの単品ダイエットや、「糖質(炭水化物)」を制限するダイエットなども避けたほうが良い、という点です。
たとえば、脳は糖質によるエネルギーでしか動くことができませんから、糖質を過度に制限すると、脳が正常に働かなくなり、生命に危険を及ぼすこともあり得るそうですから、注意してください。
自分の体重が適正かどうかを判断するために、BMI(ボディ・マス・インデックス)の利用をすすめています。理想値は22あたりで、25以上は肥満、18.5未満は低体重(日本肥満学会の判定基準)ということのようなので、参考にしてはいかがでしょうか。
出典:同書 63ページ
白髪を改善する食材は、存在するのでしょうか。たとえば納豆の真相は、以下の記事で完全決着していますので、参考にしてください。
⇒ 納豆は白髪を予防する食べ物なの?栄養と改善効果の意外な関係とは!
睡眠
そもそも、五感のいずれかが作用していれば脳は働いていますから、脳が休むことのできる唯一の時は睡眠時。その睡眠と髪との関係を結びつけるのは、3つのホルモン(成長ホルモン、甲状腺ホルモン、女性ホルモン)です。
成長ホルモンは、「体内のたんぱく質の合成を促す」ものなので、髪の成長にとっても重要であることに変わりはありません。
睡眠は、ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)を、90分間隔で繰り返しますが、「入眠直後の90分間のノンレム睡眠」における成長ホルモンの分泌量は、1日の約7割を占めるそうです。
出典:同書 70ページ
甲状腺ホルモンが不足すると、白髪や抜け毛が増えますし、女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロンの2種類)のうちエストロゲンの分泌量が低下すると、髪のサイクル(成長期、退行期、休止期)のうち、成長期を長く保つ働きが低下します。いずれも、質の良い睡眠が重要です。
快眠を得るためのポイントは、3つ。1つ目は、日付が変わる前に床につくことです。
理想の就寝時間は午後10時すぎですが、日付が変わってからだとノンレム睡眠がとりにくくなるため、「できるだけ日付が変わる前に寝る態勢に入る」ことを心がけるべき、と提案されています。
2つ目は、午後から夕方を目安に、軽い運動習慣をもつと、適度な疲労感によって、寝つきが良くなるということです。
運動によって、体温が上がりメラトニン(体を睡眠に導くホルモン)の分泌が抑制されてしまうため、寝る直前の運動はひかえたほうが良い、といいます。
同様に、入眠直後にノンレム睡眠に入るために、ある程度体温が下がっているほうが良いので、入浴は就寝の30分から1時間前までにすませておくことも大切とのことでした。
3つ目は、脳を興奮状態にしないため、寝る前のスマホや嗜好品(コーヒー、紅茶などのカフェインを含むもの)は、避けたほうが良い、という点です。
運動
髪にかぎらず、全身の細胞が活動するために必要な「酸素と栄養」は、血液によって運ばれています。血流の低下は健康を阻害する大敵と言えますが、それを防ぐために、著者は適度の運動をすすめています。
適度の運動によって、心臓のポンプ機能を高めて、全身にまんべんなく血液が運ばれるようになります。そこでオススメなのが、日常生活に「歩くこと」をできるだけ増やすことです。
「ウォーキング」として頑張って取り組むのではなくて、「エレベーターやエスカレーターではなく階段を使う」「少し遠くのスーパーに行く」「掃除などの家事をマメにする」「時間に余裕があれば散歩する」などによって、自然に運動量を増やすと良いでしょう。
「1日1万歩」などの目標設定は、かえってストレスを生んでしまうので、本末転倒となって逆効果。日常生活でなるべく歩くという意識を持つことで、1日に歩く量がだいぶ変わってくるので、自然と血流も上がるそうです。
出典:同書 83ページ
紫外線、嗜好品、ストレス、マッサージなど
同書では、他にも髪の老化対策を指摘していますが、主なものをピックアップしてみます。
髪や頭皮に大きなダメージを与えるので、帽子や日焼け止めスプレー(髪や頭皮用)を活用します。ただしスプレーを使用したら、1日の終わりには必ず洗い流してください。
タバコは百害あって一利なし、タバコの煙には250種類以上の有害物質や約50種類の発がん性物質が含まれているそうです。またニコチンやタールによって、血流も低下します。さらに、喫煙による活性酸素の発生も無視できません。きっぱりと、やめるべきでしょう。
出典:同書 95ページ
カフェインを多く含む飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)は、睡眠の質を下げたり血流を低下させる作用がありますが、あまり神経質になる必要もないそうです。「水だけ」と決めることでストレスになるのも逆効果ですから、なるべく控えながら水分摂取に努めれば良いでしょう。
ストレスが原因で髪が抜けることはありませんが、ホルモン分泌の乱れや免疫力の低下につながります。「健康を損なわない」をキーワードにして、いまの生活リズムを見直して、規則正しい生活を心がけることは重要だといえます。
正しいシャンプーの基本は、「髪の毛」ではなく「頭皮」を洗うことです。「すすぐ」も念入りに行なってください。髪が成長するのは夜ですから、髪の健康のためには、朝よりも夜に洗髪するのがベターです。
出典:同書 127ページ
洗髪後の自然乾燥は、臭いやダメージの原因になります。水分によってキューティクルが膨張し、無防備な髪の状態で床につくと、枕や布団でこすられて、キューティクルがはがれ落ちてしまいます。また、頭皮に雑菌が繁殖する原因にもなります。髪だけでなく、頭皮までしっかりと乾燥させてください。
出典:同書 131ページ
ブラッシングなど頭皮マッサージによって、血流が促進することはありません。一時的に上がっても、マッサージをやめれば血流は低下します。ブラッシングの役割は、ヘアスタイルを整えることと思ってください。なお、ブラシを清潔に保つことも忘れずに。
西洋医学や東洋医学を参考にして、日常生活で行える白髪の対策方法を整理しました。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
⇒ 白髪を黒髪に戻すか予防する方法はあるの?西洋医学と東洋医学まとめ
白髪や抜け毛の対策~まとめ
カラダ全体の栄養バランスを、重視してください。生命維持の視点では、髪や肌の優先順位が低いため、必要な栄養をバランスよく摂取することが、髪にも配分されることにつながります。
3つのホルモン(成長ホルモン、甲状腺ホルモン、女性ホルモン)を維持するためにも、質の良い睡眠を心がけてください。日付が変わる前に床に着く、夕方までに軽い運動をする、就寝前の嗜好品を避ける、というのがポイントです。
日常生活で歩く機会を増やせば、自然と血流が上がるようになります。「1日1万歩」などの目標設定は、ストレスを生んで逆効果です。なお、快眠のために、就寝前の入浴や運動は控えたほうが良いでしょう。
【発表】
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